国土交通省の政策動向から、建設系受験生が今すぐ準備すべきポイントを徹底解説
【 技術士 二次試験対策 】
令和9年度の予算要求始まる
早いもので、もう予算要求の時期です。補正予算や予備費充当などもあるので、なんだか、ずーっと予算編成しているような感じがします。国の職員は本当に大変です。しかし、技術士試験に目を向けると、これほど参考になる資料も少ないです。
技術士試験において、国の政策動向を正確に把握することは、筆記試験の答案構成だけでなく、口頭試験の深掘り質問に対応する上でも欠かせません。
特に国土交通省が毎年公表する「予算概算要求」は、建設行政の重点施策を網羅しており、技術士試験の出題傾向と極めて強く連動しています(予算概算要求はコチラ)。
令和9年度の概算要求は、近年の災害の激甚化やインフラ老朽化、GX・DXの加速など、社会資本整備を取り巻く環境変化を踏まえた内容になっています。
これらは、技術士試験の出題テーマを読み解く上で重要な示唆を与えてくれます。
令和9年度概算要求の「3本柱」は技術士試験の最重要テーマ
令和9年度の概算要求は、国土交通行政の方向性を次の3本柱として明確に示しています。
- 国民の安全・安心の確保(危機管理投資)
- 持続的な経済成長の実現(成長投資)
- 個性をいかした地域づくりと持続可能で活力ある国づくり(成長投資)
この3本柱は、技術士試験の筆記・口頭の両方で頻繁に問われる領域です。特に建設部門では、防災・減災、流域治水、老朽化対策、物流ネットワーク、GX・DXなどが、令和9年度の重点政策として強く打ち出されています。
口頭試験で問われる「政策整合性」
あなたの業務が国の政策とどう関係するかを語れないと合格は難しい
口頭試験では、単なる業務説明では不十分です。
「あなたの業務が国の政策とどう整合しているか」を論理的に説明できるかが、合否を左右します。
令和9年度の概算要求を踏まえると、特に次の政策領域が深掘りされる可能性が高いと考えられます。
防災・減災、国土強靱化(最重要テーマ)
令和9年度の概算要求では、防災・減災、国土強靱化に関する予算が大幅に増額されています。背景には、気候変動による豪雨の激甚化や、千島海溝・日本海溝・南海トラフなどの巨大地震の切迫性があります。
流域治水の加速化はその象徴的な施策であり、堤防整備やダム再生だけでなく、流域全体での雨水貯留・浸透、内水対策、土砂災害対策など、多層的な取り組みが求められています。
口頭試験では、これらの政策の背景を踏まえ、あなたの業務がどの部分に関わっているのかを具体的に説明する必要があります。
インフラ老朽化対策(予防保全型メンテナンス)
インフラ老朽化対策は、令和9年度の概算要求で1兆円を超える規模となり、国の最重要課題として位置づけられています。
上下水道の老朽化、橋梁・トンネルの更新、港湾・空港の耐震化、公園施設の長寿命化など、対象は多岐にわたります。
口頭試験では、単に「老朽化対策が重要です」と述べるだけでは不十分で、予防保全型メンテナンスの必要性や、点検・診断・更新の体系化、リダンダンシー確保の考え方など、技術的な妥当性を踏まえた説明が求められます。
GX(脱炭素)・DX(i-Construction2.0)
令和9年度は、GX・DXが大幅に強化されています。 フィジカルAIの導入やi-Construction2.0の推進は、建設現場の生産性向上だけでなく、担い手不足への対応としても重要です。
また、カーボンニュートラルポートやSAF(持続可能な航空燃料)、ゼロエミッション船など、交通分野の脱炭素化も加速しています。
口頭試験では、これらの政策を踏まえ、あなたの業務におけるGX・DXの具体的な活用を説明できるかが問われます。
令和9年度の筆記試験で出題される可能性が高いテーマ
概算要求の重点政策から“出題予測”を体系化
筆記試験(Ⅱ-1・Ⅱ-2・Ⅲ)では、国の政策と整合したテーマが出題されます。令和9年度の概算要求を踏まえると、次の領域が特に出題される可能性が高いと考えられます。
流域治水(最重要テーマ)
流域治水は、令和9年度の概算要求で7,000億円を超える予算が計上されており、筆記試験で最も出題されやすいテーマです。
気候変動による豪雨の激甚化を背景に、従来の河川整備だけでは対応できない状況が続いています。
ダム再生や既設ダムの徹底活用、中小河川の治水対策、内水対策、浸水想定区域図の活用など、流域全体での総合的な対策が求められています。
筆記試験では、これらの施策を因果構造に沿って整理し、課題と対策を論理的に説明する力が必要です。
大規模地震対策(千島海溝・日本海溝・南海トラフ)
巨大地震の切迫性を踏まえ、海岸堤防の粘り強い構造や、水門の自動化・遠隔化、ライフラインの耐震化、津波避難タワーの整備などが強化されています。
道路啓開計画や港湾・空港の耐震化も重要な施策です。
筆記試験では、これらの対策の技術的背景や、被害想定に基づく合理性を説明する力が求められます。
インフラ老朽化対策(予防保全型)
老朽化対策は、技術士試験の王道テーマです。 長寿命化計画の位置づけ、点検・診断・更新の体系化、上下水道の老朽化対策、橋梁・トンネルの更新など、幅広い領域で出題される可能性があります。
物流ネットワークの強化
災害時の物流・人流確保は、国土強靱化の中核をなす施策です。高規格道路のネットワーク化やダブルネットワーク化、無電柱化、港湾の広域防災拠点、空港の浸水・耐震対策などが強化されています。
筆記試験では、ネットワークの冗長性や、災害時の輸送確保の観点から論じる問題が出題される可能性があります。
GX・DX(i-Construction2.0)
フィジカルAIやi-Construction2.0は、建設現場の生産性向上と担い手不足への対応として重要です。カーボンニュートラルポートやSAFなど、交通分野の脱炭素化も進んでいます。
筆記試験では、これらの技術の導入効果や、課題と展望を論じる問題が出題される可能性があります。
令和9年度の技術士試験は「政策整合性」が合否を決める
令和9年度の国土交通省「予算概算要求」は、技術士試験の出題テーマと完全に連動しています。
特に流域治水、大規模地震対策、インフラ老朽化対策、物流ネットワーク、GX・DXなどは、筆記・口頭の両方で高確率で問われる領域です。
これらの政策を踏まえ、あなたの業務が国の政策とどう整合しているかを論理的に説明できるよう準備することが、口頭試験合格への最短ルートです。

