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技術士 二次試験対策【添削LIVE】必須科目Ⅰ

海外インフラ 香港 技術士 論文添削
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-インフラの海外展開-

【 技術士 建設部門】

二次試験が近づいてくる中、いくつかの論文はすでにお手元にそろっているころだと思います。お手元の論文には、防災、脱炭素、観光あたりはそろっていますよね。今回の添削は、そんな論文たちの間隙を補完してくれる「インフラの海外展開」です。

国においては、人口減少を見据え国内のインフラ需要が縮小していくことを懸念しています。しかし、国の外に目を向けると、新興国を中心にインフラ需要は拡大する一方です。日本は、地震やら台風やら災害が多い国であり、これらに対応するために培われてきた建設技術は非常に高いです。このような技術が備わったインフラシステムを海外に売り出そうという訳です。

観光と同様にポストコロナを迎え、海外の建設需要は一気に高まることが予想されますので、出題も十分あると思います。それでは、論文をみていきましょう。


【インフラの海外展開】

1.多面的な課題とその背景
(1)いかに、世界の社会課題解決に貢献するか
 1998年から2017年の間に発生した自然災害による死者は130万人に上る。地球温暖化は世界で深刻化しており、SDGsの取り組みが普及している。また、インフラはモノの性能だけでなく、自然災害の被害を受ける現地生活者のQOL工場にも寄与できる。よって、SDGsの観点からいかに各国のインフラニーズに対して応えるかが課題である。

① 出題の内容が判然としませんが、「日本のインフラ技術を海外に売り込むためどうすれば良いか」という問いかけであるならば、「売り込むためには海外のニーズにマッチさせないとダメですよ」という課題は理解できます。しかし、タイトルは課題解決への貢献となっており、内容とタイトルが整合していないと思います。

② 世界の状況を書いていると思われますが、これらの記載で何を言いたいのか理解できません。観点をSDGsとするならば、SDGsへの関心の高まり→多種多様な目標が設定→多様な課題解決に即したサービス提供が必要といった順序ですかね。それでも、インフラの話に触れていないので、インフラ関連の開発目標にも言及する必要があります。または、SDGsではなく災害という側面からアプローチするという方法もあります。いずれにしても、背景・観点・課題のつながりを明確化しましょう。

③ シンプルに「対応するか」が分かりやすいと思います。

(2)いかに、各国との価格競争に対応するか
 海外建設協会によれば、感染拡大により我が国が関与する海外工事の6割以上で、工事の遅れやコスト増大が生じている。また、相手国では事業停止で税収が減る一方、経済対策費の増加により財政状況が逼迫している。よって、貿易の観点からいかに事業コストを抑え各国との競争環境に対応するかが課題である。

④ 価格競争とあるので、海外事業を落札するに当たり安価な提案ができるかを問題視しているものと理解します。よって、すでに契約している事業のコスト増や遅延の話は、関係ないのではありませんか。

⑤ 相手国(発注者ですかね)の経済状況の悪化も本件とどのように関係しているのでしょうか。競争相手は、発注者ではなく事業を落札しようとする国ではないですか。発注者の状況ではなく、競争相手になる国の事情(人件費が安い、資材調達が安価にできる等)を書くべきではありませんか。

⑥ 貿易の観点とはどのような立場でしょうか。貿易の説明もありませんし、読み手は理解できないと思います。

⑦ 国は価格競争で勝つというよりも、品質や管理運営を含めたパッケージで売り込もうとしているのではないでしょうか。課題設定に疑義があります。

(3)いかに、安全を確保するか
 我が国では自由で開かれた経済を原則として、海外との経済活動を推進してきた。しかし、ロシアのウクライナ侵略や台湾情勢の緊迫化等により国際情勢が複雑化している。また、2つの海洋を結ぶインド太平洋の知世宇岳的な緊張も高まっており、自由に貿易が行えるための物理的連結性の確保が求められている。よって、経済安全保障の観点からいかに安全・安心を確保しインフラ貿易を推進していくかが課題である。

⑧ 建設分野の話をすべきであり、安全保障を課題にするのはふさわしくないと思います。

2.最も重要な課題とその解決策
 上記のうち「いかに世界の社会課題解決に貢献するか」を最も重要な課題に選定し、以下に解決策を示す。
(1)優れた脱炭素技術の展開
地熱資源の活用:我が国を含む、環太平洋造山帯に位置する国は有数の地熱大国である。地熱資源国に対して多面的な支援を展開し、再生エネルギーの活用を推進する。具体的には、地熱に関する法制度構築支援や低温蒸気活用に係る技術支援を行う。また、チリ島の初期投資が火力発電に向きやすい国に対して技術者育成支援を推進し、地熱発電への理解向上を図る。
カーボンニュートラル:水素・アンモニア等の輸入・活用拡大を推進するため港湾におけるカーボンニュートラルポートの形成を図る。また、運行気に温室効果ガスを排出しないゼロエミッション船の導入を促進し、持続的な海外貿易を推進する

⑨ 日本のインフラを海外に展開するために、なぜ地熱に関する多面的な支援が必要なのかを書くべきです。日本は地熱技術が優れているのでしょうか。実際、日本の地熱発電の割合は0.25%でしかなく、その日本が海外展開することの優位性が不明です。

⑩ ⑨と同様に、なぜ再生可能エネルギーの活用を推進するのか説明が必要です。

⑪ どうやってニーズに応えるのかが課題なのに、対応策がニーズの掘り起こしになっていませんか。

⑫ インフラを輸出することが目的ではないのですか。そのために、どうやってニーズに応えるのかを課題設定したのに、なぜ輸入拡大の話になるのでしょうか。

⑬ ポートと言っているので「港湾における」は不要です。また、水素やアンモニアを動力とする船舶等の受け入れ態勢を強化するためにカーボンニュートラルポートを実現するのではないでしょうか。

⑭ これも⑫と同様、論点がずれています。

(2)気候変動への対応
気象技術の展開:気象災害による被害が大きいアジアを中心とした国に対し、気象レーダーの導入や配置・運用の企画立案を推進する。併せて、我が国の優れた製造技術や運用ノウハウ等の知見を一貫して提供することで、各国の気象災害リスクの低減を図る。
ハイブリッドダムの普及:気象技術の進展に伴い、ダム運用の高度化を図る。具体的には、治水機能と水力発電、地域振興が掛け合わさるハイブリッドダムの整備を推進する。併せて、発電された電力を生かした企業誘致の支援を行いダムが立地する地域の振興を図る。

⑮ 「アジアを中心とした国」→「アジア諸国」

⑯ 実施主体が分かりません。企画立案をするのが誰で、推進するのは誰なのか明確にすべきです。

⑰ ノウハウと知見は重複していませんか。

⑱ 海外ニーズがあることを前提にしているのですかね。どんなニーズがあって、どのように対応するべきかを書くのではありませんか。気候変動に対する政策を単に述べているだけのように見えます。

※この項目全般に言えることですが、気候変動に必要な政策が羅列されているだけで、海外インフラの展開へどう結びつくのか、海外ニーズがどこにあってどう対応しているのかが書いてありません。課題に対する解答になっているのか疑義があります。

(3)国際標準化の推進
 国内で成熟させた技術を前提とした提案では、競合国との価格比較により採用されない場合がある。そのため、相手国のニーズに柔軟に対応し、質を維持した上でコスト縮減を図る。具体的には、相手国に応じたカスタマイズやスペックダウンの検討を行う。併せて国際的な取引をスムーズに行うために製品ISO規格化を推進する。これにより事業参入の容易化を図る

⑲ 「成熟された技術を前提とした提案」が分かりづらいです。国際標準化なので、「国内で採用されている高い水準を適用した提案」としてはいかがでしょうか。

⑳ 質を維持したままとあるにもかかわらず、スペックダウンとはどういうことでしょう。この工夫点を書くべきではないでしょうか。

㉑ ISOはマネジメントシステムもありますので、限定する必要はないと思います。

㉒ 「ISO規格化を推進する」→「ISO規格の普及促進を図る」

㉓ 「容易化を図る」→「ハードルを下げる」

3.解決策の波及効果と懸念事項、その対応策
波及効果:販路拡大や市場開拓による技術水準の向上及び現地部品調達によるコスト縮減が期待できる。
懸念事項:発展途上国等ではネットワーキングの困難化が想定される。また、コミュニケーション不足により現地政府や企業との連携が図られない恐れがある。
対応策:海外展開のための人材育成プログラムの整備を行う。また、海外市場に不慣れな企業でも臆せず積極的に進出できるよう、独自のネットワークを有する外国のパートナー企業と補完関係を構築する。

㉔ 販路拡大や市場開拓をするとなぜ技術力が高まるのか理由を説明すべきです。

㉕ これは、対応策を行って生じる波及効果ですかね。因果関係が不明です。

㉖ 対応策を行って生じる懸念事項ですか。海外展開に伴う懸念事項ではありませんか。

㉗ ㉖と同様です。

㉘ 独自のネットワークでは、限られた企業しか対象にならず、一部の解決にしかなっていないのではないでしょうか。また、補完関係とありますが、何を補うのか分かりません。

4.業務を遂行するに当たり、留意する点
 常に社会全体における公益を確保する観点と、安全・安心な社会資本ストックを構築して維持し続ける観点を持つ必要がある。業務の各段階で常にこれらwp意識するように留意する。以上

㉙ 基本的には、記載の通りで良いと思いますが、今回は海外インフラの展開なので、少々違和感があります。社会資本ストックというと国内のイメージがあるので、「社会資本ストック」→「インフラ」の方が良いのではないでしょうか。

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