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技術士 二次試験対策 論理ミスと改善ポイントまとめ 「デジタル技術を活用したストック活用」

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【 技術士 二次試験対策 】

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論理的な説明

試験まであと2か月です。そろそろ、必須科目Ⅰの型をぼんやり身につけ始めた頃ではないでしょうか。型さえ身に付けば、それなりの論理的な説明が可能になるはずですが、飛躍や因果関係がしっかりしていないと折角の型も台無しです。

技術士第二次試験では、専門知識だけでなく「論理的に説明する力」が厳しく問われます。特に、インフラ維持管理やDXを扱う問題では、文章構成の甘さや因果関係の不足が原因で評価を落とすケースが多く見られます。

投稿いただきました論文「デジタル技術を活用したストック活用」のチェックバックを参照しながら(前回の投稿はコチラ)、技術士試験で頻出する“落とし穴”が非常に明確に浮かび上がります。本記事では、それらの指摘を一般化し、答案作成時に注意すべきポイントとしてまとめます。

「理由の欠落」──結論だけ述べて根拠がない

投稿論文では、

「3DモデルやBIM等のDX技術は、インフラの状態把握や将来予測に有効である」 と書かれていましたが、「なぜ有効なのか」という理由が示されていませんでした。

技術士試験では、結論だけでは評価されません。必ず理由をセットで書く必要があります。

●改善のポイント

  • 「有効である理由」を必ず明示する
  • 技術的根拠(データ精度、可視化、予測精度向上など)を添える
  • 「一般論」ではなく「技術的な理由」を書く

「循環論法」──同じことを言い換えているだけ

投稿論文では、

「標準化が必要 → 同一基準がないから標準化が必要」 という指摘がありました。

これは典型的な循環論法で、課題の深掘りができていない文章の特徴です。

●改善のポイント

  • 「なぜ標準化されていないと困るのか」を具体的に書く
  • 例:データ互換性がない、災害時の情報共有が遅れる、AI活用が自治体ごとに不可能
  • 「課題 → 影響 → 必要性 → 結論」の順で書く

「因果関係の欠如」──結論が前段とつながっていない

投稿論文では、

「格差が残ると、DXを前提とした更新計画が進まない」 と書かれていましたが、前段の説明とつながっていないと指摘されています。

●改善のポイント

  • 結論は必ず前段の説明から導く
  • 「だから何が起きるのか」を具体的に書く
  • 「前段 → 問題点 → 結論」の流れを崩さない

「抽象語の多用」──制度面・管理面など、広すぎる言葉

投稿論文では、

「制度面の観点」「管理面の観点」 といった表現が問題視されていました。

これらは範囲が広すぎて、何を指しているのか読み手に伝わりません。

●改善のポイント

  • 抽象語は具体語に置き換える
  • 例:「制度面」→「財政措置」「国の統一仕様」「補助制度」
  • 例:「管理面」→「データ更新体制」「権限管理」「庁内の役割分担」

「課題と解決策の不一致」──課題が“運用体制”なのに、解決策が“導入支援”

投稿論文では、

「運用体制の整備」が課題なのに、解決策が「パッケージ化」「導入負担の軽減」 となっており、論点がズレていると指摘されています。

●改善のポイント

  • 課題と解決策は必ず対応させる
  • 「運用体制」なら、人・役割・ルール・継続性を書く
  • システム導入の話だけでは不十分

「技術的でない解決策」──研修・ベンダー連携だけでは弱い

投稿論文では、

「研修」「ベンダー連携」 といった一般論が多く、技術的な深さが不足していると指摘されています。

●改善のポイント

  • 技術士試験では“技術的な解決策”が必須
  • 例:
    • 点群処理の品質管理
    • 劣化予測モデルの精度検証
    • データ更新ワークフローの設計
    • API仕様の公開による透明性確保
  • 「技術者としての視点」を必ず入れる

「具体性の不足」──何をするのか分からない表現

投稿論文では、

「データ更新作業の立ち上げ」 「DX業務の定着」 といった表現が曖昧だと指摘されています。

●改善のポイント

  • 抽象語を具体的な行動に置き換える
  • 例:
    • 初期データの整備
    • 更新ルールの設定
    • 承認フローの構築
    • 操作マニュアルの作成
  • 「誰が・何を・どうするか」を明確にする

「ブラックボックス化の説明不足」──何が見えなくなるのか書く

投稿論文では、

「DX運用がブラックボックス化する懸念」 と書かれていましたが、内容が抽象的すぎると指摘されています。

●改善のポイント

  • 何がブラックボックス化するのか具体的に書く
  • 例:
    • 点群処理アルゴリズム
    • 劣化予測モデルの前提条件
    • データ補正ロジック
    • クラウド側の処理ログ
    • 外部委託作業の内容

「倫理の説明が弱い」──AIを疑うだけでは不十分

投稿論文では、

「AI劣化予測を鵜呑みにしない」 という表現が、効率化と矛盾すると指摘されています。

  • 技術者倫理は「AIを疑う」ではなく「適切に使う」
  • 例:
    • 予測の適用範囲を確認
    • リスクが高い場合は安全側に判断
    • 過去データや現地確認と照合
  • 「効率化」と「安全性」を両立させる説明が必要

技術士試験で評価される答案とは?

添付ファイルの指摘を総合すると、技術士試験で求められる答案の特徴は次の通りです。

●評価される答案の条件

  1. 理由が明確で、因果関係が通っている
  2. 循環論法を避け、課題を深掘りできている
  3. 抽象語ではなく具体的な技術内容を書く
  4. 課題と解決策が対応している
  5. 技術者としての視点がある
  6. 具体的な行動・仕組みを説明できる
  7. DXの利点とリスクをバランスよく扱う

これらを意識するだけで、答案の説得力は大きく向上します。

「デジタル技術を活用したストック活用」チェックバック①

(1)技術課題
①維持管理DXの運用体制の整備
 3DモデルやBIM等のDX技術は、インフラの状態把握や将来予測に有効である。しかし自治体間では、財政規模、技術者数などに差があり、これらの構造的要因がDX導入・運用の格差を生んでいる。この格差が残ると、DXを前提とした更新計画や予防保全の高度化が一部の自治体でしか進まず全国的な維持管理の効率化が実現しない。よって、制度面の観点から、自治体が継続的に実施できる維持管理DXの運用体制の整備が技術課題である。


① 「有効である理由」が書かれていないので、なぜ有効と考えたのか分かりません。

② 一部の自治体でしか進まずとありますが、これが格差です。つまり、格差が残ると格差が生じると言っているようなものです。格差がもたらす具体的な弊害を書くべきです。

③ この問題点の指摘は、後述にある課題とあまり関係のない内容です。前段の説明と結論が論理的に接続しておらず、結論が飛躍してみえます。

④ 「制度面の観点」と書いていますが、前述にも結論にも制度の話がありません。

⑤ 前述と結論の関係が希薄であるため、運用体制の整備がどのようなものなのか全く分かません。


②点検結果の記録仕様・データ形式の標準化
 インフラ点検要領は全国で共有されているが、点検結果の記録方法、点検項目の粒度・データ更新頻度には自治体間でばらつきがある。このため、更新時期や優先度といった更新計画の判断指標を同一基準で評価できず、複数施設の更新計画を合理的に策定することが難しい。よって、管理面の観点から、点検結果の記録仕様やデータ形式の標準化が技術課題である。


⑥ 更新計画は基本的に自治体単位で策定します。自治体間で比較する必要は通常ありません。よって「複数施設の更新計画を合理的に策定できない」という帰結は不自然です。この論理を成立させるには、広域連携・広域管理の必要性を先に示す必要があります。

⑦ 「インフラ維持管理の高度化」に当たっての課題なのに、「管理面」ではすべての課題に当てはまってしまいます。課題固有の観点を示すべきです。

⑧ 「標準化が必要 → 同一基準がないから標準化が必要」になっており、論理が循環しています。これは「標準化されていないから標準化が必要」と言っているだけで、課題としての深掘りがありません。前述で同一基準がないと指摘するのではなく、データ互換性がなく、長寿命化計画の根拠が比較できない、災害時の情報共有が統一されず、応急対応が遅れる、AI・機械学習の活用が自治体ごとにできない、こうした“標準化しないことによる具体的な不利益”を書くと同じようなことを繰り返し書くことを防げます。また、全体の論調として、「維持管理の高度化」ではなく「合理化」の必要性を説明しているように見えます。


③更新時期を定量的に評価する手法の整備
 インフラの劣化進行は構造形式や環境条件によって大きく異なる。しかし従来の点検方式は周期が固定され、点検項目も劣化メカニズムの変化に十分対応しておらず、変状の進行を的確に把握できない。また、橋梁や下水道では更新基準が整備されているが、分野によっては更新時期の判断が経験に依存している。よって、技術面の観点から、劣化進行を定量的に把握し更新時期を評価する手法の整備が技術課題である。


⑨ 「劣化進行を把握できないか把握する」になっています。これも循環論法ですね。これは、文章の構成に問題があるからです。結論に至る内容が結局のところ、現状しか書かれておらず、問題の指摘、何が必要なのかといった点が書いていないためです。このような記述がないと、単純化すると「把握していない。よって、把握する」といった内容になってしまうのです。これを防ぐためには、現状→問題点→必要性→結論(観点・課題)といった構成で書くと良いでしょう。
例えば、現状:劣化進行の多様性、従来点検の限界→問題点:定量把握できず、判断が属人的→必要性:過剰投資・更新遅延リスクの回避→結論:技術面から評価手法の整備が課題といった構成で書くと、循環論法も解消され、順序だてた説明になると思います。

  →「インフラの劣化進行は構造形式や環境条件により大きく異なる。しかし、従来の点検方式は周期が固定され、劣化メカニズムの変化を十分に反映できず、変状の進行を定量的に把握できないことがある。このため、更新時期の判断が経験に依存し、過剰投資や更新遅延によるリスクが高まるため、更新判断の客観性と精度を確保する必要がある。よって、技術面の観点から、更新時期を評価する手法の整備が技術課題である。」


(2)最も重要な技術課題とその解決策
 維持管理の効率化に直結し、他の取組みの効果も高める横断的な課題であるため、①維持管理DXの運用体制の整備を最も重要な技術課題として、以下に解決策を述べる。


⑩ なぜ効率化なのですか。問題は高度化ですよ。


①維持管理DXのパッケージ化
 人員不足等によりDX環境の整備が困難な自治体もあるため、導入負担を軽減する。具体的には、API仕様を統一したデータ基盤と、インフラ点検や劣化予測などの機能を備えた業務アプリ群を一体化したパッケージを整備する。これにより、自治体は独自の仕様策定やシステム設計を行うことなく、点検・データ蓄積・劣化予測までを一貫して実施でき、限られた人員でも維持管理DXの早期立ち上げを可能とする。


⑪ 課題は、運用体制の整備なのに、“導入支援”になってますね。導入支援がなぜ運用体制になるのか理解できません

⑫ 具体例も当たり前ですが、“導入支援”であり、運用体制の整備になっていないです。パッケージ化は「導入を楽にする」話であり、運用体制(体制=人・役割・ルール・継続性)」とは別物です。

⑬ 「一体化したパッケージ」「一貫して実施できる」は 因果関係ではなく同義反復です。これでは、言い換えただけで当然の帰結を書いたにすぎません。

⑭ 「早期立ち上げ」は導入の話であり、「一貫して実施」は導入後の話で、論理が混在しています。


②クラウド型DXサービスの活用
 点群処理や劣化予測ソフトの導入・運用に伴う自治体負担を軽減するため、クラウド型DXサービスを活用する。具体的には、ノイズ除去の点群前処理、AI劣化予測など計算負荷の高い処理をクラウド上で実行し、自治体はアカウント費用のみで利用できる仕組みとする。これにより、従来は自治体が担っていた端末更新や障害対応といった保守作業が不要となり、安定した運用や財源負担の平準化が可能となる。


⑮ また導入負担の軽減が目的になっています。同じ目的では多角的視点に欠けていることと、そもそも、繰り返しになりますが、課題(運用体制の整備)と解決策(導入支援)がかみ合ってないです。

⑯ 技術的には正しいのですが、運用体制とは無関係です。運用体制は、システムではなく“人・ルール・組織”の話をすべきです。例えば、データ更新体制(誰が・いつ・どう更新するか)、役割分担(庁内・外部の誰が何を担うか)、権限管理(誰が閲覧・編集・承認できるか)、継続運用の仕組み(予算・契約・保守)、継続運用の仕組み(予算・契約・保守)などが考えられます。システムを解決策としたい場合は、課題を見直しましょう。

⑰ クラウドを使えば端末更新や障害対応が不要になるのは当たり前です。これも因果関係ではなく“当然の帰結” と言えます。


③研修体系の整備や民間事業者との連携
 自治体のDX運用能力を強化するため、点検データ更新、点群処理、劣化予測などのDX関連業務に必要な操作スキルやデータ管理手順を体系的に習得できる研修プログラムを整備する。また、DX導入初期にはDXベンダーと連携し、実務フローの調整やデータ更新作業の立ち上げを進めることで、点検データの更新が継続的に回るDX業務の定着を図る


⑱ これは、運用体制の一つになっています。しかし、技術士試験では、解決策は技術的である必要があります。しかし提示文は、「研修」「ベンダー連携」といった 運用支援・導入支援 に寄っており、技術的な解決策になっていません。技術的な記述とするためには、やはり具体例が最も効果的と考えます。例えば、研修の内容まで踏み込んで書くことなどが考えられます。点検データ更新・台帳管理研修、点群処理・3Dモデル活用研修、劣化予測モデルの操作・評価研修、もっと課題に寄せるなら、運用体制の本質である“仕組み”を技術的に理解させる研修として、運用ワークフロー・権限管理研修も良いでしょう。このように、一般論にとどまらず、建設技術者としての視点をいかに組み込むかが重要です。
また、「ベンダー連携」とありますが、ベンダーの役割も書いておらず、これでは“丸投げ”に見え、技術士としての説明としては不十分です。また、どのように連携を図るのか(手段・方法)も不明です。

⑲ 「データ更新作業の立ち上げ」とは何を指すのか不明です。作業の立ち上げという表現がありまいです。どんな行動なのか具体的に書きましょう。例えば、前述の内容を踏まえると、初期データの整備(データ取り込み)、データ更新ルールの設定、システム上のワークフロー構築、ベンダーによる操作支援、運用マニュアルの共同作成など“初期構築作業”を行うことを書くと良いでしょう。

⑳ 表現が分かりづらいです。「継続的に回る」→ 何がどう回るのか不明、「DX業務の定着」→ どの状態を“定着”と呼ぶのか不明、結果として、なんとなくは分かるのですが、実務としてイメージできない文章になっています。例えば「・・・点検結果が毎回確実に入力・承認され、台帳が常に最新状態に保たれる運用を継続できるようにする」といった具合に具体性を持たせると良いと思います。


(3)将来的な懸念事項とそれへの対策
 パッケージ化やクラウド化、外部支援の活用によりDX運用の一部が外部に委ねられると、処理過程が自治体内部で把握されず、システムのブラックボックス化が進む懸念がある。対応策として、自治体内部にDX運用の監査機能を設け外部依存度や処理の透明性を定期的に点検し、処理の可視化や委託範囲の見直しを行うことで、自立的に改善できる体制を維持する。


㉑ 「ブラックボックス化」の内容が抽象的で、何が見えなくなるのか不明です。点群処理のアルゴリズム、劣化予測モデルの前提条件、データ補正のロジック、クラウド側の処理手順、外部委託者の作業内容なにが見えまなくなるのか説明が必要です。

㉒ これも良いのですが、具体性に欠けており技術的に弱いです。本来必要なのは、処理ログの取得、アルゴリズムの説明可能性、データ品質チェック機能、委託作業の自動検証、API仕様の公開、モデル精度の定期検証などの技術的な透明性確保策を何か一つでも書くべきでしょう。

㉓ 何を点検するのか分かりません。点群処理の品質?劣化予測の精度?データ更新の正確性?クラウド側の処理ログ?もう少し具体的に書きましょう。

㉔ これも同じですね。何を内部でできるようにするのか、どの範囲を外部に委ねるのか、どの作業を内部に残すのかといった自立の中身を明確にしましょう。総じて、具体性に欠けています。


(4)業務遂行に必要な要件
 倫理の観点では、AI劣化予測の結果を鵜呑みにせず、過去の点検結果や類似事例との比較、現地確認により妥当性を検証し、公益と安全を最優先に判断することが要件となる。社会の持続性の観点では、DXにより劣化状況を精緻に把握し、過剰更新の回避や予防保全の適正化を図ることで、環境負荷の低減と財政負担の平準化に寄与することが要件となる。   以上


㉕ これでは効率化する意味がないです。「AI劣化予測を鵜呑みにしない」だけでは“DXによる効率化”と矛盾してしまいます。「効率化しつつ、倫理的に正しい判断を行う」という両立が求められます。また、「鵜呑みにしない=公益・安全」では、関係性がよく分かりません。技術者倫理は「AIを疑うこと」ではなく「適切に使うこと」といった論調が良いと思います。→「倫理の観点では、AI予測の信頼性と適用範囲を確認し、リスクが高い場合は技術者が安全側に判断することが要件となる。」

㉖ 適正化した結果として予防保全を実施するのではありませんか。

㉗ 過剰更新を回避できる効果は、平準化ではなく軽減ではありませんか。㉖も踏まえると「社会の持続性の観点では、DXにより劣化を正確に把握し、必要最小限の補修で長寿命化を図ることで、資源消費と環境負荷を抑え、財政負担を軽減することが要件となる」といった具合に整理すると良いでしょう。

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