添削LIVE
【 技術士 二次試験対策 】
予想問題作成は最強の勉強
本日の添削LIVEは、令和7年度予想問題 第1弾「複合災害×グリーンインフラ」をお届けします。予想問題は、本サイトの大人気コンテンツです。私の作った問題に興味を持ってもらうことは大変うれしいのですが、自ら予想問題を作ることもお勧めします。
問題を自ら作成することで、①問題のスタイルを理解できること、②出題者の意図を探るクセが付くこと、③問題を作るために情報を集めることで知識が広がること、④時事問題に敏感になれること、⑤過去問の傾向を把握できること、などなどその効果は抜群です。
論文を書きまくるのは基本ですが、試験を違った目線で見ることも大切です。論文ばっかり書いてるもの飽きちゃいますしね、息抜きのつもりで、問題作成を行うのも良いものです。特に、自分が不安に思っていることをテーマにしてしまえば、弱点を補うこともできます。
自分で作るということは、自分に合った問題を作成できることであり、変幻自在にカスタマイズできます。ただし、頓珍漢な問題を作っても、あまり勉強にはならないので、過去問を再編集する感じで作成すると良いでしょう。
このように、過去問をなぞった形で問題を作れば、どういった形で条件設定されるのか、題意はどこに示されるのかといった事柄(前述の①)が手に取るように分かります。合格レベルの論文を書くためには、問題を正しく理解することが最初の関門であり、ここでつまずくと確実に合格から遠のいてしまいます。
問題をきちんと理解することは、合格の絶対条件です。この問題を理解する能力を高めるための最も効果的な練習方法が、予想問題の作成ということになります。みなさんも一度トライしてみてはいかがでしょうか。できた予想問題は、みんなに共有して、みんなで多くのパターンの論文を解きまくりましょう。
論文
それでは、令和7年度予想問題 第1弾「複合災害×グリーンインフラ」を見ていきましょう(問題はコチラ)。これは、自分で作っておきながら言うのもなんですが難しい問題です。グリーンインフラで書くのか、複合災害で書くのかといった迷いが生じるものになっています。問題文には「グリーンインフラを活用した複合災害対策を推進するに当たり」とあるので、テーマは複合災害対策です。グリーンインフラは、それを解決するためのツールということであり、条件と言えます。このように、まずは何を聞かれているのかを明確にすると論点ズレを防ぐことができます。それでは、早速、論文を見ていきましょう。
(1) グリーンインフラを活用した災害対策の課題
1)定量的な目標設定と評価手法の確立;評価の観点
これまで環境に配慮してきたインフラ整備は行われてきたが、場当たり的で、数値目標を定めずに整備されてきた①。整備後のモニタリング調査をしても効果が見えにくく評価が難しい②。グリーンインフラを進めていくためには③、効果を見える化し、事業効果を社会にアピールしていくことが重要である。このことから定量的な目標設定と評価手法の確立が課題④である。
① 「配慮してきた・・・行われてきた・・・整備されてきた」と状態変化を表す表現が続き、受動と能動が混在しています。受身形は必要最低限の使用にとどめると読みやすくなります。→「これまで環境に配慮したインフラ整備を行ってきたが、・・・整備してきた。」
また、何の目標なのでしょうか。このセンテンスでは、何が言いたいのか分かりづらいです。環境配慮の必要性なのか、目標の必要背なのか、場当たり的な対応を問題視しているのか。論点がぼやけています。原則、1センテンスにつき、1つの主張(情報)というルールを設定すると読みやすい文章が書けると思います。
② 文脈が通っておらず、なぜ効果が見えづらい、評価が難しいと考えたのかよく分かりません。順序だてた説明が望まれます。
③ グリーンインフラを進めることを目的にしていますが、題意は複合災害対策の推進です。グリーンインフラこの目的を達成するための手段です(この問題の場合は条件)。
④ まず、観点がありません。また、前述までは見える化が重要と言っているにもかかわらず、結論は「定量的な目標設定と評価手法の確立」となっており、主張に一貫性がありません。最後の結論に向けて、背景を積み上げないと説得力に欠けてしまいます。
2)地域・関係者との連携体制の構築:体制の観点
グリーンインフラは公共施設のみを対象としているわけではなく、商業施設や民間施設など含めたあらゆる土地が対象である⑤。様々な利用者に関わるものであり1つの事業者が単独で実施しても効果が薄い⑥。流域⑦や地域全体で取り組むことで効果⑧が期待できることから、地域・関係者との連携体制の構築が課題⑨である。
⑤ 「グリーンインフラは、・・・土地が対象である。」となっており、主語述語がおかしいです。さらに、グリーンインフラは対象としているとは何を言いたいのでしょうか。グリーンインフラは、自然環境が有する機能を社会における様々な課題解決に活用しようとする考え方ですよ。
⑥ 事業者の数え方は「1者」です。効果は「高い・低い」です。また、「1つの事業者が単独で」は、重複表現です。さらに、1者であろうと広大な土地を取り扱う事業であれば、その効果(影響)は高いと思います。
⑦ なぜいきなり流域の話なのですか。唐突です。
⑧ 何の効果ですか。
⑨ 観点がありません。見出しにある観点と課題は、「体制の観点から体制構築が課題」としており重複しています(前項も同じです「評価の観点から評価手法が課題」)。また、③同様、題意は複合災害対策の推進
3)粘り強い構造への改良:技術の観点
気候変動により想定外の降雨の頻度・強度が高まっている⑩。想定外の外力は既存インフラでは対応できない可能性がある。また既存インフラの中には社会変化に伴い、効率的に利用されていないものもある⑪。避難時間の確保のため、グリーンインフラを取り入れつつ粘り強い構造に改良していくことが課題⑫である。
⑩ これも構文がおかしいですね。多くの情報を詰め込もうとすると、構文がおかしくなるのでシンプルを心掛けると良いですよ。→「気候変動により、想定を上回る水災害が発生している」、「気候変動により、災害は想定を超えて激甚化・頻発化している」
⑪ 利用されていないものとはどのようなものを指しているのでしょうか。また、なぜこの利用されていないことを説明しているのでしょうか。記述の意図がつかめません。
⑫ 突然、避難時間の確保と言われても、びっくりします。結論に到達するためには、前振りが必要です。言いたいことを思うままにかいても、誰も納得してくれません。また、これも観点がないですね。
(2)最も重要な課題と解決策
体制を構築しなければ円滑な事業推進⑬はできないため、地域・関係者との連携体制の構築が最重要課題である。⑭
⑬ 提起している課題は推進体制ではなく、効果を高めるための連携体制なので、円滑な事業推進といわれてしまうと論点がすり替えられているような印象を持ちます。
⑭ 細かい話でですが、これから解決策を書くということを示した方が良いでしょう。→「以下に解決策を述べる。」を追記
1)他の計画との連携
河川整備計画など他の計画で必要とされている協議会や検討会を利用し、連携・話合いのきっかけとする。関係者との調整がいらずスムーズに連携を開始することができる⑮。協議会等には地域住民や地元団体が参加していることが多いため、計画段階から地域の意見を反映させることができる⑯。
⑮ 他の計画では、本質的な議論ができないのではありませんか。きっかけのみであれば、関係者と調整すればよく、他の計画に必要な委員会である必要性、メリットが希薄です。調整を省略したい意図が不明です。
⑯ 計画段階からとありますが、何の計画ですか。計画策定をするのであれば、それを書かないとわけが分かりません。さらに、見出しは、他の計画との連携となっていますが、計画連携の話が一切ありません。単に、既存組織を利用して関係者との調整をなくすという主張でしかなく、グリーンインフラを活用した複合災害対策にどう貢献するのかも分かりません。題意、課題設定との関係性を強く意識しないと、支離滅裂な文章構成になってしまいますよ。
2)DXの活用
多くの関係者が協同するグリーンインフラ事業は、多様な環境情報データが集まる⑰。関係者が一体となって取り組むために、情報のデータベース化⑱を図る。例えば3D都市モデルに環境情報と災害リスク情報を追加⑲することで、災害対策を効率的に整備を進める⑳。また都市の温度変化の再現や植生の生育シミュレーションを行うことで効果の見える化を図る㉑。
⑰ どこに集まるのですか。多様な環境情報とはどのような情報ですか。
⑱ 一体となって取り組むことと、データベース化の関連性が分かりません。
⑲ 災害情報は理解できますが、環境情報がなぜ防災対策に役立つのか分かりません。
⑳ 「災害対策を・・・整備を」となっており、助詞が連続しています。「整備を」は不要。
㉑ 誰に対して見える化を図るのですか。なぜ、見える化するのですか。総じて、行動の理由、目的が不明であり説明不足です。また、見出しはDXですが、DXに関する記述がありません。
3)官民連携の推進
多くの自治体はグリーンインフラの先例がなく、ノウハウが不足している㉒。事業を進めていく人材も不足しているのが実態である㉓。官民連携により、民間の創意工夫を活用し効果的にグリーンインフラを推進できる㉔。地元企業が参画することで、複合災害が発生した場合も迅速な復旧体制をとれる効果もある㉕。
令和2年に設立された官民連携プラットフォームは多様な主体が参画している。意見交換や他の先進事例を共有している。アドバイザーの派遣やセミナー開催を行っており活用することで知見を深めることできる㉖。
㉒ 自治体にはないと言っていますが、民間にはあるのですか。その根拠が不明です。
㉓ ㉒もそうですが、このパラグラフは解決策を書くところです。問題点を書くのではなく、解決策の目的を書いた方がよいでしょう。
㉔ 可能性ではなく、解決策として書きましょう。㉒㉓も踏まえると、例えば「民間のノウハウ・創意工夫を活用し効果的に事業を推進するため(←目的)、官民連携体制を構築する(←やること)」となります。このように、解決策のパラグラフは、①目的→②やること→③具体例といった構成とすると分かりやすく説明することができます。
㉕ 連携体制として書きましょう。可能性を示唆するのではなく解決策として言い切りましょう。→「また、地元企業との連携体制を整え、災害発生時に迅速な復旧を可能とする」
㉖ 国交省の取組みを紹介するのではなく、解決策として書きましょう。官民連携プラットフォームを活用する、アドバイザーを派遣してもらい官民連携を促進する、先進事例を調査するなど
(3)新たな㉗生じるリスクと解決策
動植物の希少種の情報漏洩が挙げられる。グリーンインフラ整備の効果として動植物の生育環境の創出があるが、その過程で環境調査を実施し動植物の希少種データを収集している場合がある。生息地の特定につながる詳細な位置情報から乱獲や生息地のかく乱を誘発する恐れがある㉘。
解決策としては、セキュリティ対策を万全にする。具体的にはデータベース起動時のパスワード設定や希少種データの取扱いは管理者のみとし、必要最小限の者だけに情報提供する。
㉗ →「に」
㉘ 地域・関係者との連携体制の構築という行動に対して、あまり関係ないような印象を受けます。間接的なリスクではなく、多様な関係者との調整が必要になり事業推進に時間がかかるなど連携体制の構築による弊害を書くべきでしょう。
(4)業務遂行にあたり必要となる要件
1)技術者倫理
計画から維持管理までの全ての段階において、公衆の利益と安全を第一に考える㉙。DX化により多くのデータを取扱うことになる。データの捏造や改ざんは決して行わない。
2)社会の持続性
グリーンインフラを通じ、緑豊かな魅力ある町づくりを目指す㉚。工事においては、建設機械の排気ガス対策型・ハイブリッド型を活用することで環境への負荷軽減を図る。 以上
㉙ これは、要件ですか、留意点ですか。聞かれていることに対し、答えを明確にしましょう。以下、すべて同じ。
㉚ 魅力あるまちづくりがなぜ社会の持続性なのか分かりません。目的や理由を書きましょう。