-観光-気づいた留意点(その9)
【 技術士 二次試験対策】
今回は、予想問題第3弾の「観光」をテーマにした論文です。コロナウイルス感染防止対策に関する規制が緩和される中、観光産業が一気に回復する兆しが見えています。GWは、多くの人々が観光地へと足を運び、にぎわいを取り戻していました。経済活動が活発化することは喜ばしい反面、人で溢れかえっては、折角の景勝地もその魅力が半減してしまいます。ややもすれと来訪者にネガティブな印象を与えることになりかねません。今後、インバウンド需要がさらに増加すれば、観光地はもうイモ洗い状態になるでしょう。この過度な観光客の増加、いわゆるオーバーツーリズムを国交省は解決すべき課題として捉えています。
オーバーツーリズムは、観光客にマイナスイメージを与えるだけでなく、自然環境の破壊や、地域の生活環境にも悪影響を与えます。観光、生活、自然が共存できる仕組みや、都市基盤整備が必要だよねということになるのです。投稿いただいた論文にもありましたが、ETC2.0を利用すると乗り降りが自由になったり、割引料金が適用されたりと様々な恩恵があります。まあ、うちはただのETCですけどね・・・
オーバーツーリズムと同じくらい注目されているのが、グリーンな観光です。私の予想問題でも取り上げましたGXの一種ですよね。国交省では、DXを促進させるべく「○○DX」との表現があまた存在するようになりました。次に来るのは、GXです。よって、観光の視点においても、グリーン化に着目した論述が高得点につながると考えます。
語るべきは、脱炭素、省エネなどの環境トピックです。観光を技術的に語るには、ここらへんの視点を組み込んでいきましょう。例えば、観光×環境=ウォーカブルなまちづくりなどは、分かりやすい取り組みです。ポイントは、都市基盤整備を進めるで、多機能化、複合化、統合化を検討することが有益と考えられます。
さて、今回の留意点は、「技術力の示し方」です。いくつかの論文を拝見させていただいて感じたのは、用語を網羅的に記述して終わりというパターンが多いということです。私は、「こんな言葉を知っていますよ」、「あんな言葉も知っていますよ」、「さらに、・・・・」といった具合に記述することは技術力を示していることにならないと思います。
感心するようなキーワードを紹介しているものが、論文中にいくつもありましたが、列記して終わりではもったいないです。効果、上手な使い方、他のキーワードとの関連性などなど、ここぞというキーワードを深堀して評価者を納得させましょう。
もう一つの視点として、幅広い観点で論述を展開しましょう。良く見られるのが、自分は道路が専門だから、道路分野のみに注力しようと考え多角的な視点が欠如しているパターンです。もちろん、自分の専門分野を書くことは必要なことですが、それだけだと物足りないですし、論文に深みがでません(中身がペラペラだなといった印象を持たれてしまいます)。前述したポイントのとおり、多機能化、複合化、統合化した考えを自身の専門分野とミックスして説明すればきっとすばらしい論文が完成すると思います。
具体的などうすりゃいいんだよという方は、ぜひ論文を投稿してみてください。みなさんの不安や疑問を解消するヒントを示すことができると思います。
お待ちしています。