チェックバック×2問
【 技術士 二次試験対策】
必須科目Ⅰは、もう出尽くした感じがありますよね。後は、推敲あるのみです。ドンドン完成度を上げていきましょう。
ということで、今回は建設部門の選択科目Ⅱ-1をお届けします。しかも、ドーンと2問まとめてアップです。「公共交通再構築」と「都市公園」のチェックバックになります。
このⅡ-1鬼門なんですよねぇ・・・
問題に示されている制度・事業を知らないと全く欠けません。対策は、一つです。いっぱい用意しておく!です。実にシンプルですよね。
ということで、引き出しを増やすためにも、一読してくださいね。
【公共交通再構築】
(1)公共交通のリ・デザインが求められる背景
人口減少や輸送需要減少①の継続並びに②感染症の拡大が交通事業者の経営悪化に追い打ちをかけている。③相次ぐ路線廃止④による「交通崩壊」⑤が懸念され、移動目的となる医療等のサービスが受けられない事態が想定される。一方、デジタル技術の活用による効率性・利便性の向上が期待され⑥、公共交通の価値を多角的に把握することが求められている。⑦クロスセクター効果を踏まえた他分野との共創を推進し⑧、持続可能な公共交通の形成を図ることが必要とされている。
① 輸送需要減少とありますが、物流は増加しているので「旅客輸送」と限定した方が良いと思います。
② 「並びに」は、AやB&CやDという状況の&として使います。このとき、AとB(CとD)にはグループとしての関連性があります。記載の内容は、すべて需要減少のことをいっているので、A、B、及びCという表現になると思います。
③ 追い打ちとは、何か悪い状況下でさらに悪いことが起きる状況だと思います。前述にあるのは、需要減少の原因が列記されているだけなので、感染症拡大の部分が追い打ちとなっている状況を表現する必要があります。
④ 路線とは何ですか。バス、鉄道、または公共交通全体?
⑤ 交通とは、人や物の往来なので交通崩壊はしないと思います。ここで言いたいのは、「公共交通の崩壊」ですかね。
⑥ 期待される対象は何ですか?
⑦ 価値の把握が求められている理由が判然としません。
⑧ ⑦と同じようなことを言っていないですか。目的が持続可能な公共交通を実現→方法が多分野の効果を加味した価値を把握、共創の推進ということですかね。方法の部分は、今後の方向性で記載すべき内容だと思います。
※背景は、①公共交通の需要減少、②デジタル化の進展この2つではないでしょうか。
(2)今後の方向性
①交通DX:MaaSの導入⑨により、従来の交通手段やサービスをシームレスに統合⑩し、より便利な移動を実現する。また、AI型オンデマンド交通及び自動運転の導入により、ドライバー不足の解消や最適ルートの検策⑪による交通の円滑化を推進していく。
②交通GX:グリーンスローモビリティの導入により、温室効果ガスを排出しない移動を推進する。⑫また、多頻度小口化が進行する物流業では、モーダルシフトを推進する。⑬
③共創の取組:独占禁止法特例に基づく交通事業者同士の共同運行化を推進し、移動の利便性向上⑭を図る。また、貨客混載による移動販売や地元企業との共同運行等⑮の多分野との共創を図る。これにより、地域のニーズに対応した公共交通の提供⑯を推進する。以上
⑨ 公共交通の再構築なので、公共交通の関連性を明確にすべきです。例えば、「公共交通を主要交通手段へとモーダルシフトさせるため、MaaSを導入する。」など目的があると分かりやすいと思います。
⑩ 説明不足に感じます。交通手段をシームレスに統合とは、何と何を統合するのか分かりません。例えば、乗り換え、決済、予約などの統合が考えられますので、いくつか例示すると良いかもしれませんね。サービスも同様です。何のサービスを統合するのですか、異なる交通モードのサービス、レストランや病院など交通以外のサービスどちらでしょうか。
⑪ 効果が違う事柄を一括りにして説明しているので、分かりづらいですし、浅薄な説明に感じてしまします。どちらかに絞った方が良いと思います。MaaSの親和性(サービス向上の視点)から言えば、オンデマンド深堀りですかね。「検策」→「検索」。
⑫ この設問は、必須科目Ⅰと異なり、対応策ではなく方向性を書けということなので、手段が限定的すぎると方向性といえるのか疑義が生じます。一つの例示に過ぎない感じで方向性を示唆する書きぶりにしましょう。例えば、順序を逆にして「温室効果ガスの排出抑制を図るため、グリーンスローモビリティの導入促進や、EV充電器の公道設置など交通分野のGXを図っていく。」とかいかがでしょうか。
⑬ 問題点と解決の手段がミスマッチです。多頻度小口化が問題として挙げられているのに、大量輸送手段の鉄道や船舶を例示していることに違和感を覚えます。物流拠点を増やす、配送ルートの最適化、トラックのEV化など他の手段を検討すべきと考えます。
⑭ 共同運行がなぜ移動の利便性につながるのか分かりません。
⑮ 抽象的で何をやるのか分かりません。
⑯ 地域ニーズに対応した公共交通の提供とありますが、前述の取り組みが地域ニーズに対応しているのか判然としません。
【都市公園】
(1)都市公園を整備する背景と意義
我が国では、人口減少や高齢化社会の当来①、及びコロナ禍を経て社会構造が刻々と変化②している。これらにより、公園の価値が見直されはじめ、グリーンインフラとしての多面的な活用が求められている。③都市公園は、幅広い世代が自然と触れ合うことができ、健康運動等多様な活動の拠点に成りうる。また、近年では地球温暖化への関心が高まっている。グリーンインフラとしての公園整備は、ヒートアイランド現象の抑制④にも期待でき、人々の生活に資するもの⑤となる。
① 「当来」→「到来」
② コロナの影響は刻々というより、急速に変化したと思います。一方、人口減少や高齢化社会の影響は刻々で良いと思います。よって、変化のスピードは書かない方が良いと思います。
③ コロナで公園等オープンスペースの価値が見直されたのはその通りですが、グリーンインフラとしての多面的な活用は、コロナウイルス感染拡大前から取り組まれています。間違いとは言い切れませんが、つながりが弱い感じがします。
④ 地球温暖化を受けてのヒートアイランドであれば、違和感があります。温室効果ガスの抑制→CO2吸収源としての効用、ヒートアイランド抑制→遮熱、蒸散作用による効用です。
⑤ 「生活に」→「QOL向上に」
(2)活用される場面
①地域防災⑥としての活用:公園は地震時の後方支援拠点化⑦や火災時の市街地延焼を防ぐ効果がある。また、公園内に雨水貯留施設を整備することで雨水流出抑制⑧を図ることができる。さらに、マンホールトイレ等の整備により防災公園⑨としての機能も果たせる。
⑥ 背景で触れていないですね。「地域防災」→「防災施設」
⑦ 説明ないと分かりづらいです。
⑧ 単なる占用物の効果です。よって、緑の涵養効果にも触れた方が良いと思います。
⑨ 「防災公園」→「避難施設」
②レクリエーション空間としての活用:競技場やマレットゴルフ場の整備により⑩、多世代の住民に対してスポーツを楽しむ機会を提供する。また、ウォーキング等の健康づくりに寄与する活動の場を提供⑪する。
⑩ スポーツ施設の整備をすることが条件のように見えますが、公園整備そのものがレクリエーション機能を備えているものと理解しています。
⑪ この記述は良いと思います。高齢化が進んでいるといった前段の背景を受けて、健康づくりの場として今後一層活用されるという、この論調は解答にふさわしいと考えます。他の項目もこのような記述が良いと思います。
③子育て・教育としての活用:都市公園法の改正により、公園内に保育所が設置できる。子供が自然に触れ合える体験型の教育学習⑫が容易に実施することができる。また、公園内で多世代の住民と教育を通じて関係することができ⑬、学校教育の補完⑭が期待できる。以上
⑫ 公園の設えによるのではありませんか。
⑬ なぜ多世代の住民と関係を持つことができるのか分かりません。
⑭ 学校教育法の定義では、保育所は学校に含まれません。保育所は児童福祉施設です。