添削LIVE
【 技術士 二次試験対策 】
マイ・タイムライン
本日の添削LIVEは、「マイ・タイムライン」チェックバックを2連発でお届けします。どのように、修正されていくのか変化を見るは勉強になります(前回の投稿はコチラ)。また、マイ・タイムラインは、災害関係の重要キーワードとして数々の解決策で使用可能なMagicワードです。
私も、令和3年度の必須科目で、新たなリスクの解決策として用いました。よって、マイ・タイムライン周りの知識は大いに越したことがありません。国土交通省のHPには、マイ・タイムラインに関する様々な情報が掲載されていますので、確認してキーワード集の1ページに加えましょう(国土交通省のマイ・タイムライン解説ページはコチラ)。
その国土交通省のページにあるデジタル・マイ・タイムラインが面白いです。デジタル・マイ・タイムラインとは、次のように説明されています。
『台風の接近時などに、「いつ」・「何をするのか」を住民一人ひとりに合わせて、あらかじめ時系列で整理した自分自身の避難行動計画である「マイ・タイムライン」とスマートフォンアプリの防災情報のプッシュ通知機能などデジタル技術を融合させたものです。
現在、デジタル・マイ・タイムラインのアプリは、各アプリ開発会社等より提供されていますので、利用者が選択して利用することが可能です。』
紙に書いても災害が起きたら、「書いたやつどこだっけ」では避難行動が遅れてしまいます。スマホ時代のマイ・タイムラインは、これが最も効果的な手法といえます。あとは、これらのアプリの導入促進が課題でしょう。しかし、これらの施策も、災害関連、デジタル関連と様々な場面で使えそうです。
私も、早速インストールしてみます!
論文
問題:河川分野における大雨洪水のマイタイムラインを作成するワークショップ業務
( 1 ) 収集・整理すべき資料や情報について述べよ。
( 2 ) 大雨洪水のマイタイムラインを作成するワークショップ業務の手順を述べよ。併せて、留意すべき点、工夫を要する点について述べよ。
( 3 ) 業務を効率的・効果的に進めるための関係者との調整方策について述べよ。
マイ・タイムライン チェックバック①
1.収集・整理すべき資料や情報
(1)河川カルテ
対象地域を流れる河川カルテを収集する。堤防などの河川管理施設や河道の状況を把握する。把握した情報は、住民が洪水リスクを確認する際の参考資料として用いる。
(2)洪水ハザードマップ
洪水ハザードマップを収集する①。具体的には、①浸水想定区域図、②浸水継続時間図、③家屋倒壊等氾濫想定区域図である。ハザード情報を平面的に整理する。
① マップは一つしかないので、収集するは違和感があります。ここは、「洪水に関するハザード情報を収集する」としてはいかがでしょうか(後文との関係性も良くなります)。
(3)過去の災害履歴
対象地域で発生した災害の情報を収集する。洪水ハザードマップと併用しながら、被害が大きい地点を確認し、水害リスクが高い地域を把握する②。ワークショップの優先実施地区の選定に用いる。
② 被害が大きい地点を把握するという前段と重複しているように見えます。よって、一歩進んで評価・検討としてはいかがでしょうか。→「災害リスクを評価・検討する」
(4)地域防災計画や警戒避難体制
地域防災計画および作成済の市町村タイムライン、警戒避難体制など、関連計画を収集する。対象地域の特性③を踏まえたマイ・タイムライン作成の参考にする。
③ 地域特性というよりも「行政の防災計画」ですかね。
2.業務を進める手順と留意点、工夫点
(1)関連計画の整理
前述の情報収集・整理を行う。関連計画と整合を図ることに留意する④。
④ マイ・タイムラインを作るのは住民です。よって、整合性に留意するのは住民と言えます。よって、「関連計画との整合性を確保するため、住民にこれらの情報を提供するよう留意する」ですかね。
(2)住んでいる地区の洪水リスクを認識してもらう
洪水浸水想定区域図から、地域の水害リスクについて説明する。よりリアルに恐ろしさを伝えるため⑤、言葉の説明以外に⑥水害の動画を放映する等の工夫を行う。
⑤ これは好みかもしれませんが、「リスクを知ってもらうため」ですかね。
⑥ これも好みの問題ですが、「言葉の説明に加え」としてはいかがでしょうか。
(3)避難方法の共有
リスク情報を踏まえ、避難方法を考えるよう促す。居住環境や水害リスクが似ている参加者同士で考えさせ、1人では気づかない「避難の備えやタイミング」、「避難場所の選定や逃げ方」について理解を深められるよう工夫する⑦。
⑦ 理解を深めるというよりも、気づきを与えるといった方が伝わりやすいともいます。→『「避難の備えやタイミング」、「避難場所の選定や逃げ方」について新たな気づきを与えられるよう工夫する。』
(4)タイムラインの有効性の共有
突発的に発生する地震災害を比較対象に、時々刻々と発生する洪水災害との発生過程の相違点を説明する。発生過程が時々刻々であることから、タイムラインを作成することが有効なことを伝える。
(5)マイ・タイムラインの作成
前述までの説明から自身の状況を踏まえ、マイ・タイムラインを作成させる。当面は大河川・標準的な降雨シナリオの防災行動を作成する⑧が、内水被害や土砂災害の影響も踏まえた計画への段階的な移行を促す⑨。
⑧ →「してもらう」又は「させる」
⑨ 工夫点とした方が良いと思います。→「計画へ段階的に移行させるよう工夫する。」
3.業務を効率的・効果的に進めるための調整方策
水害リスクの説明を当該河川の河川管理者に依頼し、河川特性を踏まえた説明とすることで効果的、効率的に業務を進める。住民に向けては、「防災行動を考える」ことは堅苦しい・難しいというイメージが先行するため、専門用語をなるべく使わない等の配慮をして⑩分かりやすい説明をすることで効果的に進める⑪。以上。
⑩ 不要。
⑪ →「理解を促す」
マイ・タイムライン チェックバック②
1.収集・整理すべき資料や情報
(1)河川カルテ
対象地域を流れる河川カルテを収集する。堤防などの河川管理施設や河道の状況を把握する。住民が洪水リスクを確認する際の参考資料として用いる。
(2)洪水ハザードマップ
洪水に関するハザード情報を収集する。具体的には、浸水想定区域図、浸水継続時間図、家屋倒壊等氾濫想定区域図である。ハザード情報を平面的に整理する。
(3)過去の災害履歴
対象地域で発生した災害の情報を収集する。洪水ハザードマップと併用しながら、被害が大きい地点を確認し、災害リスクを評価・検討する。ワークショップの優先実施地区の選定に用いる①。
① これは手順で述べた方が良いと思います。後述しますが、「情報収集」のあとステップとして、「ワークショップの企画」ステップを記述し、その中で触れてはいかがでしょうか。
(4)地域防災計画や警戒避難体制
地域防災計画および作成済の市町村タイムライン、警戒避難体制など、関連計画を収集する。行政の防災計画を踏まえたマイ・タイムライン作成の参考にする②。
② これは手順の中で、留意点として述べると良いと思います。
2.業務を進める手順と留意点、工夫点
(1)関連計画の整理③
前述の情報収集・整理を行う④。関連計画との整合性を確保するため、住民に情報を提供するよう留意する⑤。⑥
③ 関連計画に限らないと思いますので、「ワークショップに必要となる資料整理」としてはいかがでしょうか。
④ 前述の調査・検討の内、(3)のみがワークショップに必要な資料ではないですね。よって、(3)は最後に記述((4)として記述)して、「前述(1)~(3)の情報収集・・・」としてはいかがでしょうか。
⑤ これは留意点というより、資料提供する目的ですよね。収集・整理という業務に際しての留意点とすべきです。例えば、「情報整理に当たっては、ハザードマップ、3D都市モデル等を活用し、分かりやすく可視化することに留意する。」といった具合になります。
⑥ ①のとおり、次の手順として「ワークショップの企画」を加えてはいかがでしょうか。例えば、以下のような項目が想定されます。
(2)ワークショップの企画
前述(4)※の調査に基づき、ワークショップの優先実施地区を選定する。ワークショップの日時、参加人数と参加者の選定、会場の決定などの概要を企画する。
※修正前においては、(3)過去の災害履歴となります。
(2)住んでいる地区の洪水リスクを認識してもらう⑦
洪水浸水想定区域図から、地域の水害リスクについて説明する⑧。よりリアルにリスクを知ってもらうため、言葉の説明に加え水害動画を放映する等の工夫を行う。
⑦ ここからは、ワークショップの内容になるので、その旨を記載すべきです。よって、見出しは「ワークショップの開催」として、内容は小見出しにしてはいかがでしょうか。
(3)ワークショップの開催
① 洪水リスクの理解促進
② 避難方法の検討
③ タイムラインの有効性の共有
④ マイ・タイムラインの作成
⑧ 洪水浸水想定区域図のみでなく、収集整理した情報とした方が良いと思います。また、「マイ・タイムライン検討のためのワークショップの進め方」においては、住民が知るべき内容を「過去の洪水を知る」、「地形の特徴を知る」、「水害リスクを知る」とありますので、これらを記述した方が良いと思います。
(3)避難方法の共有
リスク情報を踏まえ、避難方法を考えるよう促す。居住環境や水害リスクが似ている参加者同士で考えさせ、1人では気づかない⑨「避難の備えやタイミング」、「避難場所の選定や逃げ方」について新たな気づきを与えられるように工夫する。
⑨ 「避難の備えやタイミング」、「避難場所の選定や逃げ方」について気づかないわけではなく、後述にあるように新たな気づきを与えるために参加者同士で考えさせるものと考えます。よって、下線部は削除。
(4)タイムラインの有効性の共有
突発的に発生する地震災害を比較対象に、時々刻々と発生する洪水災害との発生過程の相違点を説明する。発生過程が時々刻々であることから、タイムラインを作成することが有効なことを伝える⑩。
⑩ 似たような説明が繰り返されています。合体させちゃいましょう。→「タイムラインの有効性を理解してもらうため、突発的に・・・」
(5)マイ・タイムラインの作成
前述までの説明から自身の状況を踏まえ、マイ・タイムラインを作成させる。当面は大河川・標準的な降雨シナリオの防災行動を作成させるが、内水被害や土砂災害の影響も踏まえた計画へ段階的に移行させるように工夫する。
3.業務を効率的・効果的に進めるための調整方策
水害リスクの説明を当該河川の河川管理者に依頼し、河川特性を踏まえた説明とし効果的、効率的に業務を進める⑪。住民に向けては、「防災行動を考える」ことは堅苦しい・難しいというイメージが先行するため、専門用語を極力使わない等、分かりやすい説明に努め効果的に理解を促す。以上。
⑪ 河川管理者が専門家であることを示し、その効果である客観性のある説明といった効果を添えると良いと思います。→「ワークショップの実施にあたっては、水害リスクの説明を専門家である河川管理者に依頼し、河川特性を踏まえた客観的な説明を行う。また、「防災行動を考える」・・・」