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技術士 二次試験対策 建設部門 令和元年度 必須科目Ⅰ「国土強靭化」チェックバック

論文添削
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【 技術士 二次試験対策 】

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必須科目Ⅰと選択科目Ⅲ

ご投稿いただける論文の多くは、必須科目Ⅰと選択科目Ⅲです。選択科目Ⅱは、知識を問われるので論文の構成や表現力というよりも、正しく専門知識を述べられるかといった視点になります。よって、知識さえあれば記述自体は難しくないので、添削の必要性も必然的に低くなります。

必須科目Ⅰと選択科目Ⅲは、3枚と文量も多くしっかり構成を考えないと論点がドンドンずれていってしまいます。また、分かりやすい構成と言った型も身に付ける必要があります。ここら辺のテクニックは、骨子作成や、ひな型、解体新書(その1その2その3)などで紹介していますので参考にしてください。

文量も、問われ方もほぼ同じである必須科目Ⅰと選択科目Ⅲの違いは何なのでしょうか。必須科目は、部門全般の広い知識をも求められる一方、選択科目Ⅲは専門分野に特化した知識を示す必要があると言えます。よって、選択科目Ⅲで一般的な技術を述べても十分ではありません。ご自身の選択した専門分野に特化した記述が必要です。

では、必須科目は一般論で良いのかという考え違いをしないようにしましょう。各部門における技術を必要としているのは同じです。選択科目Ⅲはより細やかな知識といったニュアンスで捉えると良いでしょう。

選択科目Ⅲの構成

選択科目Ⅲは、どのような文章構成がよいのでしょうか。基本は、必須科目Ⅰと同じです。しかし、選択科目Ⅲは、鈴々等に関する要点・留意点がありません。このため、技術力が最も表せる解決策のボリュームを増やすと良いでしょう。より詳細な説明、解決手段を増やす等の対応をします。

また、前項の専門性分野に特化した知識を示す場面は、主に解決策の記述で求めれますので、特に意識することが必要です。たくさんの知識を持っている人は、全部を伝えようとせず、問題の主旨や設定した課題に即した知識を示すことに留意しましょう。

具体的な注意点は、薄っぺらな説明になりやすい総花的な表現を避け、国の施策の主旨を理解ていることを前提とした細やかな技術力を具体的な例示等を用いて表現すると良いと思います。つまり、解決策では、抽象的でなく具体性を持った説明を心掛けましょう。

論文

本日の投稿は、先日投稿いただきました「国土強靭化」のチェックバックになります。これだけ、選択科目Ⅲの説明しておきながら、必須科目Ⅰを添削していきます!修正されて、だんだんと質が上がってきています。推敲した上で、どのような点が指摘されるのか、きっとみなさんのレベルアップにもつながります。さて、早速論文を見ていきましょう。

課題

1 多面的な課題と課題
(1)いかに住民に迅速な避難行動を促すか
 東日本台風では、住民の災害リスクの認識が不足していたため、浸水等の防災情報が届いていた一方で逃げ遅れによる被害が発生した。
 よって防災意識の観点からいかに住民に迅速な避難行動を促すかが課題である


① →「・・・にも関わらず」

② →「よって、」


(2)いかにハード対策とソフト対策を併用するか
 災害対策は、ハード対策が主である。しかし、想定外の外力を施設が受けると施設は倒壊し、被害を防ぐことができない。激甚化する災害の対応は、ハード対策だけでは限界がある。
 よって、仕組み面の観点からいかにハード対策とソフト対策を併用するかが課題である。


③ 施設が連続して使用されています。前の施設は不要ですね。また、建物だけでなく堤防なども想定されることから、倒壊より損壊の方が良いですね。→「防災施設が想定外の外力を受けると損壊し、」


(3)いかに防災に携わる技術者を確保・育成するか
 建設業では、現場の高齢化が進み、今後大量離職が見込まれる。同時に就労環境が悪く、若年入職者が少ない。また、現在のOJT中心の技術継承では、現場の技術が適切に継承されない。結果、適切な防災・減災の対策が行われないことが懸念される。
 よって人材面の観点からいかに防災に携わる技術者を確保・育成するか課題である。


④ 時間的に同じというより、追加の状況説明なので、順接の接続詞で良いと思います。→「また、」

⑤ 「また」は、④で使用してしまうので、「さらに、」

⑥ なぜOJTの技術継承だと継承されないのですか。「○○のため」といった理由を追記しましょう。

⑦ 行われないのではなく、行えないのではないでしょうか。

⑧ →「よって、」

解決策

2 最も重要な課題と解決策
 上記のうち、人命を守り、安全・安心な避難が第一であるため、(1)の「いかに住民に迅速な避難行動を促すか」を最も重要な課題に選出し以下に解決策を述べる。


⑨ 重要な課題の選定理由が、避難が一番(重要)と答えては答えになっていません。避難であれば、「すぐに取り組めるため」がすぐに思い浮かぶ理由ですね。


3 解決策
(1)住民の防災意識の向上
 災害時に住民が主体的に避難行動をとれるよう、日常的に災害リスク情報を共有し、防災教育、避難訓練などを実施する。


⑩ 災害リスクの共有や防災教育が抽象的かつ一般論を脱していないので、この後に国土交通省の取組みを具体的に述べると良いでしょう(3D都市モデルによる被害の可視化など)。
※全体のバランスを見ると要点・留意点あたりを削って、解決策に厚みを持たせた方が良いでしょう。または、解決策が多いので、どれかを削除すると良いでしょう(解決策は、総花的に記述すより、しっかりとした説明が求められます(量より質))


(2)地域防災力の強化
 災害時の住民同士の共助による避難行動を促進するため、地域住民のコミュニティによる地域防災組織を設置する。


⑪ これも一般論ですね。技術士の論文なので、建設部門の技術力を示す必要があります。⑩と同様、国土交通省の取組みを具体的に述べると良いでしょう(この組織を設置したうえで、地区防災計画の策定促進など)。


(3)タイムラインの策定
 災害発生時に住民が、どのような行動をとるべきか不明瞭である。そのため、災害発生時の時間軸に沿って、住民のとるべき行動を想定したタイムライン(防災行動計画)を事前に策定する


⑫ 住民意識の観点としているので、策定するというよりも、策定させた方が良いですね。よって、「マイ・タイムライン」の策定を促すとしてはどうでしょうか。


(4)プッシュ型の情報発信
 迅速な避難行動を促すため、災害情報、避難情報をプッシュ型でリアルタイムに提供する。
 例えば、高精度レーダー雨量情報であるXRAIN等を活用し、住民のスマートフォン等へこれらの情報を提供することで避難行動を促す。


⑬ 理由→やること(解決策)→具体例となっており、この項目の構成はとても良いです。他の項目も、このような文章表現を基本としましょう。


(5)わかりやすいハザードマップの作成
 ハザードマップは行政側で発信・提供しているが、住民の具体的な避難行動につながっていない。
 そのため、避難場所、避難経路及び浸水リスクを表示し、住民のとるべき行動をわかりやすく示したハザードマップを作成する。
 浸水リスクは、視覚的にわかりやすくするため、浸水時の水深を地図上に3Dで表示する


⑭ この項目は、(1)に示された「災害リスクの共有」と重複しているように感じます。(1)の具体例として述べると良いでしょう。

⑮ PLATEAUを活用して3Dで表現するといった具合に、国の施策を使い技術力を示しましょう。

新たなリスク

3 新たに発生するリスク
 災害に対するハード整備が進んでくると、新たに脆弱な箇所が発生し、今までの避難場所や避難経路がハザードにさらされるリスクが発生する
 この対応策としては、ハード整備の進捗状況に伴ったハザードマップの見直しを行う。また新たな見直しに応じた地域による避難訓練を実施する。


⑯ これは、解決策に共通して発生する新たなリスクではありません。高齢者等デジタル機器を使いこなせない人への対応(デジタルデバイド問題)や被災による通信遮断でデジタル機器(スマホなど)が使えなくなるといったリスクが思い浮かびます。多様な通信手の多様化、冗長化を図ることが解決策として考えられます。

要点・留意点

4 必要となる要件
(1)技術者としての倫理
 業務にあたっては、住民の安全を最優先とした対策とする。特に自力避難が困難な高齢者や幼児等の安全確保に留意すべきである


⑰ べき論ではなく、言い切りましょう。→「留意する」


(2)社会の持続可能性
 業務にあたっては、常に社会全体における公益を確保し、将来にわたって安全・安心な社会資本ストックを構築して維持し続ける観点を持つ必要がある。 特に防災・減災を意識した都市づくりに留意し、平時に住民が防災・減災を意識できるように配慮した対策を立案する。業務の各段階で、常にこれらを意識する。


⑱ これは記述した解決策そのものなので、不要だと思います。

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