問題に共通する“再現性のある型”を大公開
【 技術士 二次試験対策 】
理解しているからこそ問題を作ることができる
技術士二次試験の勉強法の記事はたくさんありますが、「予想問題そのものを自分で作る方法」を、体系的に解説している記事は意外と少ないです。でも、本気で合格を狙うなら——
「他人が作った問題を解くだけ」(私が作った予想問題 第1弾、第2弾)から、「自分で問題を設計できるレベル」に到達した方が、理解の深さも、答案構成力も、一段ギアが上がります。
今回は、
- 技術士二次試験(必須科目ⅠおよびⅢ)
- 部門を問わず使える
- 自分で予想問題を作るための、再現性のある手順
を丁寧に解説します。
キーワードとしては、
「技術士二次試験 予想問題 作り方」「必須科目Ⅰ Ⅲ 勉強法」「過去問分析 ジャンル分け」
あたりを意識しつつ、実務にもつながる“思考の型”として使える内容をご紹介します。
予想問題は「過去問×国の動向」で作る
まず、今回紹介する 予想問題の作り方の全体像 を整理します。
技術士二次試験(必須科目Ⅰ・Ⅲ)の予想問題作成フロー
- 過去問を5~6個程度のジャンルに区分する
- 前年に出題されていないジャンル(残りの3~4ジャンル)に絞り込む
- 絞り込んだジャンルにおける「国の動向」を把握する
- 令和8年度試験を予想するなら、令和7年度中に議論されている委員会・審議会などのトピックを参照
- ③で集めた資料を参考に、問題文(リード文+設問)を作成する
- 特に、リード文を面倒がらずにきちんと書くこと
- リード文の中で、解答にあたっての条件・制約を設定すること
- その制限下で答案練習をすることで、本番対応力が一気に上がる
この4ステップは、「どの技術部門でも使える汎用フレーム」です。
では、ここから一つずつ解説していきます。
① 過去問を5~6個程度のジャンルに区分する
なぜ「ジャンル分け」から始めるのか
技術士二次試験の必須科目Ⅰ・Ⅲは、
「その部門の技術者として、社会・行政・産業の課題をどう捉え、どう解決するか」
を問う試験です。
つまり、出題者側には、
- ある程度、決まった“お題の棚”(ジャンル)があり、
- その棚から、毎年2問(必須Ⅰ)・複数問(必須Ⅲ)を選んでいる
という構造があります。
この「見えない棚」を、自分の手で可視化する作業が、過去問のジャンル分けです。
ジャンル分けの基本的な考え方
部門ごとに細部は違いますが、
多くの部門で共通して使えるジャンルの切り方は、例えば次のようなものです。
- ① 社会・人口・地域構造の変化
- ② 気候変動・災害・レジリエンス
- ③ DX・デジタル技術・スマート化
- ④ 老朽化・維持管理・更新
- ⑤ 脱炭素・エネルギー・環境負荷低減
- ⑥ 制度・ガバナンス・人材・担い手確保
もちろん、部門によってラベルは変えて構いません。
重要なのは、「似たようなテーマを、同じ箱に入れていく」ということです。
実際の作業ステップ
- ステップ1:過去(令和元年~令和7年)の必須科目Ⅰ・Ⅲの問題文を印刷 or PDFで一覧化
- ステップ2:各問題の“テーマ”を一言でラベリングする
- 例:「人口減少とインフラ維持」「気候変動と治水」「DXによる効率化」など
- ステップ3:似たラベル同士をまとめて、5~6個のジャンルに整理する
ここで大事なのは、完璧さを求めすぎないことです。
ジャンル分けは、あくまで「予想のための作業」ですので、
- 多少の重なりはあってもよい
- 迷ったら「自分が一番しっくりくる箱」に入れる
くらいの感覚で進めて大丈夫です。
むしろ、自分の頭で「これは何の話か?」と要約するプロセスこそが、技術士二次試験の答案作成力そのもののトレーニングになります。
② 前年に出題されていないジャンル(残り3~4ジャンル)に絞り込む
出題傾向には「ローテーション」がある
技術士二次試験の必須科目Ⅰでは、毎年2問程度が出題されますが、同じジャンルが連続して出ることは、あまり多くありません。
もちろん「絶対に出ない」とは言えませんが、出題者側も、ある程度ジャンルをローテーションさせながら、バランスよく出題していると考えるのが自然です。
そこで有効なのが、
「前年に出たジャンルを一旦“除外”し、残りのジャンルに注目する」
という戦略です。
絞り込みの具体的なやり方
- 前年(令和7年度)の必須科目Ⅰの2問を、どのジャンルに分類したか確認する
- その2ジャンルを、今年の予想対象から一旦外す
- 残りの3~4ジャンルを、「今年出そうな候補」として扱う
この時点で、
「なんとなく広い世界」だったものが、
「3~4ジャンル」という“狙いどころ”に絞られます。
ここまで来ると、「何を追いかければいいか」がかなり明確になってきます。
③ 絞り込んだジャンルにおける「国の動向」を把握する
予想問題の“ネタ元”は、ほぼここにある
技術士二次試験の必須科目Ⅰ・Ⅲは、国の政策・審議会・委員会で議論されているテーマと非常に親和性が高いです。
理由はシンプルで、
- 技術士は「国・社会の課題解決に資する専門家」であり
- 出題者は「今後の政策・施策に関わる重要テーマ」を問いたい
からです。
したがって、予想問題を作るときは、
「国が今、何を問題だと認識し、どんな方向性を打ち出そうとしているか」
を押さえることが、ほぼ必須になります。
どんな資料を見ればよいか
令和8年度試験を予想するなら、令和7年度中に議論されているトピックを追いかけます。
具体的には、次のような情報源が有力です。
- 各省庁の審議会・検討会・有識者会議の資料
- 国土交通省、農林水産省、経済産業省、環境省、総務省など
- 中長期計画・ビジョン・ロードマップ
- 「○○基本計画」「○○ビジョン」「○○戦略」など
- 白書・年次報告書
- 「国土形成計画」「防災白書」「環境白書」「農業白書」など
ここでのポイントは、
- ジャンルごとに、「最近よく出てくるキーワード」を拾うこと
- 課題認識(何が問題か)と、方向性(どう変えたいか)をセットで押さえること
です。
具体的な調べ方のイメージ
例えば、ジャンルが「気候変動・災害・レジリエンス」だとします。
- 「国土交通省 審議会 気候変動 レジリエンス」
- 「防災・減災 国土強靱化 計画 令和7年度」
などで検索すると、
審議会資料や中長期計画がヒットします。
その中から、
- 頻出する課題の構図(例:激甚化・頻発化、老朽化、財政制約、人材不足)
- 国が打ち出している方向性(例:流域治水、グリーンインフラ、DX活用、官民連携)
をメモしていきます。
このメモが、後で 「リード文の材料」 になります。
④ 資料を参考に「問題文(リード文+設問)」を作成する
ここが、予想問題づくりの“腕の見せどころ”です。
同時に、一番サボりたくなるところでもあります。
ですが、ここをきちんとやるかどうかで、
あなたの答案力は本当に変わります。
なぜ「リード文」を面倒がらずに書くべきか
多くの受験生は、
「設問だけ」見て練習しがちです。
しかし、実際の技術士二次試験では、
- 長めのリード文の中に、前提条件・制約・視点が埋め込まれている
- その条件を踏まえて、限られた字数で構造的に答えることが求められる
という構造になっています。
つまり、
「リード文を読む → 条件を抽出する → その制約下で構成を組む」
という一連のプロセスこそが、本番で問われている力です。
だからこそ、予想問題を作るときも、
- リード文を自分で書く
- その中に、あえて条件・制約を埋め込む
ことが、非常に重要になります。
リード文の作り方のコツ
リード文は、ざっくり言うと次の3要素で構成されます。
- 背景・現状認識
- 社会・地域・産業で何が起きているか
- 課題の顕在化
- その結果、どのような問題が生じているか
- 検討の方向性・視点の提示(条件)
- どの立場・どの視点で考えるべきか
- 何を踏まえて答えるべきか
例えば、こんなイメージです(あくまで例です)。
我が国では、人口減少・少子高齢化が進行する中で、地方都市や中山間地域において、インフラの維持管理や生活サービスの確保が大きな課題となっている。
一方で、財政制約や担い手不足が深刻化しており、従来と同じやり方での施設整備・維持管理を継続することは困難になりつつある。
このような状況のもと、限られた資源を有効に活用しつつ、地域の持続可能性を高めるための施策の検討が求められている。
あなたが所属する○○部門の技術者として、以下の設問に答えなさい。
このリード文の中に、
- 人口減少・少子高齢化
- 地方都市・中山間地域
- 財政制約・担い手不足
- 限られた資源の有効活用
- 地域の持続可能性
といったキーワードが埋め込まれています。これらが、答案で触れるべき「条件・視点」になります。
予想問題づくりは「試験対策」以上の価値がある
ここまで、
- 過去問を5~6ジャンルに区分
- 前年に出題されていないジャンルに絞り込む
- 絞り込んだジャンルの国の動向を把握
- 資料をもとに、リード文+設問を自作する
という流れで、
技術士二次試験(必須科目Ⅰ・Ⅲ)の予想問題の作り方を解説してきました。
このプロセスをきちんと踏むと、次のような副産物が得られます。
- 自分の部門の「論点マップ」が頭に入る
- 国の政策・審議会資料を読む習慣がつく
- リード文から条件を抽出する力がつく
- 設問の構造を意識して答案を組み立てられるようになる
つまり、予想問題づくりは、
「試験のための作業」であると同時に、
「技術士としての思考訓練」そのもの
でもあります。
さあ、予想をはじめましょう!

