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技術士 二次試験対策 道路陥没 & 建設部門 必須科目Ⅰ 「インフラメンテナンス」 初校で完成!

論文添削
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添削LIVE

【 技術士 二次試験対策 】

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八潮市の道路陥没

最近、埼玉県八潮市で2025年1月28日に発生した陥没事故に関する報道が連日なされています。被害にあわれた方の一日でも早い救助が望まれます。このような事故は、なぜ起きたのか、その背景には何があるのかを考えた場合、土木技術者に課せられる責任の重さを意識せずにはいられません。

原因はまだはっきりしていませんが、埼玉県の報道では「中川流域下水道の下水道管の破損に起因すると思われる陥没が起き」とあり、周辺の土砂が破損個所から吸い込まれたようです。よく耳にする陥没原因ですが、これだけ大規模な陥没は2016年11月8日に福岡県福岡市で発生した陥没事故以来です。

当然ですが、整備されたインフラ老朽化していきます。特に、下水道管きょは硫化水素によりコンクリートの劣化が早いと考えられます。以下の表は、建設後50年以上経過する社会資本の割合を示したものになります。下水道管きょは、2030年には16%と急増します。距離にして7万kmです。

技術士 二次試験対策 50年を超えるインフラ
建設後50年以上経過する社会資本の割合(社会資本の老朽化対策情報ポータルサイト「インフラメンテナンス情報」より抜粋)

老朽化に起因した事故は、何もしなければ今後ますます増加することが予想されます。今回破損した下水道管きょは、内径4.75mと巨大幹線です。このため、吸い込まれる土砂の量も多かったのでしょう。下水は下流の幹線から布設するでしょうから、大事故の発生の方が多いのではと危惧されます。

この下水道に限らず、道路、河川構造物などのインフラに問題が生じた場合、大きな事故や生活への悪影響が懸念されます。このような問題に直面している今だからこそ、私たち技術者が知恵を絞って、悲惨な事故の発生を一つでも減らせるよう力を尽くすべきです。

このように考えるのは、私一人ではないと思います。試験を作る人も我々と同じ技術者です。何とかしたいという気持ちは、試験にも反映されるのではないでしょうか。令和6年度の試験は、能登半島地震という災害をテーマとしています。よって、今回の事故を契機として、問題提議がなされる可能性があります。

そうなると、速やかな老朽化対策といったテーマが思い浮かびます。ここに、労働力不足、デジタル技術の進展、自然災害の激甚化・頻発化などを織り交ぜ、問題が作成されることが予測できます。このことから、老朽化対策周辺の知識を増強させることが急務です。

必読資料は、『総力戦で取り組むべき次世代の「地域インフラ群再生戦略マネジメント」 ~インフラメンテナンス第2フェーズへ~』です。よく言う「群マネ」というやつです。第1フェーズとの違いを意識し、新たな取り組みの考え方をしっかりと理解することが大切です。

また、メンテナンスに関連するAI、PLATEAU、UAV、データ活用などのデジタル技術は必ず押さえておきましょう。メンテンス以外の問題であっても、これらの知識は大いに役立ちますので、要チェックです。

自分の専門分野が、このような社会問題の解決に向け、どのように貢献できるのか考えることは、技術者の責務であり、受験生にとっては試験対策にもなります。日ごろから社会問題をキャッチできるようアンテナを高くし、どうしたら解決できるのか思考を巡らせることが我々技術者には求められるのです。

論文

本日の添削LIVEは、令和6年度の建設部門 必須科目Ⅰ 「インフラメンテナンス」をお届けします。非常にタイムリーなテーマです。建設部門を受験するみなさんは、前述の理由により、この過去問に取り組むことをお勧めします。あるいは、少しこのテーマをひねって予想を立て、取り組んでも良いですね。さらに、今回は、初校でありながら完成版です。いきなりこのレベルの解答を書けるのであれば、実力は十分と考えられます。ぜひ、参考にしてみてください。


(1)施設のメンテナンスを推進するための課題
1)地域インフラ群再生戦略マネジメントの展開
 約9割の地方自治体が、現状の予算では既存の道路等の施設を維持管理できなくなると懸念している。このため、行政区域に拘らずに維持すべき施設を検討する必要がある。よって、財政面の観点から、広域かつ複数の分野の施設を「群」として扱う、地域インフラ群再生戦略マネジメントの展開が課題である。

2)市町村の体制構築
 市町村の土木系職員の人数は、市町村の約50%が5人以下、約25%が0人であり、施設のメンテナンスを担う人材が不足している。よって、人材面の観点から、人員が不足する市町村のメンテナンス体制の構築が課題である。


① 1文中に異なる主語が2つ(人数と人材)出てくるので、主語が変わるときは文を一回切った方が良いと思います。→「市町村の土木系職員の人数は、市町村の約50%が5人以下、約25%が0人である。このように、施設のメンテナンスを担う人材が不足している。」


3)新技術の活用と技術開発の促進
 老朽化する施設の割合が増加している。例えば、道路橋や砂防堰堤は、2040年には70%以上が建設から50年以上経過する。一方で、南海トラフ巨大地震等の大地震の発生確率は、30年間以内に70%以上あり、施設の老朽化対応は急務である。よって、効率面の観点から、生産性の向上に資する新技術の活用と技術開発の促進が課題である。

(2)最重要課題と解決策
 最重要課題は、「新技術の活用と技術開発の促進」である。選定理由は、生産性の高いメンテナンス技術は、財源不足や人材不足にも対応できると考えたからである。以下に、解決策を述べる。

1)ドローンを活用した構造物の測量・点検
 メンテナンスに必要な情報を効率的に得るために、
ドローンで構造物を測量し、3次元モデルを構築する。そして、3次元モデルに点検結果を記録する。適用箇所は、橋梁やダム等の大規模な施設である。この技術により、点検者が足場を組んで目視点検した記録を図面に記録する従来の方法よりも、早く正確な点検が可能になる。

2)AIによる劣化診断
 詳細な点検や検査を行う箇所の絞り込みを効率化するために、ドローンが撮影した画像から、劣化箇所をAIで判定し、3次元モデルに劣化箇所を表示する。例えば、コンクリートのポップアウトの検知にAIを適用し、ポップアウトの疑いがある箇所のみ技術者が詳細な点検や検査を行う。この技術により、点検者の労力を削減でき、診断結果の個人差も解消できる。

3)ICT建機による無人化施工
 現場作業を効率化するために、ICT建機により、構造物の補修・補強を遠隔化・自動化する。例えば、道路のアスファルトのひび割れを機械学習により自動で検出し、そこにシール材を自動で充填するICT建機により、道路の補修を高速化する。

4)クラウドカメラによる遠隔臨場
 工事の検査を効率化するために、クラウドカメラを活用して、中間検査や完了検査を遠隔臨場により行う。これにより、検査を行う発注者の現場までの移動時間や、受注者の立ち合い調整にかかる時間を削減できる。


② 基本的にすべての解決策は、すばらしい内容です。構文も美しく、内容について指摘することは皆無です。しかし、1点だけ気になる点があります。課題では、「生産性の向上に資する新技術の活用と技術開発の促進」とありますが、技術開発の促進策がありません。このため、課題から「技術開発の促進」を外してしまえばOKだと考えます。


(3)新たに生じうるリスクと対応策
1)情報漏洩リスク
 デジタル技術の導入が増えることにより、情報漏洩のリスクが高まる。対策は、講習会の開催による従業員のセキュリティ意識の向上、ウイルス対策ソフトの導入、アクセス制限やアクセスログの管理である。


③ これも大丈夫だとは思いますが、より良くという観点から言うと問題文にある「専門技術を踏まえた考え」がもう少しあると良いと考えます。


2)デジタル人材の不足
 従来の土木技術以外に、デジタル技術が求められるようになる。このため、土木とデジタルの両面に対応できる人材に業務が集中し、過重労働のリスクが高まる。対策は、生成AIの導入によるデジタル業務の補助、デジタル技術を有する企業との協働である。

(4)業務遂行の要点・留意点
 技術者倫理の観点から必要になる要点は、社会全体における公益を確保する視点と、安全・健康・福利の優先である。社会持続性の観点から必要になる要点は、環境・経済・社会における負の影響を低減し、安全・安心な社会資本ストックを構築して維持し続ける視点を持つことである。業務遂行の各段階で、常にこれらを意識するように留意する。       以上

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