添削LIVE
【 技術士 二次試験対策 】
超重要過去問添削3連発
本日のお届けは、激アツ過去問である「インフラメンテナンス第2フェーズ」を3連投します。言わずもがな、時事問題を背景にインフラの老朽化対策が注目されています。インフラ施設の老朽化対策を行うためには、莫大な費用がかかります。それと連動する形で、水道料金をはじめとした公共料金が軒並み上昇しています。
このように利用料金収入を上げても、莫大なメンテナンス費用をすべて賄えるわけもなく、不安な社会が到来しようとしています。そこで、カギになるのは私たち技術屋さんたちです。私たちは、国民のあきらめムードに感化されてはいけません。絶対に解決してやるという強い意気込みが必要です。
そんな不可能を可能にするための処方箋は、群マネ、デジタル技術の活用ではないでしょうか。この2つの考えは、しっかりと掘り下げ、深い知識を手に入れてください。これが、試験対策で大きな力を発揮することは間違いありません(老朽化対策が出題されなくても、他の問題に応用可能な知識)。
そんなインフラメンテナンスの添削論文は、みなさんにとって強固な礎になることでしょう。今回は、そんな重要な添削だからこそ、一挙に大放出いたします。前置きが相当長くなりましたが、早速論文を見ていきましょう。
インフラメンテナンス第2フェーズ(初稿)
(1)施設のメンテナンスを推進するための課題
1)地域インフラ群再生戦略マネジメントの展開
約9割の地方自治体が、現状の予算では既存の道路等の施設を維持管理できなくなると懸念している。このため、行政区域に拘らずに維持すべき施設を検討する必要がある。よって、財政面の観点から、広域かつ複数の分野の施設を「群」として扱う、地域インフラ群再生戦略マネジメントの展開が課題である。
2)市町村の体制構築
市町村の土木系職員の人数は、市町村の約50%が5人以下、約25%が0人である。このように、施設のメンテナンスを担う人材が不足している。よって、人材面の観点から、人員が不足する市町村のメンテナンス体制の構築が課題である。
3)新技術の活用
老朽化する施設の割合が増加している。例えば、道路橋や砂防堰堤は、2040年には70%以上が建設から50年以上経過する。一方で、南海トラフ巨大地震等の大地震の発生確率は、30年間以内に70%以上あり、施設の老朽化対応は急務である。よって、効率面の観点から、生産性の向上に資する新技術の活用が課題である。
(2)最重要課題と解決策
最重要課題は、「地域インフラ群再生戦略マネジメントの展開」である。選定理由は、この課題は、財政面に加え、人材面や効率面にも有効と考えたからである。以下に、解決策を述べる。
1)地域の将来像を踏まえたマネジメント計画の策定
施設群の維持管理を計画的に遂行するために、マネジメント計画を策定する。計画は、市町村のマスタープラン等の地域の将来像と、施設の役割や利用状況等を踏まえて策定する①。計画の内容は、どの施設に財源を投資するか、すなわち、施設の更新、機能向上、集約、再編、撤去等の方針②である。
① 「計画は、・・・策定する」になっており、主語述語の関係がおかしいです。文末は「踏まえるものとする」ですかね。また、群マネですから、広域連携や他分野連携を策定する際の留意点として記述してほしいところです。
② これだけでは、公共施設等総合管理計画の個別施設計画みたいです。群マネ計画ですから、①のとおり連携方法や包括化などの視点が必要ではないでしょうか。群マネの考え方を反映した計画内容が望まれます。
2)包括的民間委託の活用
施設群の維持管理の品質を確保するために③、複数の地域における点検業務等を複数年に渡り、民間企業に包括委託する。委託の対象業務は、高度な技術が必要な点検や修繕等である④。これにより、個別発注と比較して、事務手続きにかかる人件費を削減できる⑤。また、企業は中期的な業務の見通しが立つことから⑥、人材・機材の確保や、技術開発を計画的に実施できる。
③ 包括化の目的は、リソースの有効活用、業務の効率化・合理化ではありませんか。後述の内容も、品質に関する記載がなく、主張に一貫性がありません。
④ 包括化する業務は、なぜ高度な技術が必要な点検や修繕に限定するのですか。様々なものを包括した方が、スケールメリットが発揮されるのではありませんか。
⑤ 「これにより」が高度な技術が必要な点検や修繕に限定することを指すのであれば、④のとおりこれも削減できる理由が分かりません。これは、包括化の効果ではありませんか(そうなると最初の一文目の目的は、これになるのではありませんか)。
⑥ 企業は、・・・見通しが・・・」と主語が連続しています。→「企業は中長期的な業務を把握でき、・・・」
3)国土交通データプラットフォーム(DPF)の活用
施設群のデータを効果的に活用するために⑦、DPFと各施設の管理データをAPIで連携する⑧。各施設の点検・診断・補修等の管理データは、csvファイル等の共通フォーマットで標準化する。標準化したデータは、AIや機械学習を活用したメンテナンス技術の開発に利用する⑨。
⑦ これは手段ではありませんか。
⑧ 群マネの展開が課題なので、このデータ活用・API連携が課題にどう対応しているのか判然としません。群マネの広域連携、分野連携、包括化などに効果を発揮する書きぶりにしないと論点がずれているように見えます(データ連携してしまえば、個別管理でも問題ないように見えます)。
⑨ 非常に良い提案なのですが、⑧のとおり群マネの展開に沿った表現が求められます。例えば、地域で連携して開発、分野横断で技術開発など連携、その他体制や、技術開発の合理化などを示唆する記述が必要と考えます。
4)インフラメンテナンスへの国民参画
インフラメンテナンスへの国民の関心を向上させるために、地方自治体は、産学官のステークホルダー⑩や地域住民が参画する検討会⑪を開催する。各施設の管理者は、施設の役割や利用状況等を客観的データに基づき整理し、検討会で説明する。この検討会を通じて、(2)1)に示す計画の合意形成を図る⑫。
⑩ インフラメンテナンスに係る産学官のステークホルダーとは一体どのような人たちなのでしょうか。
⑪ 何を検討する会なのか明確にしましょう。
⑫ 計画の策定プロセスであれば、計画策定の項目で書くべきではないでしょうか。
(3)新たに生じうるリスクと対応策
1)技術基準の不整合
施設毎に技術基準が異なるため、統一的な判断基準に基づく点検や補修ができないリスクがある⑬。対策は、道路、港湾、建築物等の技術基準を横並びに整理した解説書を作り⑭、技術者の理解を促すことである。
⑬ これはそもそも存在するリスクであり、新たなリスクと言えるか疑義があります。また、解決策の実施とも関係がないように感じます。
⑭ 横並びにした解説書とはどのようなものかよく分かりません。また、個々に基準(示方書や指針)があるのであれば、それを施設ごとに確認すれば良いだけではありませんか。
2)責任の不明確
施設の管理が複数の地域をまたぐため、責任の所在が不明確になり、トラブル発生時の対応が遅れるリスクがある⑮。対策は、関係者間でBCPを策定し、トラブル時の対応を予め定めることである。
⑮ どのような責任なのか分かりません。また、トラブルも抽象的で対応が遅れるという主張もなぜという疑問が残ります。さらに、包括化という解決策があるのであれば、これを実施すれば責任者は明確なのではありませんか。
(4)業務遂行の要点・留意点
技術者倫理の観点から必要になる要点は、社会全体における公益を確保する視点と、安全・健康・福利の優先である。社会持続性の観点から必要になる要点は、環境・経済・社会における負の影響を低減し、安全・安心な社会資本ストックを構築して維持し続ける視点を持つことである。業務遂行の各段階で、常にこれらを意識するように留意する。 以上
インフラメンテナンス第2フェーズ チェックバック①
(1)施設のメンテナンスを推進するための課題
1)地域インフラ群再生戦略マネジメントへの転換
約9割の地方自治体が、現状の予算では既存の道路等の施設を維持管理できなくなると懸念している。このため、行政区域に拘らずに維持すべき施設を検討する必要がある。よって、財政面の観点から、従来の個別管理から、広域かつ複数の分野の施設を「群」として扱う、地域インフラ群再生戦略マネジメントへの転換が課題である。
2)市町村の体制構築
市町村の土木系職員の人数は、市町村の約50%が5人以下、約25%が0人である。このように、施設のメンテナンスを担う人材が不足している。よって、人材面の観点から、人員が不足する市町村のメンテナンス体制の構築が課題である。
3)新技術の活用
老朽化する施設の割合が増加している。例えば、道路橋や砂防堰堤は、2040年には70%以上が建設から50年以上経過する。一方で、南海トラフ巨大地震等の大地震の発生確率は、30年間以内に70%以上あり、施設の老朽化対応は急務である。よって、効率面の観点から、生産性の向上に資する新技術の活用が課題である。
(2)最重要課題と解決策
最重要課題は、「地域インフラ群再生戦略マネジメントへの転換」である。選定理由は、この課題は、財政面に加え、人材面や効率面にも有効と考えたからである。以下に、解決策を述べる。
1)広域連携の促進
財源・人材・技術等が不足する市町村の施設を維持管理するために①、県や近隣の市町村が連携して維持管理を行う。
① 小規模自治体を救うために広域連携をするように読めます。確かに、記載の内容は社会問題として存在しますが、県や近隣市町村が困っている市町村を助けるために連携するのではなく、助ける側にもメリットがあるから連携が成立するのではありませんか。この仕組みが成立するのは、双方ともに維持管理の効率化が図られるからではないでしょうか。記載の目的に違和感があります。
①水平連携:複数の市町村で連携する②。例えば、橋梁の補修業務の業者選定を、技術を有する代表の市町村がリードする形で、複数の市町村と共同で行う③。業者選定後は、各市町村が業者と個別に契約する④。
② 後述に例示があるとはいえ、さすがに抽象的で何を連携するのか分かりません。
③ 例えばとありますが、内容は具体的でなく、何をやるのか分かりません。代表市町村は、どのように業者選定をするのですか。なぜ、選定だけなのですか。また、橋梁補修などは、個々の構造物毎の施設特性、劣化状況が異なります。これらの状況把握は、仕様書の作成は、どのようになるのですか。さらに、リードとは一体どのような行動なのですか。複数の市町村と共同で何を行うのですか。
④ 個別契約では、スケールメリットが出ないのではないですか。
②垂直連携:県と県が管轄する市町村で連携する⑤。例えば、維持管理の計画策定業務や、施設の点検・診断業務を、各市町村が技術を有する県に委託する。また、各市町村から県に人材を派遣する。派遣された市町村の職員は、県の職員の指導を受けながら業務を行うことで、技術を習得する⑥。
⑤ ②と同様。
⑥ これらの取組みが群マネといえるのでしょうか。そもそも、この取り組みでは、県にメリットがないですし、県の人的リソースがパンクしてしまいませんか。連携というのは、類似管理業務の一元化を図り効率化すること、同じような行政機能があれば行政堺にこだわらずに集約すること、維持修繕工事の合理化を図ることなどではありませんか(連携は一方が一方を助けるという仕組みではないと思います)。
2)他分野連携の促進
技術の相乗効果による効率化を目的に⑦、道路、公園、河川、下水道等の他分野の維持管理をまとめて行う。業務の発注は、複数の施設管理をまとめて行う包括的民間委託を活用する⑧。また、委託⑨する企業が人材や機材を確保しやすいよう、複数年契約を行う。
他分野連携の実施に際しては、業務の内容や難易度の共通性、対象エリア、県や市町村の各部署の連携のし易さ等に留意する。
⑦ 技術の相乗効果という表現がピンときません。「受託した民間事業者の創意工夫やノウハウの活用により効率的・効果的に 運営できるよう」といったことが言いたいことですかね。
⑧ 「発注は・・・活用する」になっており、主語述語がおかしいですね。→「「発注は・・・委託により行う」
⑨ →「受託」
3)地域の将来像を踏まえたマネジメント計画の策定
施設群の維持管理を計画的に遂行するために、マネジメント計画を策定する。まず、地域の現状や将来予測を整理し、維持管理の課題を明確にする。次に、広域連携や他分野連携をどのように行うか、既存施設をどうするか(更新、集約、再編、撤去等)といった方向性を決定する。⑩
⑩ 記述の内容は良いと思います。欲をいうと、方向性の決定に当たって導入効果の試算というステップもあると良いと思います。
(3)新たに生じうるリスクと対応策
1)特定の職員への業務集中
技術を有する自治体が、広域・多分野にまたがる業務を主体的に管理するため、特定の職員に業務が集中し、過重労働のリスクが生じる⑪。対策は、デジタル技術を活用した業務の効率化である。例えば、補修の完了検査をウェブカメラで遠隔臨場することで、現場までの移動時間を削減する。
⑪ これは、適切な連携体制が構築されていないことにより生じる問題です。また、自治体の業務自体は効率化されておらず、群マネの適切な展開ができていないことを自ら述べているような印象を受けます。適切に連携しても生じる新たなリスクにすべきでしょう。例えば、日常的な維持管理から高度な技術を要する補修・修繕、更新等まで幅広いことら、発注者、受託者とも幅広い知識が求められること、これに伴い品質が低下することなどが考えられます。解決策は、AIによる補修個所の発見などICT技術により補完、品質維持などを挙げると良いと思います。
(4)業務遂行の要点・留意点
技術者倫理の観点から必要になる要点は、社会全体における公益を確保する視点と、安全・健康・福利の優先である。社会持続性の観点から必要になる要点は、環境・経済・社会における負の影響を低減し、安全・安心な社会資本ストックを構築して維持し続ける視点を持つことである。業務遂行の各段階で、常にこれらを意識するように留意する。 以上
インフラメンテナンス第2フェーズ チェックバック②
(1)施設のメンテナンスを推進するための課題
1)地域インフラ群再生戦略マネジメントへの転換
約9割の地方自治体が、現状の予算では既存の道路等の施設を維持管理できなくなると懸念している。このため、行政区域に拘らずに維持すべき施設を検討する必要がある。よって、財政面の観点から、従来の個別管理から、広域かつ複数の分野の施設を「群」として扱う、地域インフラ群再生戦略マネジメントへの転換が課題である。
2)市町村の体制構築
市町村の土木系職員の人数は、市町村の約50%が5人以下、約25%が0人である。このように、施設のメンテナンスを担う人材が不足している。よって、人材面の観点から、人員が不足する市町村のメンテナンス体制の構築が課題である。
3)新技術の活用
老朽化する施設の割合が増加している。例えば、道路橋や砂防堰堤は、2040年には70%以上が建設から50年以上経過する。一方で、南海トラフ巨大地震等の大地震の発生確率は、30年間以内に70%以上あり、施設の老朽化対応は急務である。よって、効率面の観点から、生産性の向上に資する新技術の活用が課題である。
(2)最重要課題と解決策
最重要課題は、「地域インフラ群再生戦略マネジメントへの転換」である。選定理由は、この課題は、財政面に加え、人材面や効率面にも有効と考えたからである。以下に、解決策を述べる。
1)広域連携の促進
財源・人材・技術を有効活用するために、県や市町村等の自治体が連携して維持管理を行う。例えば、複数の自治体で連合を作り、業務を共同実施する。これにより、連合内で技術者を融通し、各自治体が保有する広域の施設を共同管理する①。その他、複数の自治体が共同で発注手続きを行い、民間企業に業務を委託する②。これにより、契約を一本化し、発注手続きを効率化する③。
① 広域の施設が抽象的でどのようなものなのか判然としません。行政界に関わらず類似施設の管理業務を共同で行うということが言いたいことですかね。それとも、総合公園のような市街利用者を想定した施設のみを共同管理するのでしょうか。
② 共同で発注手続きというのは、どのような行動なのでしょうか。積算、設計、契約事務を共同でやってはかえって煩雑になるように感じます。類似するインフラ施設を群として捉え、一括して民間企業に業務を委託することが言いたいことですかね。
③ ②の通り、契約が一本化されても、発注業務を共同で行うのであれば、効率化されているのか疑義があります。発注業務の効率化を言うのであれば、共同化ではなく発注業務も一本化した方が良いと感じます。また、冒頭の目的にある有効活用ついて、人材のみの言及しかなく、財源や技術はどのように有効活用されるのかも記述した方がよいでしょう。
2)他分野連携の促進
道路、公園、河川、下水道等の複数分野の維持管理をまとめて民間企業に発注する包括的民間委託を行う。契約期間は、受託した企業が人材や機材を確保しやすいよう、複数年間とする。この取組により、民間企業の創意工夫やノウハウを活用し、維持管理を効率的・効果的に実施する。
他分野連携の実施に際しては、業務の内容や難易度の共通性、対象エリア、県や市町村の各部署の連携のし易さ等に留意する。④
④ 記述の内容に問題はないのですが、具体性に欠けているように感じます。留意事項に示されている事項を踏まえた例示があると良いと思います。例えば、共通性で言えば、下水道、上水道、農業用排水などを類似機能で群生化、あるいは、運転業務や修繕業務といった業務内容で一括りにするなどが考えられます。
3)地域の将来像を踏まえたマネジメント計画の策定
施設群の維持管理を計画的に遂行するために、マネジメント計画を策定する。まず、地域の現状や将来予測を整理し、維持管理の課題を明確にする。次に、広域連携や他分野連携をどのように行うか、既存施設をどうするか(更新、集約、再編、撤去等)といった方向性を決定する。加えて、マネジメントの導入効果を検証するために、成果検討会やフィードバックを行う時期を定める⑤。
⑤ 効果検証も大事なのですが、方向性を決めるために効果の試算が必要ではありませんか。この試算結果があって、初めて効果検証が可能になるのではありませんか(想定した効果が発揮されているかが検証)。
(3)新たに生じうるリスクと対応策
1)技術の多様化による品質の低下
複数分野の施設を管理するため、発注者・受注者ともに、求められる技術が多様化する。このため、専門分野以外の業務に携わることになった場合、業務の品質が低下するリスクがある。
対策は、AIを活用した業務支援である。例えば、点検業務では、ベテラン社員の点検画像をAIに学習させ、ドローン等で撮影した写真から、AIで設備の損傷を発見する。その他の対策として、補修・補強の事例集を関係者で共有し、事例検討会を行う。
(4)業務遂行の要点・留意点
技術者倫理の観点から必要になる要点は、公益・安全・健康・福利の優先である。社会持続性の観点から必要になる要点は、環境・経済・社会における負の影響の低減である。業務遂行においては、これらの要点を継続して意識することに留意する。 以上