「能登半島地震・豪雨」提言の重要ポイントを徹底解説
【 技術士 二次試験対策 】
能登半島での地震・大雨を踏まえた水害・土砂災害対策のあり方について
国土交通省では、能登半島での地震・大雨を踏まえた水害・土砂災害対策検討会」を設置し、複合災害等による被害を効率的・効果的に防止・軽減させるための手法等について検討を進め、令和7年6月30日に提言がとりまとめられました(資料はコチラ)。
複合災害(マルチハザード)は、令和8年度の技術士第二次試験・必須科目Ⅰの最重要テーマです。前回は第2弾として、この複合災害をテーマに予想問題をお届けしたところです(予想問題第2弾はコチラ)。
そして今回の記事では、「能登半島での地震・大雨を踏まえた水害・土砂災害対策のあり方について」を徹底解説します。この資料は、まさに複合災害の本質を国が公式に整理した“模範解答の素材集”と言えます。
本記事では、技術士試験の答案作成に直結する形で、提言書から重要要素を抽出し、背景・意味・技術的ポイントをわかりやすく解説します。建設部門受験にとっては、垂涎モノの記事になっていますので、ぜひご一読あれ~。
複合災害とは何か ― 国が定義した“試験で使える定義”
提言書では、複合災害を次のように定義しています。
先発の自然災害の影響が残っている状態で、後発の自然災害が発生することで、単発の災害に比べて被害が拡大する事象
この定義は、技術士試験でそのまま使えるレベルの完成度です。
■ 試験で使えるポイント
- 「影響が残っている状態」がキーワード
→ 施設損傷、地盤緩み、河道閉塞、堤防沈下など - 「小さな外力でも被害が拡大」
→ 先発災害が脆弱性を増幅する - 全国どこでも起こり得る
→ 能登半島特有ではないと明記されている
複合災害は、地震+豪雨だけでなく、
地震+高潮、火山降灰+豪雨、豪雨+停電、洪水+道路寸断
など多様な組み合わせが想定されます。
能登半島地震・豪雨が示した複合災害の“構造的な特徴”
提言書には、技術士試験で使える「複合災害の特徴」が多数示されています。
■ 地震による脆弱化
提言書には次のような記述があります。
「隆起等の地形的変動」「多数の土砂崩れ・地すべり」「河道閉塞」
つまり、地震により山地部の土砂供給量が増大し、河道が脆弱化した状態が生まれたわけです。
■ 豪雨による二次災害の連鎖
「上流から流出した土砂・流木が橋梁で捕捉され、氾濫が拡大」
これは複合災害の典型例です。
■ 技術士答案で使える“構造的理解”
- 地震 → 山地部の土砂供給増加
- 豪雨 → 土砂・流木が一気に流下
- 橋梁で捕捉 → 河道埋塞 → 氾濫拡大
- 側方侵食 → 家屋倒壊
この「連鎖構造」を答案に書けるかどうかで、評価が大きく変わります。
国が整理した「複合災害における課題」
― 技術士試験の(1)課題抽出にそのまま使える ―
提言書は、課題を次の2つの視点で整理しています。
視点①:先発災害後の応急対応の課題
提言書は次のような重要な指摘があります。
● 課題①:被災エリア全体のリスク把握が困難
「地形・施設の変状を速やかに把握できない」
「小規模な河道閉塞を把握する手法が確立していない」
● 課題②:安全度評価ができない
「地域の安全度評価ができず、応急対応が遅れる」
● 課題③:応急対応の優先順位付けができない
「スクリーニングができず、限られた人員・資機材を適切に配置できない」
● 課題④:広域災害では現地調査が不可能
「担当職員が直ちに現場に到達できない」
● 課題⑤:関係機関の連携不足
「研究機関・自治体との連携が十分ではない」
視点②:土砂・洪水氾濫への備えの課題
● 課題⑥:山地部〜河口までの流域全体で対策が不足
「流域を俯瞰した対策が十分ではない」
● 課題⑦:治水計画の見直しが遅れている
「気候変動を踏まえた治水計画の見直しが急がれる」
● 課題⑧:中小河川のハザードマップが未整備
「その他河川では約70%にとどまる」
● 課題⑨:土砂・流木挙動の科学的知見が不足
「未解明な部分も多い」
国が示した「早期に実現すべき対策」
― 技術士試験の(2)解決策に直結 ―
提言書は、解決策を非常に体系的に整理しています。
解決策①:リスク把握・安全度評価手法の確立
「SAR衛星、ヘリ、ドローン、レーザー測量を使い分ける」
■ 技術士答案で書くべきポイント
- リモートセンシングの多層活用
- 被災前データの整備(DX)
- 地形変状・施設損傷の迅速把握
- 地域安全度評価の標準化
解決策②:複合災害に備えたオペレーション体制構築
「民間企業・研究機関・自治体と連携した体制を構築」
■ 技術士答案で書くべきポイント
- 事前の被災シナリオ策定
- 訓練による課題抽出
- 河川・砂防・危機管理の横断連携
- オペレーション着手基準の設定
解決策③:応急対応の強化
「警戒基準の引き下げ」「応急復旧の優先順位付け」
■ 技術士答案で書くべきポイント
- リスク周知による避難行動促進
- 応急復旧のスクリーニング
- 可搬式ポンプ・排水ポンプ車の整備
- 代替機能の確保(冗長化)
解決策④:流域治水の強化
「山地部から河口までの一体的対策」
■ 技術士答案で書くべきポイント
- 透過型砂防堰堤の整備
- 河道埋塞対策
- 側方侵食対策
- 土地利用誘導(住まい方の工夫)
技術士試験で問われる「新たなリスク」とその対策
提言書を踏まえると、次のような“副作用リスク”が想定されます。
新たなリスク①:リモートセンシング依存による誤判定
● 対策
- 現地踏査とのハイブリッド評価
- データ品質の標準化
新たなリスク②:流域治水による住民負担増
● 対策
- 合意形成プロセスの透明化
- 支援制度の拡充
新たなリスク③:応急復旧の優先順位付けによる“取り残し”
● 対策
- 評価基準の公開
- 住民説明の徹底
技術者倫理・社会的持続性の観点
提言書の精神を踏まえると、次の点が重要です。
倫理①:科学的根拠に基づく判断
複合災害は不確実性が高いため、
「最悪シナリオを前提にした判断」
が求められます。
倫理②:住民の生命を最優先
警戒基準の引き下げや避難範囲拡大は、
住民の安全を最優先にする倫理判断です。
倫理③:情報公開と説明責任
複合災害では、情報の非対称性が大きくなります。
技術者は、「専門知をわかりやすく伝える義務」を負います。
提言書は技術士試験の“模範答案の素材集”
本記事で整理したように、提言書は次の点で極めて重要です。
- 複合災害の定義が明確
- 課題が体系的に整理されている
- 解決策が具体的で、試験答案にそのまま使える
- 技術者倫理・社会的持続性の視点が随所に含まれる
この資料を使いこなせば、
必須科目Ⅰの答案は一段上の説得力を持つようになります。
はい、これでみんな論文を書きたくなりましたね。添削依頼お待ちしています。

