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技術士 二次試験対策 建設部門 令和6年度必須科目 Ⅰ 予想問題 「まちづくりGX」 & 恐怖の手書き

論文添削
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添削LIVE

【 技術士 二次試験対策 】

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恐怖の手書き

論文にはテクニックがあってこれまでの「ひな型」、「解体新書シリーズ(課題編解決策編リスク・要点編)」を参考にすれば、パソコンで書き上げることは可能になります。パソコンで・・・そうです。みんな分かっています。本番は、手書きです、手書きです・・・

2度言ってしまいました。これが、とてもつらいです。本番は、1日中文章を書きまくります。利き腕、肩、背中とあちこちが痛くなります。これに耐えられる、精神力を養う必要があります。私も、この時期あたりから、論文を手書きするようにしました。

この時期は、まだ論文の内容は未熟でしたので、パソコンをで書いたものを推敲を兼ねて手書きで書き写しました。受験生の間では、写経と呼んでいるそうで、なんだかありがたい感じがします。「苦しみは、本番の一度きりでいい」と言わずに、ぜひ写経をお試しください。

本番で手書きできない人はいません。では、なぜ手書きを練習するのかという疑問ですが、手書き独特のミスが発生するからです。私の場合は、漢字が思い浮かばない病に罹患しました。パソコンは、勝手に変換してくれるので、勝手に身に付いているものと考えてしまいがちですが、さっきまで書けていた漢字が、ふとしたことをきっかけに記憶の奥底にお隠れになるのです。

もう一つ漢字関係で、悩まされたのが変な考え違いをしてしまうパターンです。私が陥ったケースは、年齢の「齢」の字を「つくり」と「へん」を逆に書いてしまう癖がついてしまい、無意識に間違えるという病でした。直すのに、結構な意思を持って取り組みました。

また、私のようなアホな病気にかかる人は少ないと思いますが、全員経験して欲しい理由は書くことの大変さを実感するとにほかなりません。3枚書くと結構疲れます。これを経験で知っておくことは、本番への小さなアドバンテージになります。

最後にもう一つ、これが手書き練習をする最大のメリットと考えています。それは、手直しテクニックを身に付けられるということです。パソコンの場合、修正は一瞬でできてしまいますが、手書きではそうはいきません。きれいに文字を消すだけでも一苦労です。さらに、3枚書き上げたところで、最初の1枚目にミスを見つけたときは、叫びだしたくなります。

そこで、修正をなんとか最小範囲で収めたくなるのが人というものです。そうなると、影響を最小限にするテクニックを手書きを通じて学ぶことができます。パソコンだと、簡単なので質を重視してしまいがちですが、本番はそんな修正できるはずもありません。本番で優先すべきは、短時間で修正することです。

こればかりは、添削でお伝えすることは難しいです。実践から学ぶしかないのです。論文書いたら、必ず読み返してくださいと申し上げましたが、今後は読み返しに替えて「論文を書いたら、手書きしてください」に変わります。さあ、修行の時期が到来です。指にタコを作りましょう!

論文

本日お届けするのは、建設部門 令和6年度必須科目 Ⅰ 予想問題 「まちづくりGX」です。働き方改革が出そろった次のテーマということで、人気を博しております。GXは緑化とカーボンニュートラルの両輪で説明が必要になります。この2つを抑えるだけで、様々な問題に応用できます。みんさんもぜひ論文を作成してみてください。それでは、論文を見てみましよう。


1.まちづくりGXを推進するにあたっての課題
(1)グリーンインフラの普及促進
 我が国の都市緑化の充実度は低い。この要因として、緑化は収益を生み出しづらいこと、緑地整備・管理のためのノウハウ・財源が十分でないことが挙げられる。しかし、CO2吸収、短時間強雨への対応等自然環境が有する多様な機能は、ハード・ソフト両面において有効活用すべきである。従って、都市整備の観点から、グリーンインフラの普及促進が課題である。


① これは、収益、ノウハウ、財源なしという問題点を示していると思われます。これらを解決する課題はグリーンインフラの普及促進という構図です。グリーンインフラは、自然環境が有する機能を社会における様々な課題解決に活用しようとする考え方です。つまり、収益、ノウハウ、財源なしという問題点を解決するための手段としてグリーンインフラは適切でないと思います。問題点を見直した方が良いですね。気候変動、生物多様性、地域振興など多様化・複雑化する社会問題への対応としてグリーンインフラを提案すると良いと思います。

② ハード・ソフト両面で活用とありますが、例示している機能はCO2吸収、短時間強雨への対応等です。ソフト面の活用がイメージできません。

③ 前述にハード・ソフト両面で活用とあるにも関わらず、都市整備の観点ではハードに偏っているように感じます。


(2)コンパクト+ネットワークの推進
 現状の拡散型都市構造では移動に伴う環境負荷が大きく、エネルギー効率が悪い。集約型都市構造へ転換することで、効率的なエネルギーの面的利用が図れ、環境負荷軽減、持続的な経済活動を営むことができる。従って、都市構造の観点から、コンパクト+ネットワークの推進が課題である。


④ なぜ都市構造の転換でエネルギーの面的利用が図られるのですか。「都市計画基本問題小委員会 中間とりまとめ」では、「都市構造のコンパクト化による CO2 排出量の削減や街区内でのエネルギーの効率的な利用が重要である。」と記載されています。都市構造はCO2排出量の削減で、エネルギーの面的利用との因果関係はないのではありませんか。

⑤ 前触れもなく持続的な経済活動が記述されており、これがどのような効果なのか、なぜGXなのか理解ができません。


(3)デジタルツインの活用
 まちづくりGX推進において、ネイチャーポジティブやカーボンニュートラルと住みやすさを両立した都市政策を進める必要がある。そのためには、緑化・エネルギー利用・暮らし方を総合的に検討の上、方向性を定める必要がある。その際、データや3D都市モデルを活用したシミュレーションが有効である。従って、都市政策の観点から、デジタルツインの活用が課題である。


⑥ 課題は、背景(現況・推測)→問題点(必要性・重要性)→結論といった文章構成にすると良いと思います。必要性を共感させるためには、背景の記述が必要です。また、前段の文は、住みやすさという視点が追加されているものの、題意にかなり近い内容です。よって、削除で良いと思います。例えば、「近年、人口減少、気候変動など社会状況が大きく変化しており、地域課題は多様化・複雑化している。この状況に対応するためには、緑化・エネルギー利用・暮らし方を総合的に検討の上、方向性を定める必要がある」という具合に背景→必要性の流れを端的に述べましょう。

⑦ データ活用と3D都市モデルの活用は、並列に表記されていますので、別々の活用方法に見えます。そうなると、データ活用とは一体どのようなツールなのか良く分かりません。

⑧ 方向性を決めるためにシミュレーションが必要ということであれば、課題はシミュレーションの活用です。デジタルツイン活用の有効性を多面的に説明しないと、腑に落ちないですね。

⑨ 観点が広すぎます。この観点は、上記二つにも当てはまります。設問は、まちづくりGXという都市政策を進めるに当たっての観点と課題を問われているとの解釈です。

解決策

2.最も重要な課題と解決策
 都市のみならず全国的な効果発現が期待できるため、「(1)グリーンインフラの普及促進」が最も重要な課題と考える。以下に解決策を示す。


⑩ 観点を「都市整備」としているにもかかわらず、ここではそれ以外も効果ありますといった論調は矛盾しているように見えます。③の指摘もありますので、観点を見直した方が良さそうですね。


(1)グリーンインフラ整備支援の手引き
 新たな試みを行う際、職場内の合意形成や予算確保が上手くいかず、導入を見送る場合がある。この対応として、グリーンインフラの先進事例、プロセスや支援制度などについて記載した手引きを整備する。合意形成や予算化時の参考資料を整備することで、グリーンインフラ整備を加速化させる。


⑪ 令和5年10月16日に説明の内容を含む「グリーンインフラ実践ガイド」を公表していますよ(事例は「グリーンインフラ大賞」があります)。他の解決策を検討しましょう


(2)評価・認証制度の構築
 都市緑地の質・量を確保するため、民間事業者による都市緑地整備の取組に対し、第三者機関による客観的な評価・認証制度を構築する。認証取得後は、緑地整備・管理時の財政支援や投融資時の減税など、事業者にコストメリットを付与することで、持続的に良質な都市緑地を創出・保全する


⑫ 類似した取り組みに「みどり法人制度」、「市民緑地認定制度」などがあります。またこれらの制度には、税制優遇措置もあります。よって、これら制度の促進としてはいかがでしょか。また、ご提案の評価制度などはこれからの部分もありますので、ここを焦点化する方法もあります。


(3)市民参画型緑地管理の導入
 緑地の維持管理には行政、民間事業者ともに、多大な管理費用を伴う。この対応として、市民参画型の緑地管理を導入する。市民はスマホにて、緑地・樹木の状況・異常を登録することで、管理者はデータを収集・蓄積できる。このデータを樹木管理に活用することで、緑地管理業務の合理化・省力化を図る。


⑬ グリーンインフラの普及促進を図るための解決策を書くべきです。管理の合理化、省力化を目的とした行動では、論点がズレています。解決策を見直しましょう。

リスク

3.全ての解決策を実行しても生じうるリスクと対応策
(1)リスク
 グリーンインフラは、自然環境が持つ多様な機能を街づくりに活かすものである。自然環境は道路等のグレーインフラに対し、不確実な経時的な変化がある。よって、効果発現の不確実性がリスクである。


⑭ ここにきてグリーンインフラの説明は不要です。


(2)対応策
①モニタリング:雨水浸透を期待している施設であれば溢水発生状況、公園緑地整備であれば動植物の種や路面温度を調査する。定期的、定量的に効果測定し、当初期待していた効果が発現されているかモニタリングする


⑮ 書いたらダメという訳ではありませんが、リスクと対応策の文量が多い印象があります。ここは、端的にまとめ、技術力アピールができる解決策をもっと充実させた方が良いでしょう。

⑯「効果測定し、効果をモニタリングする」は重複表現です。


②定期的な維持管理:より確実に効果が発現するよう、定期的な維持管理により、効果発現を阻害する要因を排除する。グリーンインフラ導入時から市民参画型の形態をとりシビックプライドを高めることで、住民の維持管理への参画を促す


⑯ 住民の意識向上や参加を促す行動は、リスクとの関係が間接的です。また、⑮同様、端的にまとめましょう。解決策は、モニタリングと管理を一緒に書いてしまっても良いと思います。→「定期的、定量的に効果測定し、効果発現を阻害する要因を排除する。」

要点・留意点

4.業務遂行にあたっての要点・留意点
(1)技術者倫理の観点:グリーンインフラ整備促進には多様な関係者の協力が必要となる。整備効果等を説明するにあたり、真実性の確保に留意し、客観的で事実に基づいた情報を用いる必要がある。


⑰ →「普及促進」

⑱ 問題は要点または留意点と読めなくもないですが、安全をとって要点も記述すると良いでしょう。


(2)社会の持続可能性の観点:ゴール11「住み続けられるまちづくり」に留意し、環境負荷軽減だけでなく、レジリエントである必要がある。   以上


⑲ さすがに説明不足です。住み続けられるまちとレジリエントがどのような関係にあるのか分かりません。

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