改訂版コンピテンシーと最新制度に基づく解説
【 技術士 二次試験対策 】
CPDを明確に理解せよ
技術士二次試験の口頭試験では、コンピテンシーが備わっているかどうかが厳しく問われます(コンピテンシーの解説はコチラ)。その中でも、近年特に重視されているのが「継続研さん(CPD)」です。
コンピテンシーの定義では、継続研さんについて次のように示されています。
「継続研さん・CPD活動を行い、コンピテンシーを維持・向上させ、新しい技術とともに絶えず変化し続ける仕事の性質に適応する能力を高めること。」 (技術士CPDガイドラインより)
この一文は、口頭試験で定番と言ってよいほどのテーマです。しかし、CPDの制度を曖昧に理解したままでは、回答も曖昧になり、説得力を欠いてしまいます。
そこで本記事では、最新のCPD制度(2025年改訂・2026年マニュアル反映)を踏まえ、口頭試験で合格者が語るべきCPDの本質と、回答の作り方を体系的に解説します(マニュアル等の関連資料はコチラ)。
なぜ口頭試験でCPDが問われるのか
技術士は「資格を取った後」が本番だから
技術士は、資格取得時点で完成する資格ではありません。 むしろ、資格取得後に社会へ提供する価値こそが本質です。
技術士CPDマニュアルにも次のように記されています。
「技術士資格は専門知識や技術力、高い倫理観といった資質能力を客観的に保証するもの。CPD活動は資格取得後もその資質能力を維持し、更に向上させることを目的とする。」 (技術士CPDマニュアル)
つまり、技術士は「学び続ける専門家」であることを社会に示す必要があります。 この姿勢があるかどうかを確認するため、口頭試験ではCPDが必ず問われるのです。
CPDとは何か?最新制度に基づく正しい理解
CPDは「Continuing Professional Development」
CPDとは、技術士が専門家としての能力を維持・向上させるために行う継続的な学習・研鑽活動です。
資料では、技術士に求められる資質能力(コンピテンシー)として次の8項目が示されています。
- 専門的学識
- 問題解決
- マネジメント
- 評価
- コミュニケーション
- リーダーシップ
- 技術者倫理
- 継続研さん(CPD)
このうち「継続研さん」は、他の7項目を支える“行動としての資質能力”と位置付けられています。
CPDの活動区分(資質区分 × 形態区分)
CPDは、単なる「勉強時間」ではありません。 技術士会は、CPDを次の2軸で整理しています。
資質区分(何を伸ばすか)
「技術士は、CPD活動の資質区分・資質項目を俯瞰しつつ、バランスの取れた幅広い資質能力の修得に取組む必要がある。」
資質区分は以下の2つ。
A. 専門的学識(技術部門全般・選択科目・法令制度・社会自然条件) B. 一般共通資質(問題解決・マネジメント・評価・コミュニケーション・リーダーシップ・技術者倫理)
口頭試験では、「あなたのCPDはどの資質区分を伸ばすためのものですか?」 と問われることがあります。
形態区分(どのように学ぶか)
資料より引用:
「CPD活動は参加型・発信型・実務型・自己学習型の4つに分類される。」
具体的には以下の10項目。
- 講演・研修
- 組織内研修
- 学協会活動
- 論文・報告文
- 講師・技術指導
- 図書執筆
- 技術協力
- 資格取得
- 業務成果
- 多様な自己学習
口頭試験では、「あなたはどの形態区分のCPDを重点的に行っていますか?」 と問われることがあります。
CPD時間の基準と推奨(最新制度)
資料では、技術士のキャリア形成に必要なCPD時間が明確に示されています。
基準CPD時間
20時間/年
技術士として最低限必要な研鑽量。
推奨CPD時間
50時間/年(うち技術者倫理1時間以上)
国際的に活躍できる高度な技術士を目指すための研鑽量。
技術士(CPD認定)
250時間/5年間(倫理5時間以上)
さらに、2025年4月からは初回認定要件として、
「申請前の過去2年度間の各年度50CPD時間以上(倫理2時間以上)」
が必要となりました。
CPDは「登録」して初めて価値になる
資料では、CPDの登録制度(Pe-CPD)が詳細に説明されています。
CPDは登録しなければ「実績」にならない
よくある失敗が、
「研修には参加しているが、登録はしていない」
というケースです。
資料には次のように記されています。
「技術士は、CPDの目的に適したものを自主的に選択して実施するとともに、その実績をCPD時間に換算し登録することが求められる。」
つまり、 CPDは「行う」だけでは不十分で、「登録」して初めて技術士としての実績になるのです。
CPD登録の注意点
資料には、登録時の注意事項が非常に細かく記載されています。 口頭試験では、この理解が浅いとすぐに見抜かれます。
エビデンスが必要
講演・研修(100)は、受講証などの証拠が必須。
「受講確認ができるエビデンスがあるものに限る。」
上限時間がある
組織内研修(200)や講師・技術指導(510〜530)は年間30時間まで。
同一研修を複数の資質項目に分割可能
例:3時間の研修 → 問題解決2h + 技術者倫理1h
自己学習(010)は0.5倍換算
自己学習は「半分」になるため、過大計上はNG。
学協会活動は原則「活動日ごと」
ただし、年度末まとめ計上は上限10時間。
これらは口頭試験で頻出です。
口頭試験で問われるCPDの典型質問
以下はCPDに関連する質問です。
あなたはどのようなCPD活動を行っていますか?
→ 資質区分 × 形態区分で答えるのが最も論理的。
CPD活動はどのように業務に活かされていますか?
→ コンピテンシーのどの項目が向上したかを具体的に述べる。
技術者倫理のCPDはどのように取り組んでいますか?
→ 推奨CPD時間では倫理1時間以上が必須。 → 具体的な研修名を挙げると説得力が増す。
CPDの登録はどのように行っていますか?
→ Pe-CPDの入力項目を理解しているかが問われる。
口頭試験で使える「模範回答テンプレート」
以下は、資料の内容を踏まえた合格者レベルの回答例です。
【模範回答】
私は技術士としての資質能力を維持・向上させるため、年間50時間以上のCPD活動を計画的に実施しています。CPD活動は、技術士会が示す資質区分と形態区分を踏まえ、専門的学識だけでなく一般共通資質もバランスよく向上できるように取り組んでいます。
具体的には、講演・研修(100)を中心に、技術部門全般の最新動向や法令改正の把握を目的とした研修に参加しています。また、問題解決力やマネジメント力を高めるため、学協会活動(310)や技術協力(700)にも積極的に参加しています。
技術者倫理については、推奨CPD時間の要件である年間1時間以上を確保するため、技術士会が主催する倫理研修を毎年受講しています。これらの活動は、Pe-CPDシステムにエビデンスを添えて登録し、年度ごとにCPD時間を管理しています。
これらのCPD活動を通じて、技術士として求められるコンピテンシーを継続的に向上させ、業務の質を高めることを心がけています。
CPDを語れれば口頭試験は一気に有利になる
CPDは、技術士としての姿勢そのものです。 口頭試験官は、あなたが「学び続ける技術士」であるかどうかを見ています。
資料の内容を理解し、
- CPDの目的
- 資質区分と形態区分
- 時間算定基準
- 登録制度
- エビデンス
- 倫理CPDの必須性
を語れるようになれば、口頭試験の評価は確実に上がります。
CPDは「技術士としての生き方」そのもの
CPDは単なる研修参加ではなく、 技術士として社会に価値を提供し続けるための行動指針です。
資料には、技術士のCPDが次のように定義されています。
「CPD活動を行い、コンピテンシーを維持・向上させ、新しい技術とともに絶えず変化し続ける仕事の性質に適応する能力を高めること。」
この一文を、自分の言葉で語れるようになれば、口頭試験は大きく前進します。

