GWで一歩リード!これで実戦力を鍛えあげろ
【 技術士 二次試験対策 】
GWを“技術士モード”で充実させよう
今年のゴールデンウィークを、受験勉強の大きな前進につなげていただきたいと思い、令和8年度の建設部門・必須科目Ⅰで出題されそうなリアル予想問題第3弾を大公開!
今回のテーマは、添付のとおり「老朽化対策 × GX(グリーントランスフォーメーション)」です。近年の国の政策動向、社会資本の課題、そして試験の出題傾向を踏まえると、極めて本命に近いテーマといえます。毎年言っています!!!
ただし、この問題には“受験者を混乱させる仕掛け”がいくつも含まれています。
そのため、単に問題を読むだけでなく、「どこがひっかけなのか」「どう読み解くべきか」を理解することが、合否を分けるポイントになります。
予想問題の背景
令和8年度の必須科目Ⅰでは、社会資本の老朽化とGXの同時推進が大きなテーマになると考えられます。
高度経済成長期に整備された道路・橋梁・河川管理施設・上下水道が一斉に更新時期を迎える一方、2050年カーボンニュートラルの実現に向け、社会資本の整備・管理にも省エネ化や再エネ導入が求められています。
この「老朽化 × GX」は、どちらか一方だけを考えればよいわけではなく、両者を同時に満たす計画・設計・維持管理が必要になります。
そのため、技術者としての総合力が問われるテーマであり、必須科目Ⅰに非常に適しています。
「老朽化とGX」あなたならどう両立させますか?
令和8年度技術士第二次試験問題 [建設部門]
9 建設部門【必須科目Ⅰ】
Ⅰ 次の2問題(Ⅰ-1,Ⅰ-2)のうち1問題を選び回答せよ。(解答問題番号を明記し、答案用紙3枚を用いてまとめよ。)
Ⅰ-1 我が国では、高度経済成長期に集中的に整備された道路・橋梁・河川管理施設・上下水道などの社会資本が一斉に老朽化し、更新・維持管理需要が急増している。一方で、2050年カーボンニュートラルの実現に向け、社会資本の整備・管理においてもエネルギー消費の削減や再生可能エネルギーの活用など、GX(グリーントランスフォーメーション)の視点が求められている。
老朽化対策とGXの双方を進めるにあたっては、社会資本の機能や配置、地域の特性、将来の都市・地域構造に加え、既存の整備水準や利用形態の変化など、多様な要素を踏まえた検討が必要となる。また、社会資本の更新・再編においては、施設の延命、統廃合、機能転換など複数の選択肢が存在し、それぞれがGXの推進に与える影響も異なるため、総合的な判断が求められる。
このような状況の中、老朽化対策とGXを同時に推進しつつ、地域の実情に応じた社会資本整備を進めることが求められている。技術者としての立場から、以下の問いに答えよ。
(1)老朽化対策とGXを同時に推進するに当たり、投入できる人員や予算に限りがあることを前提に、技術者としての立場で多面的な観点から3つの課題を抽出し、それぞれの観点を明記したうえで、課題の内容を示せ。(※)
(※)解答の際には必ず観点を述べてから課題を示せ。
(2)前問(1)で抽出した課題のうち、最も重要と考える課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を示せ。
(3)前問(2)で示したすべての解決策を実行しても新たに生じうるリスクとそれへの対策について、専門技術を踏まえた考えを示せ。
(4)前問(1)~(3)を業務として遂行するに当たり、技術者としての倫理、社会の持続性の観点から必要となる要件・留意点を述べよ。
この問題に仕込まれた「ひっかけ」とは何か
この問題は、一見すると素直な構成に見えますが、実は受験者を迷わせる要素が複数含まれています。特に注意すべきポイントは次のとおりです。
- 「整備水準」「利用形態の変化」など、論点を広げるワードが散りばめられている
→ ここに引っ張られると、老朽化×GXの主題から外れやすくなります。 - 「延命・統廃合・機能転換」という余計な選択肢が提示されている
→ どれを選ぶかで悩み、答案が散らばる危険があります。 - 「総合的な判断が求められる」という抽象表現
→ 優先順位を自分で決めないと、論旨がぼやけます。 - 「地域の特性」「都市・地域構造」という広い概念
→ 景観・文化・人口動態など、書こうと思えば何でも書けてしまうため、逆に迷います。
技術士試験では、このような“論点を広げる罠”が頻繁に仕込まれています。
だからこそ、問題文の要旨を正確に捉え、主題から外れない答案構成が極めて重要になります。
問題の要旨を正確に捉える重要性
技術士試験では、問題文の読み違いがそのまま不合格につながります。
特に必須科目Ⅰは、文章量が多く、複数の論点が混在しているため、読みながら「何を書かせたいのか」を整理する力が問われます。
今回の予想問題でいえば、要旨はあくまで 「老朽化対策 × GXを、限られた資源の中でどう両立させるか」 です。ここから外れた答案は、どれだけ専門的な内容を書いても評価されません。
問題文に余計な情報が書かれているほど、出題者は「読み解く力」を試していると考えてよいでしょう。
設問ごとの“正しい攻め方”
(1)多面的な観点から課題を抽出
この設問では、
「観点 → 課題」
という構造で書くことが求められています。
観点は、技術士としての視点を示す部分であり、
・技術
・制度
・体制
・財政
・地域特性
など、複数の切り口から整理する必要があります。
重要なのは、観点が変われば課題が変わるという構造を示すことです。当たり前なんですが、結局同じ視点じゃない?なんてこともちらほらです。これを防ぐには、最初に切り口(観点)を3つ出しておくなんてやり方もお勧めです。
(2)最重要課題の選択
ここでは、「なぜそれが最重要なのか」を論理的に説明する力が問われます。
老朽化×GXの構造を踏まえると、
・データ不足
・更新計画の不在
・省エネ化と安全性の両立
などが最重要課題として選びやすいです。相対的な選択理由を添えることもお忘れなく!
(3)“実装レベル”の解決策の書き方
この問題で最も差がつくのが、解決策をどこまで具体化できるかです。
技術士試験では、抽象的な「〜の推進」「〜の強化」では評価されません。
老朽化×GXは、現場での実装が伴うテーマであるため、解決策も「仕組み」「手順」「体制」まで踏み込む必要があります。
以下に、老朽化×GXの構造に沿った“実装レベルの解決策”の考え方を示します。
● 解決策①:老朽化データとエネルギーデータを統合した「更新優先度モデル」の構築
老朽化対策とGXを同時に進めるには、
「どの施設を、どの順番で、どの水準まで更新するか」
という優先度の判断が不可欠です。
そのため、
- 点検結果(健全度)
- ライフサイクルコスト
- 省エネ効果
- 再エネ導入の適性
- 地域の利用状況
などを統合した 更新優先度モデル を構築することが重要です。
これにより、
「老朽化が進んでいるがGX効果が小さい施設」
「GX効果が大きいが老朽化は軽微な施設」
といった“トレードオフ”を可視化できます。
● 解決策②:更新時にGXを組み込む「統合型更新パッケージ」の導入
老朽化対策とGXを別々に実施すると、
- 工事が二重化する
- コストが増える
- 住民影響が大きくなる
という非効率が生じます。
そこで、更新工事のタイミングで
省エネ化・再エネ導入・維持管理の効率化を一体的に実施する
「統合型更新パッケージ」が有効です。
例としては、
- 橋梁照明のLED化+遠隔監視
- 河川管理施設の更新+太陽光発電の併設
- 上下水道施設の更新+高効率ポンプ導入
などが挙げられます。
“更新のついでにGX”ではなく、
GXを前提に更新を設計する
という姿勢が重要です。
● 解決策③:地域特性に応じた「施設再編・機能転換」の検討
問題文には、あえて
「延命・統廃合・機能転換」
という余計な選択肢が書かれています。
これは罠でもありますが、正しく扱えば強力な解決策になります。
人口減少や利用形態の変化により、
- 施設を延命するより統廃合した方がGX効果が高い
- 機能転換することでエネルギー消費を大幅に削減できる
といったケースが生まれます。
つまり、
老朽化 × GX × 地域特性
を同時に満たすためには、施設の“あり方”そのものを見直す必要があります。
● 解決策④:維持管理の省力化を実現する「デジタル維持管理基盤」
GXはエネルギーだけの話ではありません。
人員不足の中で維持管理を効率化することもGXの一部です。
そのため、
- IoTセンサー
- 遠隔監視
- AI診断
- デジタルツイン
などを活用した デジタル維持管理基盤 の構築が有効です。
これにより、
- 点検頻度の最適化
- 故障予兆の早期把握
- 更新時期の合理化
が可能になり、老朽化対策とGXの両立が進みます。
(4)解決策の副作用リスク
技術士試験では、「解決策を実行しても新たなリスクが生じる」という視点が非常に重視されます。
老朽化×GXでは、
・省エネ化が初期投資を増やす
・再エネ導入が景観や土地利用に影響する
・統廃合が地域サービスを低下させる
など、必ず副作用が生じます。
この“副作用の構造”を理解し、適切な対策を示すことが重要です。
(5)倫理・社会の持続性
ここでは、「技術者としての判断の根拠」を示すことが求められます。
老朽化×GXでは、
・公衆の安全の最優先
・説明責任
・公平性
・専門性の維持
・持続可能な社会資本の再編
などが重要になります。

