PR

技術士 二次試験対策【添削LIVE】建設部門 必須科目Ⅰ 

パソコンと携帯 論文添削
PR
PR

ー働き方改革チェックバック②ー

【 技術士 二次試験対策】

次なる投稿は、「働き方改革」のチェックバック②になります。働き方改革については、何度か投稿を頂いているテーマです。注目度高いですよね。働き方改革を説明するうえでよく登場するキーワードとして、「生産性向上」が挙げられます。生産性向上とは何ぞやということを深堀してみましょう。

生産性向上というと、業務効率化のことかと思いがちですが、その違いには大きな隔たりがあります。富士通メディアラーニングHPの説明が分かりやすかったので引用させてもらうと、「業務効率化とは、現状は非効率的な状況にある業務について、ムリ・ムダ・ムラのある工程を排除し、改善して効率的にしていくことを指します。 生産性向上とは、より多く生産物を生み出し、より少ない資源を投入する動きですので、投入資源を削減する業務効率化は、生産性向上のための施策の1つといえます。」と説明されていました。

このような生産性の向上を図るために必要となる施策は、ずばりICT化です。国土交通省では、建設生産プロセスでICT等を活用する「i-Construction」を推進し、2025年度までに建設現場の生産性の2割向上を目指すこととしており、官庁営繕においては以下の取組を実施しています。

① BIMの活用・・・BIM(Building Information Modelling)は、コンピュータ上に作成した主に3次元の形状情報に加え、室等の名称・面積、材料・部材の仕様・性能、仕上げ等、建築物の属性情報を併せ持つ建物情報モデルを構築するものです。
② 情報共有システムの活用・・・公共事業において、情報通信技術を活用し、受発注者間など異なる組織間で情報を交換・共有することによって業務効率化を実現するシステムを活用するものです。
③ 写真撮影要領・・・全ての営繕工事について、写真はデジタル化、電子黒板の活用を原則としています。
④ 遠隔臨場の実施 ・・・受発注者の作業効率化や、契約の適正な履行としての施工履歴の管理の実施を図るため、原則全ての営繕工事で遠隔臨場を本格活用するとしています。
⑤ デジタル技術を活用した監督・検査の試行・・・建設現場における監督職員の検査にデジタル技術を活用。従来の目視による確認からタブレット等で撮影した画像判定の確認に代えるとしています。

例えば、課題の一つに「生産性の観点から、ICT化が課題」と設定すれば、上記の5つの対応策を説明すれば技術力満載の論文が完成しますよね!必須科目の論文の作り方は、このような流れで作っていくと良いと思います。つまり、①方向性の検討、②骨子まとめ、③論文着手、④セルフチェック というプロセスを経るとGOODです。

それでは、論文をみてみましょう。


1.多面的な課題とその観点
(1)いかに、労働生産性を向上させるか
 厚生労働省による令和5年3月時点の勤労統計調査では、建設業の月あたり労働時間は167.8時間である。また、出勤日数は20.5日であり他産業の中で最も実労働時間が長い。これらは複雑で精密な作業を求められることによる影響が大きい
 よって、効率化を図る観点からいかに労働生産性を向上させるかが課題である。

① 労働時間が長い主な理由は、労働力不足や工期設定に問題があるのではありませんか。

(2)いかに、技術者を確保するか
 人口減少に伴う生産年齢人口の減少や高齢者の増加により、技術者が不足している。加えて、学生の理科離れの深刻化により若手技術者の確保も難しくなっている。人手不足により建設現場での役割分担が出来ず「昼は現場作業、夜は書類作成」という働き方が常態化している。
 よって、人材面の観点からいかに技術者を確保するかが課題である。

② 高齢者の増加と技術者不足の結びつきがピンときません。
③ 「建設現場では」となっていますが、施工管理業務の一例だと思います。

(3)いかに誰もが働きやすい環境を整備するか
 他の産業と比較しても、建設業では男性化率が高く男性主体の上程が長く続いている。また、現場のトイレ環境問題や不規則な勤務形態により若者入職者の離職防止も喫緊の課題となっている
 よって、就労促進の観点からいかに誰もが働きやすい環境を整備するかが課題である。

④ 前後同じようなことを言っています。どちらか一方で良いのではないでしょうか。
⑤ トイレが汚いから離職してしまうは、理由が限定的に感じます。安全面の例も挙げてはどうでしょうか。また、「○○により離職防止が課題」は表現がおかしいことと、課題を言っちゃってますね。ここは、背景や問題点を書くべきなので、「○○により、離職が増加している。」とかではないでしょうか。さらに、「若者入職者の離職」も違和感があります。シンプルに「若者の離職」で良いと思います。加えて。若者の離職者と限定しているのも関わらず、若者であるが故の問題点も指摘されておりません。例えば、技術継承が難しい、建設業の高齢化が顕著といった記述が必要ではありませんか。
⑥ 就労促進の観点では、(2)の人材確保と同じように感じます。「労働衛生面の観点」としてはどうでしょうか。

2.最も重要と考える課題とその解決策
 上記のうち、「いかに、労働生産性を向上させるか」を最も重要な課題に選定し、以下に解決策を示す。
(1)ICT技術の活用
 測量→設計→施工→検査の各建設プロセスにおいてICT技術を全面的に活用する。測量段階では、ドローンを活用した航空レーザー測量で3次元測量を行い現場状況のデータを集積する。設計段階では、取得した3次元情報から切土・盛土等の施工量を自動算出し図面を作成する。施工段階では、3次元設計図面を基にICT建設機械による自動施工を行い。施工状況をリアルタイムで監視する。検査段階では、3次元寸法システムにより出来形検査を行い、書類の簡素化や検査項目の削減を図る。また、5G環境の整備を推進することで、各建設プロセスを遠隔地で実施できる環境を構築する。これらにより、現場までの移動や作業時間を縮減し、生産性を向上させる。

⑥ 内容からするに、BIM/CIMですね。
⑦ 各建設プロセスにおいてと言っているので、「全面的に」は必要ないと思います。
⑧ 「航空レーザー測量で3次元測量を行い」の表現は、測量が繰り返されており違和感があります。よって、「航空レーザー測量で3次元点群データを取得する。」でどうでしょうか。

(2)行政手続きのデジタル化
 建設業に伴う行政への各種手続き申請は対面形式が多く、書類作成の労力や許可までの待ち時間を必要とする。そのため、行政手続のデジタル化を推進する。例えば、WEBシステムにより24時間受付を行い、建設業許可申請や特殊車両通行手続き等を電子化することで、事業者の負担軽減や迅速な行政手続きを図る。

⑨ 「建設業」→「建設業務」
⑩ タイトルと不一致。
⑪ 手続きを図るわけではなく迅速化を図るので、「行政手続きの迅速化」とした方が良いと思います。

(3)建設キャリアアップシステムの活用
 技能者一人ひとりの就業実績や保有資格等を登録し事業者が抱える技能労働者の水準を把握することで労働生産性の向上を図る。加えて、登録情報を基に施工体制や作業員名簿を作成することで、手間やミスを削減し書類作成の省力化を図る。また、発注者側も入札時に活用することで、高い施工能力を有する企業が適切に評価され受注機械の増加に伴う処遇改善の原資確保等の好循環を図るこれにより、さらなる生産性の向上を推進する

⑫ 主語がないので、登録する人と把握する人が誰だか分かりません。また、労働者の水準とはどんな情報なのでしょうか。さらに、これの情報を把握することで、なぜ生産性が向上するのかも分かりません。
⑬ 主語述語の関係がおかしいです。文が長いので、一旦切りましょう。よって、文末は、「・・・企業を適切に評価する。」となるのではないでしょうか。
⑭ 「受注機械」→「受注機会」。分かりづらい表現です。例えば、「これにより、従事する技能者の適正な評価を促し、能力に見合った処遇改善を図る。」といった表現でどうでしょうか。
⑮ 建設キャリアップシステムが、処遇改善につながることは理解できますが、生産性の向上に繋がるロジックは理解できません。

3.波及効果と懸念事項、及びその対応策
波及効果:建設プロセスおける各業務が効率化され、コスト縮減や品質向上等の効果が期待される。
懸念事項:多様なデータの継続的な更新や管理が求められ、技術者はデジタル分野の知識が求めれる。また、不性アクセスによる個人情報の流出の懸念もありデータの取り扱いには最新の注意を払う必要がある
対応策:ISMSに則ったセキュリティ対策を導入し取り扱う情報の機密性・完全性・可用性を確保する。また、技術者には定期的なデジタルリテラシー研修を通じて理解度の向上を図る。

⑯ 「に」追記。
⑰ 懸念事項なので、「知識不足が懸念される」としてはどうでしょうか。
⑱ 「不性」→「不正」。
⑲ この記述は懸念事項ではないと思います。
⑳ 内容は良いのですが、懸念事項の順番(①知識不足②セキュリティ)に合わせると読みやすいと思います。

4.業務を遂行するにあたり、必要となる条件
 常に社会全体における公益を確保する観点と、安全・安心な社会資本ストックを構築して維持し続ける観点を持つ必要がある。業務の各段階で常にこれらを意識するように留意する。   以上

タイトルとURLをコピーしました