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技術士 二次試験対策 建設部門 令和5年度 必須科目Ⅰ「巨大地震」 出題予想もあるよ!

論文添削
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添削LIVE

【 技術士 二次試験対策 】

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国土交通省提出法案

令和6年1月26日の国土交通省大臣の会見において、国会の提出予定法案の検討状況が報告されています。国土交通大臣は、次のように発言しています。

「法案ですが、あま群島・小笠原おがさわら諸島への支援の継続を図るための奄美・小笠原法の改正法案、二地域居住の促進を図るための広域的地域活性化法の改正法案良好な都市環境の形成及び都市における脱炭素化の推進を図るための都市緑地法等の改正法案、いわゆる「2024年問題」を踏まえ、物流の持続的成長を図るための物流総合効率化法等の改正法案建設業における処遇改善・働き方改革の促進を図るための建設業法等の改正法案、住宅の確保に配慮が必要な方の居住の安定確保を図るための住宅セーフティネット法案等の改正法案の計6本です。
これらの法案は、いずれも喫緊の重要課題、具体的には、活力ある地域づくりと分散型の国づくりGXの推進持続可能な物流・建設業の実現、安心して暮らせる住まいの確保、といった課題に対応するものであり、全ての法案の円滑な成立に向けて、丁寧な説明に努めていきたいと決意しています。」

改正法案は全部で6本提出されています。この中でも注目すべき法案は、下線部の4つになります。

  • 広域的地域活性化法 → 二拠点居住 → 働き方改革分散型国づくり
  • 都市緑地法 → 脱炭素化 → GX
  • 物流総合効率化法 → 2024問題 → 働き方改革
  • 建設業法 → 処遇改善 → 働き方改革

予想が絞られてきましたね

法案をグループ分けすると、働き方改革GXに大別できます。この2つで必須科目は決まりかなぁ!?分散型国づくりはダークホースといったところでしょうか。二拠点居住の議論が活発化していることに加え、公共交通のリ・デザインも委員会で最終とりまとめが発表されています。これらは、広域的地域活性化策ですので、ダークホースも侮れません。

GXは先日、まちづくりGXをテーマに予想問題をお届けしたところです。また、「建設業の継続的な発展」をテーマに予想問題の論文を投稿いただいております。この二つは、やはり注目株ですね。

二拠点居住や公共交通のリデザインといった取り組みがテーマですと、視野が狭すぎるので必須科目としてはどうかなといった感じです。都市緑地法の改正も国が緑の基本方針を定めることや、特別緑地保全地区関連ですから、これも限定的です。これらは、解決策で用いることを想定して問題設定がされそうです。

また、限定的な施策は、道路や都市及び地方計画の選択科目あたりで出題されそうです。テーマの大きさで、必須科目と選択科目を区分して予想をたてるのが良さそうです。まだ時間がありますから、焦らず予想していきましょう。みなさんにおかれましては、少なくともこの3つのテーマで論文を用意するということにつきます。

論文

さて、本日の添削LIVEは、令和5年度出題の「巨大地震」です。巨大地震は、私も解いてみたので、こちらも参考にしてくださいね。それでは、早速論文を見てみましょう。

課題

(1) 課題の抽出及び内容
①密集市街地のレジリエンス向上
 都市の現況の観点:被害想定では死者の多くが火災によると想定されている。密集市街地は年々減少しているが、依然約2000ha存在する。居住者の高齢化に伴う地域防災力の低下も懸念される。近年は災害が激甚化しており水害との複合災害の可能性がある。故に密集市街地の改善、流域治水の視点からまち全体としてのレジリエンス向上が課題である。


① 「都市の現況」とはどのような観点なのか分かりません。

② 問題点として、「密集市街地による火災」、「高齢化による防災力低下」、「水害との複合災害」と多岐に渡っています。これらの問題提起に対する課題(タイトルが課題の場合)と言えるのか疑義があります。

③ 「視点から」とあります。これは、観点と同義です。冒頭の「都市の現況」や、密集市街地、流域治水など観点がいくつもあって、どれなのか判然としません。まとまっていない印象を受けます。さらに、密集市街地の改善まで述べてしまっては、観点や視点ではなく解決策になっています。さらに、問題は巨大地震を想定するのですよ。流域治水は、水害と地震が同時に起こることを懸念しているのですか。題意からずれているように感じます。

④ タイトルと異なっています。課題はどちらですか。密集市街地の場合、背景で述べている問題は火災以外当てはまりません。また、全体としてのレジリエンス向上の場合、強靭な社会の構築と言った題意そのものです。これでは、「災害を少なくするのにどうしたら良いですか」と問われているのに、「災害を少なくすることです」と答えているようなものです。しっかりと問題を理解すること、題意に沿っているか確認することに注意しましょう。


②建築物の高層化、高度利用の対応
 応急対応の観点:都心部では建築物の高層化が進み、 長周期振動での大きな揺れやエレベーターへの閉じ込め等新たな問題が顕在化している高度利用による帰宅困難者の増加は救命救助等の妨げとなる帰宅困難者自身も集団転倒や落下物等による二次被害の可能性がある。発災直後の被害軽減、応急活動円滑化に向けた環境整備が課題である。


⑤ この背景を記述した意図が見えません。帰宅困難者としての例示なのか、高度利用の弊害を述べるための例示なのか不明です。

⑥ 高度利用による帰宅困難者の増加とは、例示にある閉じ込めを指しているのでしょうか。帰宅困難という意味合いと、閉じ込めによって帰れない人を同一視するのに違和感があります。また、帰宅困難者が増えると救命救助の妨げになるのはなぜですか。救うべき人が増えるからですかね?

⑦ ここでいう帰宅困難者は、一般的な家に帰れない人を指していますね。閉じ込められた人、帰宅困難者、救助といった関係性がごちゃごちゃになっていて、言いたいことが良く分かりません。また、これらの背景やタイトルからするに、高度利用や建物の高層化はダメだといった論調に見えます。このような考えは、現状を踏まえると達成できませんし、建て替え促進や、集約型の都市構造を実現させる観点からも、国の考えとマッチしません。

⑧ タイトルと不整合です。また、観点は「応急対応」であるにも関わらず、課題が「応急活動円滑化」では観点と課題が同じになってしまいます。さらに、環境整備とは、どのような行動なのか不明です。


③復興事前準備の推進
 復興の観点:近年は安全確保計画、地域防災計画等の検討が進んできた。復興まちづくりの体制や手順といった基礎的な検討は定着する一方、目標検討は未だ途上である。故に早期の復旧・復興のため、復興事前準備の推進が課題である。


⑨ 何の目標ですか。

⑩ 復興準備とはどのような行動なのかもう少し具体的にすべきです。また、復興の観点から、復興の準備では観点と課題が類似しています。


(2) 最も重要と考える課題及び解決策
 今後、高層化がこれまで以上に進展し、大きな被害が生じる可能性が高いため、「建築物の高層化、高度利用の対応」を最も重要と考え、解決策を次に示す。
①高層化に伴う課題への対応
 長周期振動に対しては、修繕等に併せてオイルダンパーの追加等の対策を行う。エレベーターについては安全装置の強化と平行して「1ビル1台復旧」の考え方を普及啓発する。被害を減少させ、地域全体で早期復旧する効果がある。


⑪ この対策を行うのは誰ですか。おそらく、ビルオーナーか管理組合等だと思います。解決策は、行政目線で書くべきです。よって、これらの対策を促すための補助制度や、貸付金利優遇、基準見直しなどが行政の解決策になります。

⑫ なぜ地域全体になるのですか。


②帰宅困難者に対する対応
 市街地開発事業に併せ、帰宅困難者に対する受入スペース、防災備蓄倉庫、非常用発電機を整備する。行政と民間で対応方針や費用負担を安全確保計画や協定に具体に定め、実効性を高める発災直後の徒歩帰宅者が減少し、応急対応を円滑化する効果がある


⑰ 課題は、「建築物の高層化、高度利用の対応」であるならば、論点がズレています。課題が「応急活動円滑化に向けた環境整備」ならば、該当しますので課題を再整理しましょう。

⑱ 整備の内容が限定的です。なぜ、橋脚なのか、なぜ鉄道は橋脚ではなく電柱下部補強なのかといった疑問が生じます。

⑲ 早期に整備すべきなのは、一般論として誰しもがその必要性を説明できます。技術士試験ですので、どのように早期に実施するのかまで書く必要があります。

⑳ この効果は、橋脚補強等にもかかっているのですかね?この効果が無電柱化のみであるなら、橋脚補強の効果や目的も書くべきではありませんか。


(3) 新たに生じうるリスクとそれへの対策
①要配慮者への対応のリスク
 (2) に示した対策はハード対策が中心である。しかし、ハード対策だけでは高齢者、障害者等の要配慮者が逃げ遅れるリスクがある
 対策:ソフト対策を併用した多重防ぎょを行う。例えば要配慮者を予め名簿化し、避難所でのサポートに活用する。個人情報保護の観点から本人の事前同意に留意する。


㉑ 新たに生じるリスクではありません。もともと存在しているリスクであり、対策をしていないだけではありませんか。

㉒ 避難所でのサポートでは、逃げ遅れるリスクの対策になっていません(逃げることができているから、避難所にいるのですよね?)。


②外国人観光客、労働者対応のリスク
 コロナ禍を経て地方活性化、経済波及の観点から外国人観光客の増加が見込まれている。少子高齢化のため外国人労働者の増加も必要である。故に日本語や日本文化が不自由な者への災害対策がリスクである。
 対策:デジタル技術を活用した多言語による情報発信を行う。観光事業者、交通事業者、行政の連携により避難所の情報、交通機関の復旧情報、二次災害の危険性等を発信する。一人ひとりに寄り添ったオンデマンドな対応となるよう留意する。


㉓ ㉑と同様。

㉔ どのような情報発信なのか抽象的分かりません。

㉕ オンデマンドサービスとありますが、どのようなサービスなのでしょうか。㉔も含めてですが、具体的な説明が必要です。


(4) 業務遂行に当たり必要となる要点、留意点
①技術者としての倫理の観点
 災害を完全に防ぐことは不可能である。故に人、資金、時間的資源の制約の中での優先順位付けが必要である。その判断にあたり、客観的な情報から公正に判断し、公衆の安全、健康、福利を最優先に行動する。
②社会の持続性の観点
 施設整備にあたり地球環境保全に留意する。具体にはグリーンインフラの推進、コンパクトなまちづくりの形成、工事施工時の低炭素化(バイオ燃料の使用、ダンプ待ち時間の短縮)等により2050年カーボンニュートラルの実現に貢献する。       以上


㉖ 文がねじれています。「判断するにあたり、・・・判断する」になっています。

㉗ 今回の施設整備でグリーンインフラの推進と言われても、関連性がイメージできません。

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