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技術士 二次試験対策 急増する“条件付き課題”とは?論文は「まちづくりGX」完成まで

論文添削
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【 技術士 二次試験対策 】

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◆ 条件付きの課題抽出が増える時代にどう対応するか

最近の技術士試験では、「条件が付いた課題抽出」 が明らかに増えています。 令和7年度の選択科目Ⅲでは、課題を書く前に

  • 発注者の積算に関わる課題
  • あなたの選択科目に関わる課題
  • 流砂系の土砂に起因する課題
  • 河川・砂防・海岸の特性を踏まえた課題

など、課題の範囲(どんな世界で課題を考えるか) が細かく指定されました。

この傾向は、今後ほかの問題(Ⅱ-2や他分野のⅢ)にも広がる可能性があります。 つまり、受験生は 「条件付き課題抽出の考え方」 を身につけておかないと、 題意逸脱で大きく点を落とすリスクが高まるということです。

◆ 条件付き課題抽出とは何か

条件付き課題抽出とは、

“この範囲の中だけで問題を見つけてください”というルールの中で課題を書くこと

です。

ゲームで例えると、

「このステージは水中だけで戦ってください」 「このステージは空中だけで戦ってください」

と言われているようなものです。

つまり、 条件=課題を考えてよい世界のルール です。

◆ 条件付き課題抽出の考え方

● ステップ1:条件を読んで「どんな世界の話か」を決める

例: 「流砂系における土砂に起因する課題」 → 土砂が動くことで起きる問題だけを考える世界

「発注者の積算や入札価格に関わる課題」 → 積算・入札の世界だけで課題を探す

「あなたの選択科目に関わる課題」 → 自分の専門分野の世界だけで課題を探す

ここを間違えると、どんなに文章が上手でも 題意逸脱でアウト です。

● ステップ2:その世界の中で起きている問題だけを選ぶ

例: 「流砂系の土砂の問題」なら

  • ダム堆砂
  • 河床低下
  • 海岸侵食

これらは条件に合っている。

逆に

  • 技術者不足
  • 財政難 などは条件外なので書けない。

● ステップ3:問題の理由(原因)と、なぜ困るのか(影響)を書く

課題は次の形で書くと論理が通ります。

原因 → 結果 → なぜ課題なのか(必要性)

例: 「上流で土砂が減る → 下流で河床が下がる → 堤防が不安定になるため課題である」

この形にすると、 論理が一直線につながり、評価が安定します。

◆ 条件付き課題抽出で絶対にやってはいけないこと

× 条件と関係ない課題を書く

例: 「流砂系の課題」で → 「技術者不足」 → 完全に条件違反

× 条件を無視して自分の得意分野に逃げる

例: 「積算・入札の課題」で → 「ICT活用の遅れ」 → 条件外

× 条件の意味を理解せずに課題を並べる

→ 論理がつながらず、評価が下がる

◆ 条件は「課題の入口を決めるルール」

● 条件とは

“この問題は、この範囲の中だけで考えてね”というルール

● 条件付き課題抽出のコツ

  1. 条件を読んで、どんな世界の話かを決める
  2. その世界の中で起きている問題だけを選ぶ
  3. 原因 → 結果 → なぜ課題なのか をつなげる

● 条件は「書く場所」ではなく「考える順番」

書く前に、条件に合っているかを必ずチェックする → これが論理の一貫性を守る最大のポイント

「まちづくりGX」 初稿

問題文:
世界中の多くの都市で、カーボンニュートラルに向けて、都市分野での具体目標・計画を定め、都市を大胆に変革する動きが起きている。都市・地域構造や交通システムは中長期的にCO2排出量に影響を与え続けることから、 国内においても都市・まちづくりに関わるあらゆる場面で、カーボンニュートラルに取り組み、都市を変革していくことが求められている。
 このような状況を踏まえ、脱炭素化社会の実現について、以下の問いに答えよ。

(1) まちづくりGXを進めるに当たり、多面的な観点から3つの課題を抽出し、観点と内容を明記して述べよ。
(2) 前問で挙げた課題のうち、最も重要と考える課題を1つ選び、複数の解決策を述べよ。
(3) その解決策を実行した場合に新たに生じうるリスクと、その低減策を述べよ。


1.多面的な課題
(1)いかに緑とオープンスペースを確保するか
 緑には水源涵養や温室効果ガスの吸収源といった機能を有している。他方で、近年の人口減少下では持続的な地域づくりが希求され、地域コミュニティの醸成等、緑に求められる機能が多様化している。そのため、こうした機能を通じて地域が持続的に緑を確保できる環境の整備が重要である。よって、都市環境の観点から緑とオープンスペースの確保が課題である。


① 「緑には〜を有している」→「には」と「有している」が対応しないです。正しくは「緑は〜を有している」または「緑には〜がある」のどちらかですね。

② これは概念的に誤りです。緑地がコミュニティを「醸成する」わけではありません。コミュニティ醸成は「社会的プロセス」であり、緑地は「場の提供」にすぎません。また、人口減少→ 持続的地域づくりが必要→ 緑地の機能が多様化?この因果は成立しません。人口減少と緑地機能の多様化は直接結びつかないと思います。

③ 「こうした機能」が何を指すのか不明瞭です。水源涵養?温室効果ガス吸収?コミュニティ醸成?多様化した機能?何を指しているのか分かりません。

④ 「環境の整備」=制度・仕組み・財源、「緑の確保」=物理的整備。これらは別概念であり、混同しているように見えます。

⑤ 前段では緑が確保できる環境整備が重要と言っていたのに、緑そのものの整備なっています。


(2)いかにゼロエネ街区を実現するか
 ZEHやZEB等、建築物単位でのエネルギーマネジメントは進められているが、依然としてCo2排出量の約5割が都市活動に由来している。そのため、地域の未利用熱や蓄電池の活用を通じて街区単位での化石エネルギー使用量を減らす等、エネルギー消費構造の転換が重要である。よって、都市マネジメントの観点からネット・ゼロ・エネルギー街区の実現が課題である。


⑥ ZEH/ZEBが進んでいること、都市活動由来のCO₂が多いこと、この二つには因果関係がありません。本来必要なのは、建築物単体の省エネでは都市全体の排出削減に限界がある、だから面的エネルギー最適化が必要という論理です。しかし原文は、「Aが進んでいるが、Bは依然として多い」というだけで、AとBの関係が説明されていません。論理的に「が」でつなげる根拠がないため、文章が破綻しています。

⑦ 未利用熱の活用、蓄電池の活用、化石エネルギー使用量の削減、これらは課題ではなく解決策です。課題抽出の段階で解決策を混ぜると、背景→観点→課題といった順で詳細になっていくべきなのに、背景に解決策が混ざると何が課題なのか不明確になります。構造転換が必要 → その手段として未利用熱・蓄電池があるという順序でなければなりません。そもそも、課題のパートで解決策を書くこと自体望ましくありません。さらに、なぜ「街区単位」なのかの説明がありません。

⑧ 原文の内容は「エネルギー需給の最適化」、しかし観点は「都市マネジメント」これは観点の不整合です。都市マネジメントとは本来、公共空間管理、都市経営、官民連携、都市サービスの最適化などを指します。エネルギーマネジメントと都市マネジメントを混同していませんか。さらに、「街区単位で減らす」→「ネット・ゼロ・エネルギー街区」。これは単なる言い換えであり、同じ説明の繰り返しです。街区単位でエネルギーを減らす、ネット・ゼロ・エネルギー街区を実現する、両者は同義であり、論理的な展開になっていません。


(3)いかに集約型都市を構築するか
 我が国におけるCo2排出量の約2割は運輸部門であり、その過半が乗用車によるものである。これは、医療や商業、居住等の都市機能が分散し、移動手段として自動車を使わざるを得ない都市構造が一因である。そのため、都市機能を集約し徒歩や自転車、公共交通の分担率の向上を図ることが重要である。よって、都市構造の観点から集約型都市の構築が課題である。


⑨ これは方向性としては正しいのですが、技術文書としては不十分です。本来は、都市機能の分散、低密度な土地利用、公共交通の採算性低下、公共交通サービス水準の低下、自動車依存の固定化という因果の連鎖が必要です。原文は「分散 → 自動車依存」と短絡的に書いており、都市構造の問題を十分に説明できていません。

⑩ 都市機能の集約 → 公共交通分担率向上という単純な因果は成立しません。本来は、都市機能の集約 → 交通需要の集中 → 公共交通が成立しやすい条件が整う → 公共交通分担率が向上しうるという段階的因果が必要です。原文はこの中間プロセスが欠落しているため、論理が飛躍しています。

⑪ 集約型都市が必要よって集約型都市の構築が課題という同じ内容の言い換えであり、課題の抽出になっていません。


2.最も重要な課題と解決策
 都市の防災機能の向上にも繋がるため、「いかに緑とオープンスペースを確保するか」を、最も重要な課題に選定し、以下に解決策を述べる。


⑫ 「防災機能の向上につながる」というのは、緑地整備を行った場合の副次的メリットであり、課題そのものの重要性を示す理由にはなりません。課題選定の理由は本来、GXの目的(CO₂削減)に対する寄与の大きさ、都市構造・エネルギー構造に与える影響、実現可能性・緊急性、他の施策との連関性(前提性や相対評価)など、課題の本質的な重要性に基づく必要があります。しかし原文は、「緑地整備をすると防災にも良い」 だから最重要課題という論理であり、説得力がありません。


(1)官民連携による緑地の整備
 都市公園に民間投資を誘導することで、質の高い緑のオープンスペースを確保する。具体的には、P-PFI制度を導入し、都市公園内に公募対象公園施設の設置を行う。設置にあたっては、都市公園法第5条の6により便益施設の建ぺい率の緩和を図り、滞在快適性に寄与するオープンスタイルのカフェ等を誘導する便益施設から生ずる収益は、周辺の園路や休憩所等のバイアフリー化の整備・改修費用に充てることで、誰もが円滑に利用できる空間を確保する。これらにより、公園管理の財政的負担の軽減が図れるとともに、便益施設と調和した質の高い緑地空間が創出できる


⑬ 民間投資を誘導すると、なぜ「質の高い緑」が確保されるのか説明がありません。本来必要な論理は、民間投資 → 公園施設の維持管理水準向上、維持管理水準向上 → 緑地の質向上。しかし原文は、民間投資 → 質の高い緑地と飛躍しており、因果の中間プロセスが欠落しています。さらに、民間投資は「収益施設の整備」に向かうため、 緑地そのものの質向上とは直接関係しません。後述のP-PFIならまだ分かりますが、単に民間投資の誘導だと意味が通りません。

⑭ P-PFIは「公園施設の整備・管理を民間に委ねる制度」、カフェ誘致は「収益施設の設置」両者は別概念です。原文は、P-PFIを導入する=カフェを誘致すると混同しており、制度の目的と誘導施設の目的が整理されていません。さらに、カフェを誘致しても、CO₂削減、都市のエネルギー構造転換には寄与しません。GXの解決策としてみると題意から外れています。

⑮ バリアフリー化は重要ですが、GXとは無関係です。GXの解決策として求められるのは、都市の熱環境改善、エネルギー消費削減、都市構造の転換、緑地の炭素吸収機能の強化などであり、「誰もが円滑に利用できる空間」はGXの論点ではありません。

⑯ この解決策は、実質的に公園の収益施設整備、公園管理の財源確保、公園のバリアフリー化を述べているだけであり、GX(脱炭素)との因果が完全に欠落しています。課題が「緑地確保」だとしても、 GXの文脈では、都市の熱環境改善、エネルギー消費削減、都市の炭素吸収源の確保、気候適応と緩和の統合などの論点が必要です。しかし原文は「公園の利便性向上」の話に終始しており、 題意から完全に逸脱しています。


(2)建築物への緑化推進
 屋上や壁面に緑化義務を付すことで、市街地で連続した緑の空間を形成する。例えば、都市緑地法第34条により、新築や増築を行う際に敷地面積の一定割合以上の緑化を義務付ける。この緑化にあたり、屋上や壁面緑化も許容することで建築物の緑化を促進する。整備にあたっては、屋内外の空間にバイオフィリックデザインを導入する。これにより、温室効果ガスの吸収やWell-beingの向上等の相乗効果を生み出す


⑰ なぜ「平面緑化」ではなく「屋上・壁面」なのか、なぜ「義務化」なのか、なぜ「連続した緑」が屋上・壁面で形成できるのか、これらの因果が一切説明されていません。

⑱ 「緑化を義務付ける」「屋上・壁面緑化を許容する」と書いていますが、これは論理的に矛盾しています。義務化とは「必ず実施させる」ことであり、 許容とは「選択肢として認める」ことです。つまり、義務化と許容を同時に書くと、規制の強度が不明確になります。さらに、許容すると平面緑化が減る、結果として「連続した緑」がむしろ途切れるという逆効果の可能性があるのに、原文は触れていません。

⑲ 誰が導入するのか、義務なのか任意なのか、どのような基準で導入するのか、どの制度に基づくのかが一切書かれていません。

⑳ なぜ屋上緑化がCO₂吸収につながるのか、どの程度の吸収量が見込めるのか、なぜWell-beingが向上するのか、これらの根拠が一切示されていません。また、原文は、緑化義務、バイオフィリックデザイン、Well-being向上などを述べていますが、GXの本質である都市のエネルギー消費削減、都市熱環境の改善、炭素吸収源の確保、都市構造の転換との因果がほぼ示されていません。つまり、GXの解決策ではなく、単なる「緑化推進策」になっています。課題には則していますが、題意から見るとズレています。


(3)空閑地の緑化
 都市環境に悪影響を及ぼす低未利用地を、緑地空間として有効活用する。例えば、市民緑地認定制度を活用し、みどり法人や民間企業が空閑地を公園と同等の空間とするための整備を行う制度活用にあたり、緑の基本計画に緑化地域又は緑化重点地区を定め、市民緑地の設置を位置付けると共に、施設整備費の支援や都市計画税の軽減措置を図り、誘導する


㉑ 誰が「有効活用」するのか不明です。行政が行うのか、民間企業が行うのか、地権者が行うのか主体が書かれていません。

㉒ 文章上は「みどり法人や民間企業が整備する」と読めますが、市民緑地制度は本来、地権者が土地を提供、行政が認定、管理主体(みどり法人等)が維持管理という構造です。しかし原文は、「誰が整備し、誰が管理し、誰が費用を負担するのか」が曖昧で、制度の実態とも整合していません。

㉓ 誰が「誘導」するのか不明です。行政が誘導するのか、民間が自発的に行うのか、地権者に働きかけるのか、主体が書かれていないため、政策の実行主体が不明確です。また、何を誘導するのか?市民緑地の設置?空閑地の提供?整備への参加?対象も曖昧です。さらに、緑化地域、重点地区、都市計画税の軽減など、これらは制度の説明であり、 なぜGX(脱炭素)に寄与するのかの因果が書かれていません。


3.新たなリスクと対応策
 都市の緑が確保される反面、緑の維持管理労力の負担が増加する。また、労力不足による荒廃化の発見の遅れや、それに伴う機能低下などのリスクが生じる
 対応策として、緑の管理業務のDXを推進する。例えば、PLATEAU等の3D都市モデルを活用する。LOD2空間において日々の点検や不朽状態等の緑地に関する台帳情報をデータベース化により一元管理する緑地の管理状態を可視化することで、管理の効率化を図る。 
 また、日々の巡回業務ではアプリによる通報システムを構築する。市民等が緑地の荒廃状態を発見した場合、状況を撮影し位置とともにアプリを通じて行政に通報できる体制を整備する。この通報による位置情報をデジタル地図にプロットすることで、職員の確認履歴を一元的に把握できるとともに、補修優先度も検討できるようにする。これらにより、職員不足による荒廃状況の発見の遅れを防ぐ。 以上


㉔ 「機能低下」と書かれていますが、緑地のどの機能(炭素吸収・雨水貯留・熱環境改善など)が低下するのかが示されていません。「荒廃化の発見の遅れ」がなぜGXのリスクになるのかも説明されていません。リスクの対象と影響範囲が曖昧で、技術的精度が不足しています。

㉕ 「DXを推進する」と書かれていますが、 どのリスクを、どのメカニズムで低減するのかが説明されていません。「DX=万能解決策」という短絡的な書き方になっています。

㉖ PLATEAUは都市空間の3Dモデルであり、 緑地の維持管理台帳を直接管理する仕組みではありません。なぜPLATEAUが必要なのか、どのように活用するのかが説明されていません。LOD2は「建物形状の精度レベル」であり、 緑地管理台帳の格納場所ではありません。

㉗ 可視化すると、なぜ効率化されるのか、どの業務プロセスが短縮されるのか、どのリスクが低減されるのが書かれていません。「可視化=効率化」という短絡的な表現は技術文書として不適切です。

㉘ 本来のリスクは「GX施策の実施による新たな構造的リスク」であるべき、つまり、GX(脱炭素)のリスク低減と結びつけるべきと考えますが、ここでは単なる人員不足の話に矮小化されています。GXの文脈外れています。もっと、GX(脱炭素)の効果に結び付けましょう。また、都市計画の視点が弱い解決策(意地管理の補完)をこんこんと説明しているのもバランスが悪いと思います。

「まちづくりGX」 完成

1. 多面的な課題
(1) いかに緑とオープンスペースを確保するか
 都市緑地は、都市の熱環境緩和や温室効果ガスの吸収といった多面的な機能を有している。しかし、我が国の都市緑地の充実度は、世界主要都市と比較して低い。CNを実現するうえでは、都市空間や生活空間にも都市緑地の持つGX機能を取り入れていくことが重要である。よって、都市環境の観点から、脱炭素に資する緑地機能の最大化と面的確保が課題である。

(2) いかにゼロエネ街区を実現するか
建物単位での省エネ対策は進んでいるが、個別最適では再エネの活用量や需要削減に限界があり、街区全体としての削減効果が十分に発揮されない。そのため、複数の建物間でエネルギー供給の面的な融通を図る等、既存建物へ裨益する仕組みの構築が重要である。よって、エネルギーマネジメントの観点からネット・ゼロ・エネルギー街区の形成が課題である。

(3) いかに集約型都市を構築するか
 我が国のCo2排出量の約2割は運輸部門であり、その過半を乗用車が占める。これは、都市機能の低密拡散化に伴う公共交通の衰退と自動車依存の進行が一因である。そのため、生活機能を集約して公共交通の利用圏人口を高め、拠点間を公共交通で結ぶことが重要である。よって、都市構造の観点からコンパクト・プラス・ネットワークの構築が課題である。

2.最も重要な課題と解決策
 建物・交通の双方で導入でき、他のGX施策を補完できるため「いかに緑とオープンスペースを確保するか」を最重要課題に選定し、以下に解決策を述べる。

(1) 官民連携による緑地の整備
温室効果ガスの吸収と省エネを両立した緑地空間の形成を図るため、民間活力を活用して再エネ導入と緑地拡張を同時に進める仕組みを構築する。具体的には、P-PFI制度を導入し、緑地整備と一体で再エネ設備や省エネ型施設の整備を公募対象とすることで、事業者の投資回収を可能としつつ緑地量の拡大を図る。便益施設の建ぺい率の緩和により収益性を確保し、その収益を園路や広場の緑地管理に充てることで、GX効果を持つ緑地の維持を持続的に行える体制とする。また、公募設置等指針に再エネ発電施設等を位置付け、得られた再エネを公園内外の施設で活用することで、地域全体のエネルギー負荷低減に寄与する。

(2) 建築物の緑化推進。
 屋上や壁面の緑化義務化し、建物の被覆緑化による冷房負荷の低減と都市の熱環境改善を図る。例えば、緑化地域制度により、新築や増築を行う際に敷地面積の一定割合以上の緑化を義務付け、屋上や壁面緑化を緑化基準の算定対象として認めることで建築物の緑化を促進する。また、建物緑化を推進する地区を緑の基本計画内の地区計画に位置づけ、建物と公共空間を連続的に緑化できる環境を整備し、面的なGX効果を高める。

(3) 空閑地の緑化
 都市内で使い道が失われた空間地等を、都市の脱炭素化に資する緑地として再生する。例えば、開発行為を行う民間主体を都市緑地法第69条のみどり法人として指定し、地域の未利用地を市民緑地認定制度により行政が緑地として位置付けることで、恒常的に緑地を確保する。これにより、都市内の緑被率が向上し、被覆緑化による冷房負荷の低減やCo2吸収量の増加といったGX効果が期待できる。

3.新たなリスクと対応策
 緑地量を急速に拡大すると、自治体や事業者の管理能力を超えて維持管理が追いつかず、緑地の劣化やGX効果の低下を招くリスクが生じる。
 対応策として、緑地の維持状況とGX効果を継続的に把握できる管理体制を構築する。例えば、PLATEAUの点群データや樹木モデルを用いて樹高・樹冠幅・位置情報を属性として整理し、管理台帳と連携して行政が一元管理できるようにする。
また、事業者においては同一モデル上で緑被率やCO₂吸収量を算出し、劣化箇所の早期把握や更新判断に活用することで、拡大した緑地のGX効果を持続的に確保する。 以上

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