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技術士 二次試験対策 落とし穴を解説 「生産プロセスのオートメーション化」

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【 技術士 二次試験対策 】

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技術士二次試験で絶対に外せない「答案作成の本質」

技術士二次試験の答案を読んでいると、知識の多さよりも“書き方の構造”で合否が決まっていると痛感します。特に、今回の添付ファイルにある「i-Construction 2.0」「生産プロセスのオートメーション化」のようなテーマでは、技術的深さと同じくらい、論理の組み立て方そのものが評価の中心になります。

まずよく見る失敗が、解決策における目的の書き方です。解決策のパラグラフでは、目的→やること→具体例の順で書くことをオススメしていますが(論文構成のひな型はコチラ)、この目的においては施策固有の目的とすることが重要です。たとえば「定量化」であれば、AI施工の前提条件整備、施工条件のばらつき吸収、リアルタイム制御の実現など、定量化という手段だからこそ達成できる目的を書く必要があります。

次に重要なのが、技術的具体性です。投稿論文では、締固めエネルギーの計測や電気抵抗による充填状況の把握など、技術的な記述はあるものの、技術的制約や前提条件が十分に示されていませんでした。技術士試験では、技術の“できる理由”と“難しい理由”の両方を理解していることが求められます。

たとえば締固めエネルギーの定量化なら、センサーの設置位置、振動応答のばらつき、コンクリートの配合や温度の影響など、現場条件による変動要因を踏まえたうえで、どうやって安定した指標に落とし込むのかを書く必要があります。技術的制約を理解せずに「センサーで測る」と書くと、ただの空論になってしまいます。

さらに、新たなリスクの書き方にも注意が必要です。添付答案では、リスクが「高価な機器が必要」「教育訓練が必要」といった“施策の弱点”に留まっていました。しかし、技術士試験で求められるのは、複数の解決策を実施した結果として生じる“共通の副作用”です。

今回のテーマであれば、外部依存度の増大による供給脆弱性、データ連携の高度化に伴うサイバーリスク、センサー依存による現場判断力の低下、施工プロセスのブラックボックス化など、オートメーション化全体に共通する構造的リスクを書く必要があります。

そして、答案全体を通して求められるのは、因果関係が通った構造化された思考です。課題が明確であれば目的が定まり、目的が定まれば施策が選ばれ、施策が選ばれれば副作用が生じ、その副作用に対して対策を講じる。この一連の流れが自然に読める答案こそ、技術士試験で高く評価されます。

技術士二次試験は、知識を問う試験ではありません。技術者としての判断力、構造化能力、そして現実を踏まえた実装力を問う試験です。

「生産プロセスのオートメーション化」

1.課題
(1)施工プロセスの定量化
 オートメーション化には標準条件が前提となる。しかし、建設現場でのコンクリート打設は、気温や湿度・打設速度など、現場による依存性が高いため、標準化が難しい。そのため、各種条件を定量的に検知する必要がある。よって、品質面の観点から施工プロセスの定量化か課題である。


① i-Construction2.0 では、標準化できない現場条件をセンシングで把握し、AIで補正しながら自動化することではありませんか。標準化が難しい → だから課題という論理は、i-Construction2.0 の方向性とズレていると思います。
② これだけですと、コンクリート・鋼構造の視点が不足しています。環境条件ではなく、コンクリートのスランプ・空気量・温度管理、打込み速度と締固め、養生条件、鋼構造の溶接条件、ボルト締結のトルク管理なども品質管理につながることを軸にした方がよいでしょう(観点も品質管理です)。
③ これも同じですね。現状の限界や技術的障壁を示したうえで、何を、どの精度で、どのタイミングで、どの技術で、なぜ現状ではできていないのかといった技術的側面に厚みを持たせましょう。
④ ②③のとおり、技術的な記述が少ないため、品質の何が問題なのか分かりません。前段でコンクリートの品質変動、鋼材の溶接品質のばらつき、施工誤差の発生、養生不足による強度不足、打設不良(ジャンカ・空洞)などの品質リスクを明示すべきです。
⑤ 必須科目Ⅰのレベルで言えばセーフなのですが、選択科目Ⅲでみると技術的深堀が足りていないと思います。この課題は観点レベルであり、抽象的で技術課題として弱すぎます。コンクリートの品質変動をリアルタイムに補正、打設・締固め・養生の自動制御に必要なデータを取得、鋼構造の溶接条件を自動最適化するためのセンシングというレベルまで落とし込みたいところです。


(2)データ連携の促進
 コンクリートの品質は製造・施工・維持管理の連続した工程で形成される。しかし、品質管理データは工程単位で分断管理されている。これより、データ駆動型のオートメーション化が阻害されているそのため、データを責任証明から価値創出に転換し、各工程におけるデータの統合管理が必要である。よって、情報面の観点から、データ連携が課題である。


⑥ 「分断管理 → オートメーション阻害」の因果関係が説明されていないため、なぜ阻害されるのかが分かりません。データ連携が欠けると、AI・ロボットが“判断材料”を失い、自動化が成立しないという仕組みを説明する必要があります。
⑦ これも説明不足です。データが“証拠”としてしか扱われていないため、AIが学習・予測・制御に使えず、オートメーション化が進まないという因果関係を説明する必要があります。同様に「統合管理が必要」の理由も説明されていません。統合管理が必要なのは、自動化には“工程横断のデータ”が必須だからです。しかしこのパラグラフには、その仕組みが説明されていません。また、必要性の方が課題より具体的になっています。本来は、必要性→観点→課題と絞り込まれていく展開が理想です。論理構造が不適切です。
⑧ すべての課題において、情報は必要です。そうなると、情報面というのは観点として成立するのか疑義があります。また、データ連携は建設DX全般の課題であり、コンクリート・鋼構造に特有の課題ではありません。技術課題としては、もっと具体化する必要があります。


(3)費用対効果の明確化
 高度な自動化設備やAI導入は初期投資が大きい。一方、建設現場の工期は、大型プロジェクトを除くと一般的に工期が短い。また、一品生産のため、現場毎に施工条件が異なるこれより、転用性が低く、施工業者の負担が大きい。そのため、費用対効果を明確化し資金の回収性を判断し易くする必要がある。よって、経済性の観点から費用対効果の明確化が課題である。


⑨ 自動化設備は分かりますが、なぜAIの話をしているのでしょうか。AIがオートメーション化に必要になる“理由”が説明されていません。
⑩ 建設現場の工期は、以下のように 工種・規模・構造形式・発注者区分 によって大きく異なります。「工期が短い」は一般化できないと思います(事実として不正確)。さらに、工期の長短は“自動化設備の投資回収性”と直接結びつかないのではありませんか。工期が短い=投資回収できないは論理が飛躍しています。
⑪ これは原因と結果が逆になっていませんか。つまり、施工条件が異なるから、一品生生産になるのではありませんか。
⑫ これも、何を転用するのか、そもそも一品生産なのに転用する必要があるのか。論理が全く理解できません。
⑬ これは設備投資の話をしているんですよね。それなのに、工期の話や一品生産の話、さらには転用の話をしており、何の費用対効果なのか分からず読み手は大混乱です。
⑭ 「何の費用対効果なのか」が不明です。自動化設備、AI、工期、一品生産、転用性など、論点がバラバラに並んでおり、どの費用とどの効果を比較したいのかが全く分かりません。さらに悪いことに、コンクリート・鋼構造の専門性が見受けられません。コンクリートで本来触れるべき経済性課題、自動打設ロボットの初期投資と稼働率、締固め自動化の設備費と品質向上効果、養生自動制御設備の設置コストと強度発現の安定化、センサー(温度・湿度・スランプ)の導入費と省人化効果などなど選択科目Ⅲは専門的知見が記述されていないと評価されません。建設部門の一般論を脱する必要があります。


2.最も重要な課題とその解決策
(1)最も重要な課題
 施工プロセスの定量化を最も重要な課題と考え、以下にその解決策を述べる。理由は、定量化のプロセスにおいて、条件の個別化が実施される。これは、他の課題でも有効活用できるためである。


⑮ 「(1)最も重要な課題」「(2)解決策」ともに見出し不要です。スペースがもったいないです。この見出しで得点することはできませんので、解決策で具体例を一つでも多く書いた方がよいでしょう。削除。
⑯ 課題は「施工プロセスの定量化」ですよ。定量化のプロセスとは似て非なるものです。さらに条件の個別化は一体何なのでしょうか。もしかしたら、課題にある各種条件の定量化のことを言っているのでしょうか。そうであるなら、定量化(共通化)と個別化(バラバラ化)を同一視しており、論理的に矛盾しています。
⑰ なぜですか。何に活用できるのか、どのように活用できるのか、なぜそれが最重要なのか一切分かりません。飛躍しており、理解できません。課題の説明になっておらず、ただの“感想” に見えます。相対評価、他の課題の前提、あるいはオートメーション化に不可欠といった技術的・構造的な必然性を示す必要があります。


(2)解決策
1)締固め状況の定量化
 打設中の締固め状況を定量的に評価するため、センサーを用いて締固めエネルギーを計測する。具体的には、振動機やコンクリート内部にセンサーを設置する。振動機からは振動数や加速度、コンクリートへの挿入時間を取得する。コンクリート内部からは振動応答や減衰特性を取得する。これを組み合わせ、締固めエネルギー指数を算出する。この指数を標準指数と比較し、締め固め状況を評価する。また、過振動がなくなり、作業時間が短縮される。これより、振動作業短縮による安全性向上の波及効果もある。


⑱ 課題は 「施工プロセスの定量化」 です。しかし提示された解決策は、“部分工程の定量化” に過ぎません。つまり、施工プロセス全体の定量化であって、締固めというプロセスのみにしか言及されておらず課題に対する解決策になっていないです。施工プロセスの定量化とは本来、変動要因の抽出、センサー配置の最適化、データの標準化、AIによるモデル化、自動制御へのフィードバックなど、プロセス全体の体系化を説明すべきでしょう。このミスは、以下の解決策はすべて同じです。このミスは致命的です。
⑲ 解決策が「技術の羅列」になっており、なぜそのデータが必要なのか、どのように施工プロセスの定量化につながるのか、どのように自動化に寄与するのかという因果関係の説明が一切ありません。これでは、選択科目についての専門知識及び応用能力がある者と評価されません。個別に見てみると、「締固めエネルギー指数」が何を意味するのか説明されていない、「標準指数」と比較すると言っていますが標準指数の定義がないといった点など説明不足です。
⑳ 過振動がなくなり、作業時間が短縮される→ 安全性向上の波及効果があるという説明をしていますが、なぜ過振動がなくなるのか、なぜ作業時間が短縮されるのか、なぜ安全性が向上するのかという因果関係の説明がゼロです。
⑳ 全体をとおして、コンクリート工学としての専門性が浅いように感じます。締固めの話をしているのに、スランプ、空気量、温度、粗骨材分布、充填性、打込み速度、型枠拘束、養生条件などなど、締固めに影響する本質的な材料・施工条件が一切出てきません。


2)コンクリート打設時 の充填状況の定量化
 充填状況を定量化するため、コンクリート内の電気抵抗値を計測する。具体的には、鉄筋密集部や開口部下などに、センサーを埋設する。打設中に微弱な交流電流を流し、抵抗値を計測する。コンクリートが到達すると、抵抗値が急低下する。また、締固め作業の振動により、空隙が減少することでさらに抵抗値が低下する。この到達時間の差や抵抗値の推移により密実化の有無を判断する。また、コンクリート内部の充填状況が可視化されることで、密実なコンクリート構築につながり、耐久性が向上する。そのため、構造物の維持管理頻度が減り、環境負荷軽減の波及効果もある


㉑ 電気抵抗は、水分量、温度、セメントの水和進行など様々な要素で変動するのではないでしょうか。単純化しすぎており、材料工学的に大丈夫かなという印象を持ちます。また、到達時間は「充填の早さ」を示すだけであり、密実化(空隙率の低減)とは別概念ではありませんか。重点と密実を混同しているように見えてしまいます。
㉒ なぜ密実化すると耐久性が向上するのか、どの耐久性指標(中性化?塩害?凍害?)が改善するのか、なぜ維持管理頻度が減るのか、なぜ環境負荷が減るのか、もう何も賛同できません。これは、これもこれまでと同様、因果関係や仕組みが一切説明されていないからです。効果を書くときは必ず因果関係を節目しないとただの主観です。


3)強度のリアリタイムな定量化
 コンクリートの養生期間中の強度を可視化するため、電気抵抗と温度から圧縮強度を推定する。具体的には、部材内に埋設したセンサーにより、電気抵抗と温度を連続測定する。電気抵抗より硬化程度を推定する。また、測定温度より積算温度を算出し水和反応の進行速度を数値化する。これらに材齢を加えた指標より配合別相関式を用いて圧縮強度を推定する。これより、実構造物の強度発現をリアルタイムで把握する。


㉓ 施工プロセスの定量化です。施工全体になっていないことは前述の通りですが、この問題に加え、「定量化」と「可視化」を混同していませんか。推定=定量化、表示=可視化であり、両者は全く別の概念です。さらに問題なのは、「可視化するために推定する」という因果が逆転しています。目的と手段が逆になっていますね。
㉔ 「可視化」と言いながら、可視化の方法が一切書かれていません。グラフ化、時系列表示、3Dモデルへの反映などが“可視化手法”です。「推定する」だけで終わっており、可視化の説明がありません。
㉕ リアルタイム強度推定」が施工管理にどう使われるのか説明されていません。コンクリートなら、本来書くべきことは、脱型時期の判断、プレストレス導入時期の判断、施工サイクル短縮、品質の均一化、自動化設備へのフィードバックなどの“活用方法”ではありませんか。


3.新たに生じる懸念事項と対策
(1)懸念事項
上記の定量化には、高度なリモートセンシング技術が必要となるこれらを適切に扱うには、機器への投資や使用者の教育訓練が必要となる技術や設備の導入や人材育成には相応のコストがかかるため、初期コストの増加が新たなリスクとなる。

(2)対策
建設時や維持管理時における品質や施工性の向上、長寿命化等の実現を勘案し、構造物のLCCを考慮したコスト管理を行う。人材は、資格や研修制度の充実によって、効率的かつ計画的な育成を行う。

 以上


㉔ そもそも、リモートセンシングが必要なら、課題で提案すべきであり、これが必要なら提案した解決策は不十分と自ら述べているようなものです。
㉕ これも同じですね。提案した解決策と関係ないですし、新たなリスクではなくもともとあるリスク(必要性)です。
㉖ まとめとなっているセンテンスも当然同じです。「懸念事項」は“解決策を実行した結果”であるべきなのに、そうなっていないです。
㉗ これはコストの面にだけ着目しており、提案していた懸念事項、リモートセンシングが必要、投資が必要といった解決策が示されていません。
㉘ 懸念事項も対策も、どの材料・どの工程に特有の問題なのかが書かれていません。専門性(コンクリート・鋼構造)がゼロと言わざるを得ません。

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