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技術士 二次試験対策 群マネの手引きver1公表 「維持管理×生産性向上」

論文添削
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添削LIVE

【 技術士 二次試験対策 】

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群マネ入門超百科

国交省では、群マネの全国展開に向けて、先行事例におけるノウハウ等を参考として、「群マネの手引きVer.1(群マネ入門超百科)」を公表しました(公表ページはコチラ)。近年、地域インフラの老朽化が進む一方で、自治体の技術職員は減少し、予算も限られてきています。国交省でも技術系職員を急募していましたし、本当に人手不足のようです。

こうした状況の中で登場したのが「地域インフラ群再生戦略マネジメント」、通称「群マネ」です。これは、複数の自治体やインフラ分野を“群”として束ね、効率的かつ効果的に維持管理を行う新たな取り組みです。

群マネの特徴は、自治体間の「水平連携」と、都道府県との「垂直連携」を組み合わせることで、行政の枠を越えた協働体制を築く点にあります。さらに、道路・河川・公園・下水道など、分野横断的な連携も可能となり、従来の縦割り構造を打破する仕組みとなっています。

この連携は、単なる協力関係ではありません。「自治体の束」「技術者の束」「事業者の束」という三つの束を軸に、契約年数や業務プロセス、データまでを統合することで、スケールメリットや創意工夫を引き出します。結果として、発注者は直営対応時間を削減でき、事業者は作業効率を高め、住民は迅速な対応に満足するという好循環が生まれます。

同資料では、群マネ導入のプロセスも明確に整理されています。準備段階から始まり、キックオフ、実施方針の策定、事業者とのコミュニケーション、予算要求・発注、事業実施、評価・次期事業の検討という7つのステップが用意されています。選択科目Ⅱー2あたりで問われそうですね。

さらに、付録編では検討支援ツールが充実しています。職員の年齢構成や業務配分のギャップを把握する「現状把握ツール」、発注状況を分析する「発注状況把握ツール」、導入効果を試算する「導入効果試算ツール」、アンケート調査を効率化する「調査作成ツール」などが用意されており、実務に直結する支援も用意されています。

群マネは、制度というよりも戦略であり、連携というよりも覚悟の表れです。自治体職員、事業者、住民が束となって、地域の未来を支えるための挑戦なのです。人手不足や予算制約という現実に向き合いながらも、地域社会の持続可能性を追求するこの取り組みは、今後ますます重要性を増していくことでしょう。

維持管理×生産性向上

本日の添削LIVEは、建設部門 必須科目Ⅰ 「維持管理×生産性向上」をお届けします。群マネも維持管理手法の一つですので、この手の問題が出てきたときは、活躍しそうなトピックです。本論文では、新技術を軸に展開しています。デジタル技術の進展も著しいので、これらを駆使して、持続可能な社会を構築というのが、基本姿勢ですよね。それでは、早速論文をみてみましょう。


1.メンテナンス業務における生産性向上の課題
(1)新技術の導入促進
 インフラの維持管理業務は、供用しながらの目視や打音による点検・診断等、人手と時間を要するものが多い今後建設後50年以上を経過するインフラ施設は加速度的に増加する中、生産年齢人口は2040年に約2割減少し、生産性の向上が急務となっている。従って手法の観点から、デジタル技術の活用等、生産性向上に寄与する新技術の導入促進が課題である。


① 供用しながらの目視や打音による点検・診断等は、人手と時間を要する理由ではありませんか。また、維持管理業務としているにもかかわらず、点検・診断のみであることも気になります。→「インフラの維持管理業務は、供用中に作業しなければならないため、人手と時間を要する」
② 課題のパラグラフでは、現状→問題点→必要性→結論の順で説明する分かりやすい説明になります。よって、問題点を明確にし、必要性とは切りはした方が分かりやすくなると思います。→「また、今後建設後50年以上を経過するインフラ施設は加速度的に増加する中、生産年齢人口は2040年に約2割減少することから、適正な維持管理が困難になることが懸念される。このため、維持管理業務の生産性の向上が急務となっている」
③ 手法の観点とはどのような視点なのかよく分かりません。
④ 新技術では抽象的で範囲が広すぎます。例示にあるようにデジタル技術で良いと思います。また、問題がないのではっきりと言え何のですが、生産性を向上させることを問われているのですよね、そうであるなら、「生産性向上に寄与する」という記述は当然なので不要です。


(2)データ利活用の環境整備
 維持管理業務を効率的に進めるには、必要な情報を必要な人が即座に取得できることが重要である。しかし膨大なインフラ施設の諸元や調査・点検記録がデータ化・一元管理されておらず、予防保全型の維持管理を行う上で足かせとなっている。従って情報の観点から、技術者がよりデータを利活用しやすい環境整備が課題である。


⑤ ②に示す構成が望まれます。
⑥ なぜ予防保全なのでしょうか。説明が必要です。
⑦ 課題で言うデータは、情報のことですよね。情報の観点から情報を利活用しやすい環境では、観点と課題が重複気味です。
⑧ 技術者に限定する必要はないと思います。また、「より」というとベースとなる比較対象があるわけですが、それが何か分かりません。よって、この記述は不要。


(3)多様な契約方式の導入
 メンテナンスの業務範囲は、日常的な維持管理から高度な技術を要する補修・修繕・更新等まで幅広い。特に後者の業務は、小規模分散化型で劣化特性や施設特性に応じた高度な対応が必要なため担い手の確保が困難となっている。従って制度の観点から、作業内容・条件に応じて広域や複数主体による連携、包括的民間委託等多様な契約方式の導入が課題である。


⑨ →「・・・までと幅広い」
⑩ 前述で高度な技術を要するといっているので、繰り返しの説明になっています。ここで説明したいなら、前述の重複個所は削除した方が良いです。また、高度であるから担い手がいないというのも釈然としません。高度であるから、技術者の確保が難しいのであって、担い手の確保が難しいのではないと思います。趣旨に沿った記述内容にしましょう。

⑪ 冗長的で何(広域化、連携、包括化?)を問題視しているのかよく分かりません。論点を明確にするためにも課題は端的に述べましょう。また、契約方式に問題があることは、背景で全く触れられておらず、脈絡がありません。読み手は、なんで契約の話を急にしているのと感じてしまいます。この課題とするなら、背景を見直しましょう。


2.新技術の導入推進に向けた解決策
 新技術の導入促進は、作業の安全性向上やメンテナンス産業の活性化にも寄与することから最重要課題として、その内容と導入支援策を以下に示す。


⑫ 問題がどうなっているのか分かりませんが、通常は重要な課題と解決策を問われていますので、問いに対応した見出しにしましょう。
⑬ これは新技術の導入の効果であって、最も重要の理由になっていないと思います。最もなのですから、相対評価や生産性の向上に資する特徴的な効果とすべきでしょう。


(1)画像データの取得と活用
 点検業務の効率化を図るため、画像データの取得を進める。具体的には道路や鉄道の点検・営業車両にカメラやレーザー計測装置の搭載、UAVを用いた空撮により画像データを取得する。取得データから画像解析により、トンネル覆工や道路舗装のひび割れ抽出、二時期比較による変状進行量の把握を行う。またUAVで取得した広域的な画像から、河川堤防の変状や砂防施設における土砂崩壊箇所等の自動抽出を行う


⑭ 効率化と画像データの取得との関係性が不明です。
⑮ なぜ営業車両なのでしょうか。道路ならまだしも鉄道を例示していて営業車両では、必要な画像が取得できるのでしょうか。
⑯ 日常的に画像取得するということなのでしょうか。これらの車両に搭載する意図がわかりません。
⑰ 画像データの取得を進めるための具体例ではないのですか。解析や変状把握まで書くなら、冒頭の解決策もそれに即した内容にすべきです。解決策と具体例が乖離しています。
⑱ これも対象物が違うだけで、同じことを言っていませんか。また、対象物もコロコロと変わり、具体例としながらも例示が拡散しており、一つ一つの内容も浅薄です。細かい内容を説明するために、「具体的には」としているのではありませんか。


(2)IoTセンサーによるデータの取得と活用
 診断業務の効率化を図るため、IoTセンサーによるデータ取得を行う。具体的には、河川橋脚や落石危険箇所の斜面等に加速度センサーを設置し、固有振動数や変位から、洗堀の危険性や斜面の傾斜角を常時監視する。なお近年長期間に渡り無給電でクラウド送信可能な、低コストのIoTセンサーが多数開発されており、それらの活用を図る


⑲ 例示がないと一般論に見えてしまいます。エネルギーハーベスティング技術、LPWA通信など具体的な技術を示しましょう。


(3)発注者の新技術導入支援
 上記のような新技術を積極的に導入するため、発注者の支援を行う。具体的には、ニーズとシーズ技術のマッチングや点検支援技術性能カタログ等のコスト縮減効果を記載したカタログ類の充実を図る職員数が減少する中、説明責任が必要な発注者の意思決定を支援することで、能動的な新技術導入が期待できる


⑳ 方法が列記されているだけで、総花的です。具体的な説明なのですから、狙いや詳細な効果を記述すべきです。例えば、「ニーズとシーズ技術のマッチングを行い、適用可能な技術の選定を支援するほか、点検支援技術性能カタログなどの技術情報を充実させ、コスト縮減効果を明示する」といった表現が考えられます。
㉑ これは支援の動機、効果です。解決策なので、期待ではなくやることを具体的に書きましょう。→「職員数の減少に伴い、発注者の意思決定支援が重要となるため、技術評価の標準化や導入事例の共有を進め、説明責任を果たしながら新技術の採用を促す」


3.新たなリスクと対応策
 新技術の導入が進むことで、技術者の現場経験が減り、技術力が低下するリスクがある。特に維持管理に関する技術力は、周辺環境の影響や構造物の壊れ方に対する理解等、現場経験で養われる要素が大きい。新技術導入後も最終的な判断は人が行うものであり、そのための技術力は確実に維持継承していく必要がある
 対応策として、「選択と集中」の考え方のもと、残すべき技術と人からシステムへ置き換える技術を明確にしたうえで、新技術の導入を行う。特に残すべき(維持継承すべき)技術については、育成段階に応じた研修や訓練設備を活用した実設訓練、戦略的な現場経験の確保により人材育成を図る


㉒ 冗長的で、もっとリスクを明確にしましょう。特に以降は、技術力低下が招く影響なので、必要性を感じません。これが書いてあることで論点がぼやけてしまっています。書くにせよ、もっと端的に述べましょう。→「構造物の劣化特性や環境影響の理解には現場経験が不可欠であり、解決策を実行しても最終判断は人が担う。しかし、新技術の導入により現場経験が減少し、維持管理の技術力が低下すると、インフラの安全性が損なわれるリスクが生じる」
㉓ 選択しかしていないですね。
㉔ 不要。
㉕ 育成段階に応じた研修を行うのは当然のように感じます。また、訓練設備とはどのような設備なのでしょうか。さらに、戦略的な現場経験の確保は何を言いたいのか分かりません。


4.技術者倫理と社会持続性の必要要件と留意点
 倫理の観点から、公益の確保を最優先に業務遂行することが要件である。特に新技術の導入に際しては、技術がブラックボックス化するリスクを念頭に置き、データの改ざん等が行われることがないよう留意する。
 社会持続性の観点から、安全・安心な社会資本を確実に維持・継承することが要件である。業務遂行にあたり、常に長期的な視点を持ち、新技術の導入と技術継承による人材育成の両立を図るよう留意する。以上


㉖ →「では」
㉗ 技術がブラックボックス化するとは、どういうことか分かりません。

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