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技術士 二次試験対策 道路陥没事故に伴う点検結果 & 電気電子部門 「技術者確保」

論文添削
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添削LIVE

【 技術士 二次試験対策 】

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道路陥没事故に伴う緊急点検

令和7年1月28 日に発生した埼玉県八潮市の道路陥没事故から3週間弱が経過しています。以前、被害者の救出が実現しておらず、最短でも3か月を要するとの報道もあります。技術者としては、なんとも歯がゆく心が痛みます。

被害者の救出を急ぐとともに、このような老朽化に伴う同様の被害を防ぐ必要があります。このため、国土交通省では、陥没箇所と同様の大規模な下水道管路を対象とした緊急点検と、路面下空洞調査を実施していました。

令和7年2月14日にその点検結果が公表されました(結果はコチラ)。点検は、人孔からの目視調査1700か所と路面下空洞調査約320kmが実施されました。結果、下水道管路に起因する空洞の可能性がある箇所(地下1.5m 以上の深さに空洞の可能性がある箇所)は、確認されなかったとのことです。

ひとまずは安心といったところですが、点検探勝区間が70kmも残されてることから油断は禁物です。さらに、目視調査では、腐食などの異常個所が3か所発見されたようです。このように、日々劣化は進行しますので、現状大丈夫であっても、将来にわたっての安全が保障されたわけではありません。

さらに、今回の点検は、処理水量30 万㎥/日以上の下水処理場に接続する口径2m以上の流域下水道管路のみ実施されています。処理量や管径が小さいと言っても、周りの土を引っ張り陥没するというメカニズムは同じですので、何らかの防止措置を管径に関わらず進めることが求められます。

今回の点家に当たった職員の皆様は、さぞご苦労されたことと思います。これだけの膨大な量をマンパワーで実施することは並み大抵ではありません。また、路面下空洞調査も大変な費用が投じられたものと推測されます。持続可能な点検を行うには、これらの方法がベストとは言えないと思います。

最近のセンシング技術、AI、UAV等を積極的に活用し、大幅に効率性、生産性を高めないことには、将来にわたって安心を確保することは叶いません。例えば、舗装のたわみなどをセンサーで感知したり、下水道管内を巡回するUAVを開発したり、さらにはそれらのデータをAIで解析して陥没の前兆を速やかに把握することなどがイメージされます。

このようなICT技術を用いて、維持管理手法のブレイクスルーを早急に実現しなければなりません。そのためには、建築、土木、機械、電気といった様々な分野を横断する形で取り組む必要があります。異なる分野の技術者同士が協力しあえるプラットフォーム・マッチングが必要なのではないでしょうか。

本サイトでは、技術士を目指す様々な分野の技術士が集まります。将来的に、技術士になったみなさんと協力して、前述のような社会問題に立ち向かえる体制・仕組みを作れるといいなと思っております。このアイデアを形にできないか、これから思考を巡らせようとたくらんでいます。

論文

本日の添削LIVEは、令和4年度 電気電子部門 必須科目Ⅰ「技術者確保」チェックバック②になります(前回の投稿はコチラ)。このテーマは、以前にも投稿いただきましたが、とにかく難しいです。問いが抽象的であることに加え、多くの条件が与えられています。これを初見から理解して、的を射た論文を書くのは至難の業です。そういう意味で言うと、練習には最適です。これに比べるとほかの問題は、易しく見えますからね。それでは、激ムズをどのように攻略していくのか見ていきましょう。


(1)技術者不足の懸念と技術者確保の課題
( 1 )- ① 実務で求められるスキルと現状の不一致の観点
 課題: アナログ技術の実務スキル向上
 デジタル化の進む現代でも、実務においてアナログ技術の理解は欠かせない。しかし、大学やOJTではデジタル技術教育に偏重し、若手技術者のアナログ技術の習得機会が不足している。この状況は、実務ニーズと技術者の保有スキルとの間にギャップを生み、技術者不足の要因となっている。このギャップを解消するため、アナログ技術の実務スキル向上が課題である。


① ニーズに対するものとして、供給を説明したいですね。そうでないと、ギャップが技術者不足を生み出している仕組みをイマイチ理解しづらいです。→「・・・技術者が供給できるスキルにギャップが生じ、・・・」
② 少々分かりづらい表現です。端的に「アナログ技術の承継が課題」、または「アナログ技術の習得が課題」としてはいかがでしょうか。


( 1 )- ② 実務の生産性(省力化など)の観点
 課題: 中小企業における自動化促進
 中小企業ではRPA等による業務の自動化が進んでいない。この結果、複雑化が進む定型業務の多くが属人化し、技術者の負担が増加している。これにより技術者は専門能力を活かした業務に注力できず、業務における技術者不足を助長している。よって、中小企業における自動化促進が課題である。


③ 自動化が進んでいないとどうして属人化するのですか。さらに、属人化するとなぜ負担が増えるのですか。要因との結果の関連性が不明であり、支離滅裂に見えます。また、結論が自動化であるにもかかわらず、最初に自動化が進んでないと説明するのも短絡的に感じてしまいます(自動化してないから自動化するという稚拙な組み立てになっています)。もっと、自動化を必要とする背景を書きましょう。例えば、以下のような構成が考えられます。
・技術者の業務は多様化・複雑化(現状)
・この業務にはルーチンワークや単純作業が多く含まれており技術者の負担が増加(問題)
・技術者には専門能力を発揮できる環境が必要(必要性)
・自動化が課題(結論)
④ 業務が繰り返されており、読みづらいです。「業務における」は不要。
⑤ なぜ中小企業に限定するのですか。中小企業において自動化が必要である理由(背景)が必要です。解決策も中小企業にフィーチャーしているので、ここをもっと説明しないといけません。自動化の必要性のみの説明になっています。


( 1 ) – ③ 専門分野の魅力や発展性の観点
 課題: 技術開発と並行したブランディング強化
 電気電子分野は社会インフラを支え技術革新を牽引する技術分野である⑥。しかし、その社会貢献や魅力が十分に認知されていない。このため技術者を目指す人材が不足している⑦。よって、技術開発と広報を連携し、魅力を発信するブランディング強化が課題⑧である。


⑤ 「分野は、・・・分野である」とねじれています。→「電気電子分野は、社会インフラを支え技術革新を牽引している」
⑥ 技術者では広すぎますね。不足しているのは、電気電子技術者です。また、人材不足との表現も少々違和感があります(技術者になりうる人材はいるけど、技術者を希望しないといった状況)。→「電気電子技術者を目指す者は減少している」
⑦ 端的な表現が望まれます。→「技術開発と同時にその魅力を発信するブランディングが課題」


(2) 最も重要と考える課題と解決策
 最重要課題:(1)-②中小企業における自動化促進
 理由:他の課題より早期に取組むことが出来るため。
( 2 ) – ① 解決策1:自動化機器の標準化によるコスト減 <ハードウェア技術> 企業規模によらず自動化システムを導入できるよう、初期コスト削減を図る。具体的には、自動化機器の構成要素(センサ・アクチュエータ・制御ユニット等)をモジュール化する。また、異なるメーカ間で互換性が維持できるよう、メーカ間で技術協力を行い標準規格化を推進する


⑧ 「企業規模によらず自動化システムを導入できるよう」というのは、「中小企業における自動化促進」という課題と同義です。ここで書くべき目的は、「初期コスト削減」ではありませんか。「初期コスト削減」が手段のように見えます。手段(解決策)は、見出しにある「自動化機器の標準化」ではありませんか。→「初期コスト削減を図るため、自動化機器の標準化を進める」
⑨ メーカ間と述べているので、異なっているのは明白です。また、「メーカ間」が連続して使用されており、読みづらいです。さらに、維持だともともと互換性があったように見えます。→「メーカ間で技術協力を行い、互換性を持たせるための標準規格を定める」


( 2 ) – ②解決策2:オープンソースソフト(OSS)の活用
 <ソフトウェア技術> 企業間で自動化ノウハウを共有するためOSSを活用する。OSS-RPAプラットフォームを構築し、OSSコミュニティで相互扶助の活動を推進する。たとえば、カスタムアクションやAPI連携による機能拡張のノウハウを共有する。プラットフォームの構築にあたって開発初期は国が主導し、中小企業の参入障壁を低くしコミュニティの活性化を図る。


⑩ 一見して、中小企業においてOSSを導入するのが解決策なのか、プラットフォームの構築が解決策なのかよく分かりません。例示をみるとプラットフォームに軸足がおかれているようですが、OSSを提案している意図がつかめません。OSSのメリットは、誰でも利用可能、無料、カスタマイズ可能、信頼性・安定性が高い、技術革新促進などが考えられます。このOSSのメリットとプラットフォームによる技術支援の2段構えで導入促進を図るといったことが主旨だと理解されますので、OSSのメリットについても言及した方が良いでしょう。
⑪ 開発初期?とは、ソフトウェアを開発するのですか。参入障壁とは、プラットフォームに参加することがハードルになっていること言うことなのですか。この一文で、結構混乱します。誰が何をやるのかを明確にしましょう。


( 2 ) – ③ 解決策3:エッジコンピューティングの採用
 <ハードウェア・ソフトウェア技術> クラウドベースの自動化システムでは通信遅延が発生するため、エッジコンピューティングを採用する。これにより通信遅延を低減し自動化による作業効率を高め導入を促進させる。実装の際、エッジデバイスにラズベリーパイなどの汎用マイコンボードを活用しコストを抑える


⑫ 指摘通りの修正ですが、改めてみると導入を促進するのは本来の目的になってしまっているので、一歩手前の効果にとどめた方がより良いと考えます。→「これにより通信遅延を低減し、作業効率の向上を自動化導入のインセティブとする。」
⑬ コストを抑えることとこれまでの説明との関係性が分かりづらいので、インセンティブの効果をさらに高めるといった文脈とした方が良いと思います。→「・・・コストを抑えることで、自動化導入効果をさらに高める」


(3) 新たなリスクと対策
( 3 ) – ① 新たなリスク
 OSSの活用やAPI連携による機能拡張により、外部ネットワークへの接続が増える。これにより、サイバー攻撃による業務停止や情報流出など、情報セキュリティリスクが増大する


⑭ 記載の通り、リスクが増大するのであって、新たに生じる事柄であるか疑義があります。以前のリスク(自動化による技術力の低下)の方が良いと思います(表現は要見直し)。


( 3 ) – ② 対策
 定期的なセキュリティ教育を全従業員に実施し、セキュリティ意識の向上を図る。また、ファイアウォールや侵入検知システム等の多層防御に加え、ゼロトラストセキュリティモデルに基づいた対策も施す。
(4) 技術者としての倫理、社会の持続可能性
( 4 ) – ① 技術者としての倫理
 公衆の安全を第一に考えることが要件である。新技術の導入にあたって信頼性に留意し安全性を最優先で確保する。特に、自動化機器の暴走等により労災を発生させないよう、フェイルセーフの設計を行う


⑮ 問われていることは、要件・留意点です。何が留意点なのか明確にしましょう。例えば、「フェイルセーフに留意した設計」といった形が望ましいです。


( 4 ) – ② 社会の持続可能性
 新技術開発と導入にあたって長期的視点を持つことが要件である。限られたリソースで長期にわたり維持管理の可能なシステムを設計する。新技術は段階的な導入とし、現行業務の中断を招かないよう留意する。                     以上

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