技術士 二次試験・建設部門の合格率は8〜9%台へ?超難時代へと移入!
【 技術士 二次試験対策 】
技術士二次試験の合格率はなぜ低いのか?
技術士二次試験は、国家資格の中でも突出して合格率が低い試験として知られています。特に建設部門は受験者数が多く、毎年9〜10%前後という厳しい合格率を維持しています(合格率関連資料はコチラ)。
本記事では、なぜ技術士二次試験の合格率が低く設定されているのかを制度的背景から解説し、さらに近年の建設部門の筆記試験合格率の推移を分析した上で、令和8年度の合格率を予想します。
令和8年度は、新コンピテンシー改訂後の初年度であり、例年以上に合格率の変動要因が多い年です。この制度的転換点を踏まえ、技術的・制度的観点から精密に考察します。
技術士二次試験の合格率が低い理由
技術士制度の目的が「高度専門技術者の選抜」であるため
技術士制度は、資格付与ではなく、高度な専門技術者を選抜し、社会に対して専門的判断を提供できる人材を認定する制度です。 技術士法第2条では、技術士を
「高度の専門的応用能力を必要とする業務を行う者」 と定義しており、単なる知識量ではなく、判断力・倫理観・説明責任・合意形成能力まで含めて評価されます。
この制度目的が、合格率を低く維持する根本原因です。
記述式試験であるため、採点に主観が入る構造
技術士二次試験は、
- 必須科目Ⅰ(倫理・社会的責任)
- 選択科目Ⅱ(専門技術)
- 選択科目Ⅲ(課題解決能力) すべてが記述式です。
記述式は、
- 論理構造
- 因果関係の明確性
- 技術的妥当性
- 社会的説明責任 など複数の観点を総合評価するため、採点基準を完全に客観化できません。
そのため、制度上、合格率を一定範囲に収束させる採点調整が行われる構造になっています。
採点体制の制約
建設部門は受験者数が多く、筆記試験の採点は膨大な作業です。 採点者は、大学教員・官公庁技術系職員・技術士などが担いますが、採点体制には限界があります。
採点体制の制約は、
- 採点基準の統一
- 採点者間のばらつきの調整
- 採点期間の確保 などに影響し、結果として合格率を一定範囲に収める必要性が生じます。
技術士の社会的信用を維持するため
技術士は、
- 公共事業の品質確保
- 社会インフラの安全性
- 技術的判断の説明責任 など、社会的影響が極めて大きい職務を担います。
そのため、制度上、 合格率を高くして資格の希少性を下げることは制度目的と矛盾する という構造があります。
近年の建設部門の筆記試験合格率の推移
令和4年度:9.7%
令和5年度:9.8%(わずかに上昇)
令和6年度:8.7%(明確な下落)
令和7年度:9.3%(再び9%台へ回復)

この4年間で見ると、合格率は「9%前後の狭い帯域で推移」しており、制度的に安定した水準であることがわかります。
令和6年度の落ち込みは、設問の抽象化・課題設定力の重視が強まった影響と整合します。
令和8年度は「新コンピテンシー改訂後の初年度」
令和8年度は、技術士制度における大きな転換点です。
新コンピテンシーの改訂内容
新コンピテンシーでは、技術士として求められる能力が再整理され、
- 技術的専門能力
- 課題解決能力
- 合意形成・説明責任
- 倫理・社会的責任
などがより明確に定義されました。
特に、 社会的説明責任・合意形成能力の強調 が大きな特徴です。
採点者は、これらの能力が答案に反映されているかを評価する必要があります。 この制度的要請が、採点方法の変化を直接引き起こします。
評価(採点)方法の変化:3つの構造的変化
採点者が新コンピテンシーを踏まえることで、評価方法は以下の3点で構造的に変化します。
設問の抽象度上昇 → 評価対象が「思考プロセス」に拡張
新コンピテンシーでは、技術士は「課題設定力」を持つことが必須とされました。
採点者が課題設定力を評価するためには、 受験生の思考プロセスを引き出す抽象度の高い設問 が必要になります。
その結果、採点者は以下を評価するようになります。
- 社会的背景の読み取り
- 技術的課題の抽出
- 課題の因果構造の整理
- 解決策の妥当性の根拠
- 社会的説明責任の視点の有無
従来の「技術的妥当性中心の採点」から、 思考プロセスの妥当性を評価する採点 へと拡張されます。
社会的背景を踏まえた課題設定の有無が評価対象になる
新コンピテンシーでは、技術士は「社会的説明責任」を負う専門職として再定義されています。
採点者は、答案に以下が含まれているかを評価します。
- 社会的背景の整理
- ステークホルダーの視点
- 社会的影響の認識
- 合意形成に必要な情報の提示
従来は「技術的課題の提示」が中心でしたが、 令和8年度からは 社会的背景 → 技術的課題 → 解決策 → 社会的妥当性 という一貫した因果構造が評価対象になります。
技術的妥当性+社会的妥当性の二軸評価へ
新コンピテンシーでは、 技術的妥当性と社会的妥当性の両立 が評価項目として明確化されました。
採点者は、以下の二軸で評価します。
● 技術的妥当性
- 技術的根拠の明確性
- 課題の因果構造の正確性
- 解決策の技術的合理性
● 社会的妥当性
- 社会的説明責任の記述
- 合意形成に必要な配慮
- 倫理的観点の欠落の有無
- ステークホルダーへの影響評価
従来は「技術的妥当性」が中心でしたが、 令和8年度は 社会的妥当性が同等の重みを持つ ため、採点者の評価軸が拡張されます。
令和8年度の建設部門の合格率予想
結論:令和8年度の建設部門の筆記試験合格率は
8.5〜9.5%程度に収束する可能性が高い
理由は以下の通りです。
新コンピテンシー初年度は難度が上がる
初年度は、
- 設問の抽象度上昇
- 社会的説明責任の評価強化
- 課題設定力の重視 など、例年以上に難度が上がる傾向があります。
近年の合格率がすでに低下傾向
令和4〜7年度で、 10.3% → 9.3% まで低下しており、制度的に「9%前後」が安定値になりつつあります。
受験者数が増加傾向
令和7年度は14,094名と過去最大級であり、令和8年度も増加が予想されます。 採点体制の制約から、合格率を上げることは制度的に難しい構造があります。
採点基準の調整が初年度は厳しめに出る
新コンピテンシー初年度は、採点側も慎重になり、 合格率が下振れしやすい という制度的傾向があります。
しかし、問題自体はちょっとクセはありますが、例年通りと言えます。真に実力がある人は、多少難しくなろうが、簡単になろうが、まり関係ないものです。「受かるべくして受かる」これが皆さんですよね!

