添削LIVE
【 技術士 二次試験対策 】
勝負のGWいよいよ最終日
GW最終日は、大雨に見舞われ寒さも感じる天気となりました。レジャーを楽しむ皆さんにとっては、残念な転記となりましたが、勉強する我々にとってはどこ吹く風です。かえって、勉強がはかどるというものです。最後の1分1秒無駄にせず、試験の準備をしっかり行いましょう。
これだけ勉強に集中できる時間は、これから試験までそうそうあるものではありません。これからは、まとめてドカンとやる機会は少ないので、ちょびちょび進める大作戦に切り替えます。出勤前の時間、昼休み、寝る前の30分など少しの時間で良いので、ちょっとずつ勉強を勧めましょう。
勉強を常に身近な存在にしておかないと、再開するときが苦しくなるのと、勉強を始めること自体相当に億劫になってしまいます。こうなってしまっては、腰を上げるのも一苦労です。GWが明ければ、のこり2か月です。半端な行動は最悪です。やるなら、徹底的にやりましょう。ランナーズハイのように、勉強が楽しくなりますよ。
ただし、GWが明けた頃から、焦りが生じてきます。この焦りが、勉強の質を著しく低下させます。焦るととにかく量をこなそうと躍起になりますが、質の低い論文をどれだけ量産しようと合格へは近づけません。大事なのは量ではなく、論文作成能力を高めることです。
そのためには、時間がかかってもしっかりと問題を読む、論文を書き終わったら必ず自分自身でチェックすることがとても重要です。このステップがないと、能力はアップしません。また、知識が足りないと感じたら、もう論文を書く手は止めてOKです。自分で納得できるまで徹底的に調べましょう。
時間が無くなるとこれらの行動をすっ飛ばして、ただただ論文を書くことをタスクにしがちです。合格水準にない論文を100枚書くより、合格レベルの解答を自分なりに作成した10枚のの方が価値があります。このことを忘れずに焦りは禁物です。
予想問題「まちづくりDX」
本日の添削LIVEは、投稿者による予想問題「まちづくりDX」です。建設部門 都市及び地方計画 選択科目Ⅲ でありますが、必須科目に通じる記述が満載です。 DXは万国共通の処方箋です。お互いの知識をお披露目しあい、その知識をわがものにすれば果ては博士にも劣らぬ技術力を身につけることができるでしょう。根幹となる社会問題は、いずれも共通しています。広い視点と知識で、難問傾向にある技術士試験を突破しよう。 それでは早速論文を見ていきましょう。
令和7年度技術士第二次試験問題 [建設部門]
9 建設部門(都市及び地方計画)【選択科目Ⅲ】
Ⅲ 次の2問題(Ⅲ-1,Ⅲ-2)のうち1問題を選び回答せよ。(解答問題番号を明記し、答案用紙3枚を用いてまとめよ。)
Ⅲ-1 コロナ禍を契機としたデジタル技術の進展やポストコロナの時代における「人間中心の社会」への機運の高まりを背景に、「デジタル田園都市国家構想」など、政府全体として、あらゆる分野でデジタル技術を活用し、地域や社会の課題を解決するデジタル・トランスフォーメーションの推進が求められている。
また、我が国では少子高齢化、生産性・国際競争力の強化、都市と地方の格差、新型コロナウイルス危機、災害の激甚化、Well-Being志向の高まり等、都市を巡る課題はますます複雑化、深刻化している。都市が様々な人々のライフスタイルや価値観を包摂し、多様な選択肢を提供するとともに、人々の多様性が相互に作用して新たな価値を生み出すためのプラットフォームとしての役割を果たしていくためには、単にこれまでのプロセスの効率化や利便性向上等を図るだけでなく、従来のまちづくりの仕組みそのものを変革し、新たな価値創出や課題解決を実現する必要がある。
このような状況を踏まえ、以下の問に答えよ。
(1)デジタル技術を活用した都市づくりを行うにあたり、技術者としての立場で多面的な観点から取り組むべき課題を3つ抽出し,それぞれの観点を明記したうえで,課題の内容を示せ。
(2)前問(1)で抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ,その課題に対する複数の解決策を、専門用語を交えて示せ。
(3)前門(2)で示した解決策に関連して新たに浮かびあがってくる将来的な懸念事項とそれへの対策について、専門技術を踏まえた考えを示せ。
1.多面的な観点とその課題
(1)いかに3D都市モデルを活用するか
従来の都市計画では、主に2次元情報により土地利用や建築物の配置などが設計①されてきた。しかし、インフラの多層化が進み、空間的影響が十分に分析できない場合がある。そのため、従来では見落とされやすい風や影の影響を3次元的に分析し、都市計画の精度を向上させることが重要である②。よって、都市構造の観点③から、3D都市モデルの活用が課題である。
① →「計画」
② 多層化が要因なのでしょうか。また、前後のセンテンスを逆にした方が読みやすくなると思います。→「これまでの検討では、3次元的な要素である風や影などの影響が見落とされるケースが多く、快適な都市空間の形成に悪影響を及ぼしている。そのため、空間的影響を十分に分析し、都市計画の精度を向上させる必要がある」
③ ②の修正を踏まえると「都市環境の観点」になると思います。
(2)いかにオープンデータ化を行うか
デジタル技術の発展に伴い、地方自治体でも都市計画情報のデータ化が一定程度進んでいる。しかし、都市計画データの整備方法や活用形式の不一致により、ベンダーブロックなどが生じるなど、活用が狭められている④。そのため、標準製品仕様に準拠した統一形成化を推進するなど、データの利用性や流通性を向上させることが重要である⑤。よって、都市連携の観点から、オープンデータ化が課題である。
④ 「など」が連続しています。また、もっと端的に分かりやすく表現しましょう。→「データ化は進んでいるものの、その整備方法や形式の不一致により活用は限定的である」
⑤ データ活用するための方法ではなく、観点にもあるように連携(この場合はデータ活用を通じた都市間連携)を促すことの必要性を説明すべきではありませんか。
(3)いかにスマートシティを推進するか
地方では、少子高齢化により労働人口が減少し、都市運営の担い手が減少している。一方で、感染症拡大を契機に住民のニーズは多様化し、効率的な都市運営が求められている。そのため、行政や交通など、あらゆる都市機能のDX化が求められる⑥。よって、都市経営の観点から、スマートシティの推進が課題である
⑥ ここら辺の情報は、問題文にも記載されています。問題文とは異なるアプローチが必要です。
2.最も重要な課題とその解決策
上記のうち「いかに3D都市モデルを活用するか」は、人口減少社会への対応に寄与するため⑦、最も重要な課題に選定し、以下に解決策を述べる。
⑦ 寄与するとした仕組みが分かりません。
(1)防災指針の高度化
L2相当の水害時では浸水水位面が想定より高くなり、浸水しない地域や建物の把握が難しい場合がある⑦。容易にハザード情報を把握するため、浸水リスクを可視化する⑧。例えば、防災指針の策定時の洪水浸水想定区域の設定において、PLATEAUを活用した浸水リスクの分析を行う⑨。建物高さや浸水域等の属性情報を建物に付与することで、容易に浸水リスクを把握できるようにする。得られた分析結果をもとに居住誘導区域を設定する⑩ことで、近年の激甚化傾向にある水害にも対応した安全な地域への誘導を図る。
⑦ L2とは、水防法に基づく想定最大規模降雨です。つまり、浸水水位は予測可能ではありませんか。なぜ想定より高くなると言えるのか分かりません。この部分は不要だと思います。
⑧ ハザード情報の確認だけなら、2Dのハザードマップで事足りるのではありませんか。情報も入手しやすいですし、容易さのみを目的とするなら、2Dマップに軍配が上がるのではないでしょうか。
⑨ PLATEAUを用いると浸水リスクの分析結果は異なるのでしょうか。2Dであろうと3Dであろうと算出の仕方は変わらないのではありませんか。
⑩ 繰り返しになりますが、2Dで設定可能ではありませんか。もっと、3Dの特徴を生かした取り組みでないと、PLATEAUを用いる必要性を理解できません。
(2)景観まちづくりの効率化
従来の景観まちづくりでは、高さ制限や意匠等について、紙媒体により計画されてきたため合意形成に時間を要している⑪。景観が及ぼす影響度⑫などを可視化することで検討や説明を容易にする。例えば、LOD1・2の建物情報から3D景観を作成する。高さ制限等の規制条件を設定と視点場の指定により⑬人間の可視・不可視範囲を明確にする。景観協議や規制への対応状況を3次元的に把握⑭することで、審議プロセスの効率化⑮や規制適合判定の精度向上⑯にも貢献する。
⑪ →「要していた」
⑫ 影響とは何かをもう少し具体的に書きましょう。
⑬ 表現が少しおかしいですね。→「高さ制限等の規制と視点場を設定することにより」
⑭ 3次元的としては、厳密にいうと3次元ではありません。→「3次元で把握」
⑮ プロセスは変わらないと思います。→「審議の円滑化」
⑯ この表現ですと構造計算適合性判定のように見えてしまいます。何の規制の適合を判定するのか明確にしましょう。また、何の規制なのかも分からないので、精度が向上するのかも分かりません。
(3)歩行者シミュレーション
道路空間の再編時において、定量的に歩行者行動の変化を分析し、空間の質的変化⑰を評価する。例えば、道路空間再編の将来イメージについて3D都市モデルを用いて構築する⑱。現状の人流データや沿道建物の属性情報を取り込んだ上で、人流変化をシミュレートする⑲。その上で、VRアプリにより住民等の体験を通じて回遊行動の変化に関するアンケートを行い、結果をもとに行動の変化を予測⑳する。把握した予測結果をもとに再びバーチャル上で可視化することで、空間の再編に伴う回遊行動の変化を評価する。
⑰ 空間の質的変化とは何ですか。全般にわたり抽象的な表現が多く、分かりづらいです。もっと、分かりやすくするための工夫を意識しましょう。
⑱ 構文がおかしいので、何を構築するのか判然としません。→「3D都市モデルを用いて、再編後の道路空間をモデリングする」
⑲ どうやってシミュレートするのですか。
⑳ 人流の変化はシミュレーションで把握するのではないのですか。
3.新たな懸念事項とその対策
デジタル技術に依存したまちづくりにより、住民同士の交流やコミュニティの重要性が失われる㉑リスクがある。解決策として、まちづくりに対する理解を深めるため㉒、模型とVRを組み合わせたタンジブルインターフェースを活用した住民参加型のまちづくりの検討を行う。模型については3Dプリンタを活用し、まちづくりのアイディアを具現化するためのストリートファニチャーを再現する。また、WSを通じて抽出された意見をVR上で再現することで、空間活用のイメージを共有する。空間的なイメージを共有しながら、まちづくりの検討を進めることで、コミュニティの重要性を認識しつつ、デジタル技術の恩恵を活用できる持続可能な都市づくりを推進する。 以上
㉑ 重要性が失われる仕組みが分かりません。重要性が失われる訳ではなく、データ化されにくいこれらの要素が軽視されたり、計画に半円されなかったりすることがリスクではありませんか。
㉒ さっそく解決策の目的が変わってしまっています。重要性が失われることを防止するための対策であるべきです。以降の記述は、リスクの解決策なのか疑義があります。