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技術士 二次試験対策 建設部門 令和6年度 必須科目Ⅰ 予想問題 「持続可能な観光」チェックバック

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【 技術士 二次試験対策 】

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観光を取り巻く環境が熱い

本日の投稿論文は、必須科目Ⅰ 予想問題 「持続可能な観光」チェックバックになります(以前の投稿は、コチラ)。観光は、昨年度の予想から引き続き注目度が高いことを説明してきました。これまでも、注目に値するテーマでしたが、今年度はさらに観光を取り巻く環境が熱いと考えます。

要因1 ポストコロナ
コロナウイルス感染症は、令和5年5月から5類に指定されました。昨年は、5月ということもありしゅつだいできなかったのではないかと踏んでいます。5類から約1年が経過し、人流ももどり観光地に賑わいがもたらされています。これらの状況を勘案すると、観光を支えるインフラのあり方が問われそうです。

要因2 インバウンド
最近の円安が拍車をかけ、インバウンドの増加が著しいです。街中で、多くの外国人観光客を目にするとその急増ぶりが手に取るように分かります。そうなると、インバウンド受け入れ環境整備が必要になり、これまた観光ネタが注目という算段です。

要因3 二地域居住
観光地で休暇を取りながら仕事もこなす「ワーケーション」、都市と地方の両方の拠点で仕事をする「二地域居住」など柔軟な働き方が注目されています。テレワークの普及により、これら新しい仕事環境、旅行形態への対応といったアプローチもあるのではないでしょうか。

要因4 〇〇ツーリズム
ガーデンツーリズム、インフラツーリズム、ウェルネスツーリズム、ガストロノミーツーリズム、ユニバーサルツーリズムといった具合に、○○ツーリズムを上げたら枚挙にいとまがありません。このように旅行が多様化する中、新しい地方活性化のツールになる重要なテーマです。

論文

問題

ポストコロナを見据え、持続可能な観光の推進は我が国が取り組むべき喫緊の課題の一つである。
持続可能な観光の促進に向けた受け入れ環境整備においては、自然環境・文化等の地域資源の保全・活用を推進し、地域と旅行者の双方がメリットを享受できることが望まれる。
このように、観光立国として稼ぐ力を養うとともに、地域における経済と社会の好循環を実現することを踏まえ、以下の問いに答えよ。

(1)建設分野における持続可能な観光を実現するにあたり、技術者としての立場で多面的な観点から3つの課題を抽出し、それぞれの観点を明記したうえで、課題の内容を示せ。

(2)前問(1)で抽出した課題のうち、最も重要と考える課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を示せ。

(3)前問(2)で示したすべての解決策を実行して生じうる波及効果と専門技術を踏まえた懸念事項への対応策を示せ。

(4)前問(1)~(3)を業務として遂行するに当たり、技術者としての倫理、社会の持続性の観点から必要となる要点・留意点を述べよ。

課題

1 多面的な観点と課題
(1)いかに良好な景観等を形成・保全するか
 持続的な観光地域づくりを行うためには、地域における資源を観光コンテンツ化することが重要である。
 その資源は、地域固有の景観や歴史等でありそれらを保全しながら観光振興が求められている。
 よって既存ストック面の観点から、いかに良好な景観等を形成・保全するかが課題である。


① 「歴史」を保全との表現はおかしいです。また、資源を景観や歴史と断定するのは、少々違和感があります。少しトーンを落としましょう。→「その資源の一つとして、地域固有の景観や歴史的建造物があり、・・・」

② 前の文では、コンテンツ化が重要と言っています。つまり、現状の資源では観光コンテンツになっていないという意見なのですよね。その状態で保全しても観光資源にならないのでありませんか。文章の流れ、後述の結論から整理すると「保全しつつ活用する」ではないでしょうか。

③ 既存ストック面という観点は、どのような立場・見方なのか分かりません。また、課題とは問題と理想のギャップを埋める行動です。問題点が前述されていないので、これがギャップを埋める行動なのか判断が付きません。これは、結論を導き出すための文章構成になっていないからです。課題のパートは、現状→問題点→必要性→結論の順で述べると上手に結論に到達できます。さらに、後述の課題は景観だけではありません。これらの状況を踏まえ、例えば「豊かな自然や歴史的風土などは、観光資源としてのポテンシャルを有しているが、その魅力に気付かず活用されていないケースが散見される。他方で、観光地された場合においては、自然環境の破壊や乱開発などの問題が危惧される。このような状況の中、地域資源の適切な保全と観光地としての有効活用とのバランス確保が重要である。よって、仕組み面の観点から、いかに環境保全を図りつつ地域資源のポテンシャルを最大化させるかが課題である。」といった表現が考えられます。


(2)いかに旅行者の受け入れ環境を整備するか
 コロナ禍以降、観光需要は回復しつつあり、多くの観光地が賑わいを取り戻しつつある。しかし観光客が集中する地域では、過度の混雑や旅行者のマナー違反により、地域住民の生活の影響や旅行者の満足度が低下している京都市では主要観光地へ向かうバスを増便したが、それを上回る乗客によりバスターミナルや車内が混雑し、市民生活に影響が及んでいる
 よって快適性の観点からいかに旅行者の受け入れ環境を整備するかが課題である。


④ →「住民生活への悪影響」

⑤ ③で指摘した文章構成を踏まえ、ここでは問題点を示すと良いと思います。→「満足度の低下が懸念されている」

⑥ 例示しているものの、内容は生活への悪影響を説明したもので、前述の内容と重複しています。これも、構成を考慮し結論へと導く必要性を述べると良いでしょう。→「このことから、オーバーツーリズムへの対応が求められている。」


(3)いかに旅行者の安全を確保するか
 近年、日本への観光を目的としたインバウンドが増加している。また国内も観光を目的とした移動人口も増加している。そのため、観光客の急激な増加により観光地の治安や災害に巻き込まれる恐れがある
 よって、安全性の観点からいかに旅行者の安全を確保するかが課題である。


⑦ 「国内も」とありますが、インバウンドも国内に訪れる外国人旅行者です。さらに、「移動人口も」とありますが、何の繰り返しですか。この文は、何を言いたいのか分かりづらいです)国内旅行が増えているということが言いたいのですかね)。

⑧ なぜ治安が悪化するのか、なぜ災害に巻き込まれるのかが分かりません。説明が不足し、主張が飛躍しています。

⑧ 安全性の観点から安全を確保するでは、観点と課題が同じに見えます。

解決策

2 最も重要な課題
 (1)が地域社会・経済に好循環をもたらす効果が最も高いため、(1)の「いかに良好な景観等を形成・活用するか」を最も重要な課題に選定し以下に解決策を述べる。


⑨ 最も重要な理由を「最も○○」と表現するのは避けた方が良いと思います(ただの言い換えに見えます)。→「・・・効果が高いため」


3 解決策
(1)景観計画の策定
 観光資源となる景観を形成し、保全活用を図るため景観計画を策定する。計画に基づき、重要文化的景観を構成する自然や建築物の修景を進めるまた、屋外広告物条例を制定し、違反広告物の是正対策を行う


⑩ 景観計画の策定との関連を示しながら、どうやって修景を進めるのかを具体的に書いた方がより良くなると思います。

⑪ 見出しは、景観計画なのですから、条例の説明よりもっと計画策定による効果にフィーチャーした方が良いのではないでしょうか。計画策定することによって、どのように保全活用ができるのかを書きましょう。


(2)観光振興に資する街並み整備
 良好な美観を有している市街地が、その美観を保全でき、観光振興となるよう地区計画を策定する。地区整備計画に、建築物又は工作物の高さの制限や壁面後退等を定め、街並みの統一を図る


⑫ 「市街地が、・・・策定する」になっており、主語述語がおかしいです。→「市街地の美観を保全し観光振興を図るため、地区計画を策定する」

⑬ 美観を保全するために地区計画を策定するのではありませんか。目的が変わっています。また、一般論を脱しておらず、技術的な提案が不足しています。もっと、観光振興を図るための地区計画はどのようなものかを具体的に説明する必要があります。


(3)PARK-PFIの導入
 賑わい拠点である都市公園の魅力を向上させるため民間活力導入によるPARK-PFIを導入する。公園内にカフェ等の収益施設を設置し、広域的な誘客を図る。


⑭ Park-PFIと景観との関連性が不明です(③の修正をした場合は解決策として採用できると思います)。また、Park-PFIをただ説明するのではなく、どうやって観光にむずび付けるのかといった視点をもっと加える必要があります(例示がカフェだけだとちょっと物足りないです)。


(4)まちなかの回遊性の向上
 まちなかの回遊性を向上させるため、「居心地が良く歩きたくなる」空間の形成を図る。
 具体的には、道路空間の再構築を図り、歩行者空間を確保し、オープンテラスやマルシェに活用する。
 また、地域や民間の創意工夫を活用し歩行者利便増進道路(ほこみち)制度によるオープンカフェの設置等、観光振興に資する道路の有効活用を図る。


⑮ これらの活用を可能にするために、ほこみち制度を活用するのではありませんか。後述と重複しているようにみえます。前回同じ指摘になりますが、歩行者利便増進道路(道路法改正案)と滞在快適性等向上区域(都市再生特別措置法改正案)を併用することで、官民一体で取り組む「居心地が良く歩きたくなる」空間の創出を促進」とありますので、滞在快適性等向上区域を設定することについても触れると良いと思います。

リスク

4 波及効果及び懸念事項
(1)波及効果
 地域住民が、身の回りにある資源を観光資源として認識することができ、観光を通じて自らの地域に誇りと愛着を感じることができる。

(2)懸念事項及びその対応
 観光地への旅行者が増加すると、観光従事者の担い手不足が懸念される。この対応として、観光DX化を図り、MaaSの導入や、シームレスに宿泊、体験できる予約・決済システムの導入など観光地の高度化を推進する


⑯ 目的が変わっています。人手不足の対応ではないのですか。


4 業務として遂行するに当たっての留意点
(1)技術者倫理の観点
 業務にあたっては、誠実かつ十分な知識を持って公衆の安全、健康および福利に努めることに留意する。常に「公衆(国民)」の幸福を大前提に業務を行う。

(2)社会の持続可能性の観点
 業務にあたっては、常に社会全体における公益を確保し、将来にわたって安全・安心な社会資本ストックを構築して維持し続ける観点を持つ。    以上

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