令和7年度 建設部門 必須科目Ⅰ 予想問題④
【 技術士 二次試験対策 】
予算の基本方針で複合的化
今回のリアル予想問題は、令和7年度予算で示された基本方針を参考に作成してみました。予算の基本方針は3つあるのですが、今回はその2つを取り上げて複合テーマとしています。まずは、この基本方針を確認していきましょう。
一つ目の方針は、「国民の安全・安心の確保」です。これは、言わずもがな国土強靭化や、防災・減災といった取り組みになります。防災関係は、2年連続で出題されていますが、今年も軽視することはできません。私も、第1弾で複合災害(第1弾はコチラ)を取り扱っています。
2つ目は「持続的な経済成長の実現」、3つ目は「個性をいかした地域づくりと分散型国づくり」が掲げられています。もはや、この2つは不可分の関係と言えます。なぜかは、問題を読んでいただけると理解できると思います。よって、今回はこの2つをテーマとして取り扱います。
その名は「地域活性化×持続的な経済成長」です。うわー、我ながらすばらしき複合化、予算の基本方針2つを含んでいるのですから、きな臭いことこの上ないテーマと言えます。いつも、これ出そうだなというものをお届けしていますが、これまた出題されそうなオーラを持っています。
予算の概要に示されている「基本的な考え方」の一行目には次のような記載があります。
「我が国は、長年続いてきたデフレから完全に脱却するチャンスを迎えており、物価上昇が賃金上昇を上回る現状の日本経済を成長型の新たなステージへ移行」
まさに、令和7年度の一丁目一番地が、経済成長なのです!
令和7年度予想問題 「地域活性化×持続的な経済成長」
令和7年度技術士第二次試験問題 [建設部門]
9 建設部門【必須科目Ⅰ】
Ⅰ 次の2問題(Ⅰ-1,Ⅰ-2)のうち1問題を選び回答せよ。(解答問題番号を明記し、答案用紙3枚を用いてまとめよ。)
Ⅰ-1 我が国の産業は、人口減少や少子高齢化により内需縮小や輸出競争力低下、労働力不足の深刻化、災害の激甚化・頻発化への対応など多くの問題を抱えている。このような地域産業を取り巻く諸課題を踏まえ、国土全体で地域特性を活かした成長産業の分散立地や既存コンビナート等の強化、地域の経済・雇用を支える地域産業の稼ぐ力の向上など、持続可能な産業への戦略的な構造転換を図る必要がある。
日本経済を成長型の新たなステージへ移行させ、豊かさと幸せを実感できる持続可能な経済社会を実現していくにあたり、国土全体において地域の活力を高めるため、地方への人の流れの創出・拡大が今後ますます重要なってくる。
このような状況を踏まえ、持続的な経済成長に向けて、地域の特徴を活かした成長産業の全国的な分散立地等の促進方策について、以下の問いに答えよ。
(1)地域活性化を進め持続的な経済成長を図るに当たり、投入できる人員や予算に限りがあることを前提に、技術者としての立場で多面的な観点から3つの課題を抽出し、それぞれの観点を明記したうえで、課題の内容を示せ。(※)
(※)解答の際には必ず観点を述べてから課題を示せ。
(2)前問(1)で抽出した課題のうち、最も重要と考える課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を示せ。
(3)前問(2)で示したすべての解決策を実行しても新たに生じうるリスクとそれへの対策について、専門技術を踏まえた考えを示せ。
(4)前問(1)~(3)を業務として遂行するに当たり、技術者としての倫理、社会の持続性の観点から必要となる要件・留意点を述べよ。
解法のポイント
この問題を解く上で重要になる資料は、「第三次国土形成計画(全国計画)」です(掲載ページはコチラ)。この計画の第2節 持続可能な産業への構造転換(P30)を読めば、課題も解決策も一挙にイメージすることができます。
簡単に内容をまとめると以下のとおりです。具体的なキーワードも書いておきましょう!
<持続可能な産業への構造転換>
- GX、DX、経済安保等を踏まえた成長産業の全国的な分散立地等
- 既存コンビナート等の水素・アンモニア等への転換を通じた基幹産業拠点の強化・再生
- スタートアップの促進、働きがいのある雇用の拡大等を通じた地域産業の稼ぐ力の向上 等
<気になるキーワード>
- 脱炭素技術
- サプライチェーン
- GX & DX
- デジタルインフラ(データセンター、情報通信ネットワークなど)
- 生産性・競争力
- 人材確保(柔軟な働き方、ダイバシティなど)
- 観光・二地域居住
ここら辺を課題設定にして、気になったジャンルを選択して、その項目をガッチリ読んで、キーワードをちりばめればすぐさま論文は完成するでしょう。一見すると毛色が異なる問題テーマになりますので、練習論文を用意しておけば心強いことこの上ありません。