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技術士 二次試験対策 建設部門 令和6年度必須科目 Ⅰ   予想問題 「まちづくりGX」

論文添削
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添削LIVE

【 技術士 二次試験対策 】

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いよいよ 予想問題 GXの投稿

予想問題を用意することの重要性は、以前からお伝えしているとおりです。みんなで予想して、問題の球数を増やしていけば、予想が当たる可能性が高まりますからね。もちろん、私もまだまだ予想問題を作っていきますからね!

今回、ご投稿いただきました論文は、予想問題第1弾の「まちづくりGX」になります。個人的には、大本命だと思っていますが、令和5年度は最有力候補を観光と予想して盛大に外してます。最有力候補だと言って、山を張らずにいくつかの論文を用意することをお勧めします。

そうした中で、私の予想問題を解いて添削のご依頼をいただけることは、なんともありがたいことです。GXが出題されることを祈りつつ、添削を行います。GXは、建設業界全体に求められる行動なので、必須科目に設定しやすいと思います。

ちなみに、2023は都市公園法制度制定150周年(都市公園ができて150年)ですし、都市緑地法の改正は閣議決定されてますし、2027横浜国際園芸博覧会もありますし背景としては十分すぎるほど整っていますよね。

また、30by30という目標もありますから、国も目標達成に向けてあらゆる措置を講じてくると思います。このような背景も、技術士試験に採用されるのではと考える要因の一つです。GX論文を作成し、準備しましょう。当たらなくても、用意しているだけで安心しますよ。もちろん、自信にもつながります。作成のうえ、投稿をお待ちしております(添削サービスのご購入はコチラ)。

審議会・委員会の未決定事項の取り扱い

今回投稿いただいた論文の内容で、非常に頭を悩ませたことがあります。それは、審議会や委員会で議論し、その結果をとりまとまた資料の取り扱いについてです。最終報告などの資料であれば、決定事項も多くそれほど悩まないのですが、今回のGXは、都市計画基本問題小委員会の「多様な価値観や社会の変化を包摂するまちづくりを目指して」と題した中間とりまとめに記載されています。

中間とりまとめは、これからの動きが多く、未決定事項がほとんどです。当然、この委員会でのアウトプットが今後の国の方向性であることは間違いないのですが、いかんせん決定事項ではないので、論文で示した場合、評価されるのか否かについては判然としません。

方向性を示唆する程度なら全く問題がないのですが、例えば今回閣議決定された都市緑地法の改正内容を解答した場合、まだ法施行されていないので評価されるか心配です。書いてはダメと断定もできませんし、悩ましいところです。

あえてリスクをとる必要はないと思いますので、既存の制度を解決策として提示しつつ、今後はこういう取り組みも必要だよねといった程度の表現に抑えておいた方が無難だと思います。もちろん、試験前までに法が施工されていれば、堂々と記述してOKです。そういう意味でいうと、最新情報を常に押さえておく必要がありますね!

論文

さて、投稿いただきました論文、令和6年度予想問題「まちづくりGX」を前述の内容も踏まえながら、ご覧いただければと思います。それでは、早速論文を見てみましょう。

問題

Ⅰ-1 人々の暮らしは豊かで便利になる一方で、地球環境は限界を迎えつつある。このような状況の中、世界的に自然再興(ネイチャーポジティブ)やカーボンニュートラルの実現に向けた動きが、世界的に活発化している。2022年12月には、生物多様性条約第15回締約国会議(COP15)において、新たな生物多様性枠組である「昆明・モントリオール生物多様性枠組」が採択され、我が国においても、「自然と共生する社会」を目指すこととしている。また、2050年カーボンニュートラルの実現を宣言し、この宣言と整合的で野心的な目標として、2030年度に温室効果ガスを2013年度から46%削減することを目指すこと、さらに50%の高みに向けて挑戦を続けていくことを示している。
 世界規模でグリーントランスフォーメーション(GX)実現に向けた動きが活発化している中、GXと産業競争力強化・経済成長を同時に実現するため、以下の問いに答えよ。

(1)ネイチャーポジティブとカーボンニュートラルの実現に向けてまちづくりGXを推進するに当たり、技術者としての立場で多面的な観点から3つの課題を抽出し、それぞれの観点を明記したうえで、課題の内容を示せ。

(2)前問(1)で抽出した課題のうち、最も重要と考える課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を示せ。

(3)前問(2)で示したすべての解決策を実行しても生じうるリスクとそれへの対策について、専門技術を踏まえた考えを示せ。

(4)前問(1)~(3)を業務として遂行するに当たり、技術者としての倫理、社会の持続性の観点から必要となる要点・留意点を述べよ。

課題

1.まちづくりG X を推進するための課題
(1) いかに都市の緑地を確保するか
 グリーンインフラとしての多様な機能を有する都市の緑地を質・量両面で確保するには、民間事業者等における緑地整備の推進を図ることが必要である。しかし、都市緑地行政を推進するための目標や官民の取組の方向性が示されていない。また、民間では、緑地確保の取組は収益を生み出しづらいという認識が一般的であり、取組が限定的である。よって、仕組み面の観点からいかに都市の緑地を確保するかが課題である。


① 論文を書く上で最初に意識することは、文を短くシンプルに書くことです。この文は、詰め込みすぎです。いろいろ言いたくなるのは、本当に良く分かります。しかし、詰め込みすぎると論点がぼやけますし、結局何が言いたいの?となってしまいます。ここでは、グリーンインフラも質の確保も文脈上必要ありません。シンプルに書くと、「都市の緑地を確保するためには、民間事業者による緑地整備を促進する必要がある。」となります。ちなみに、論文は行政目線で書くと良いです。ここでの表現は推進となっていますが、推進は自分たちで推し進めることです。民間事業者がやることなので、促進とすべきでしょう(推進を図ることでも間違いではありませんが冗長的です)。

② 民間事業者の緑地整備の話だったのが、都市緑地行政とプレイヤーが変わっています。さらに、都市緑地行政というと組織を表していますので、これを推進するとは一体なんのことかと混乱してしまいます。つまり、「行政」は不要ですね。さらに、前文の緑地整備の推進を受けての話である場合、単純に同じ表現にすべきです。→「緑地整備を推進」

③ 都市緑地法第4条において、市町村は基本計画を定めることができるとなっており、この緑の基本計画において緑地に関する方針や目標等が示されているケースがほとんどだと思いますよ。基本方針や目標がないのは、国や県です。昨今、国や県でも基本方針を定める動きがあります。

④ 背景を踏まえると、民間による緑地確保が課題ではないでしょうか。都市の緑地といってしまうと行政の緑地確保も含みますが、背景で問題視しているのは民間の行動ですよね。背景と課題の表現がいささか不整合に感じます。


(2) いかに資金調達するか
 都市の脱炭素化を促進するためには、ゼロエネルギー街区など大規模な都市開発事業を進めることが重要である。このため、民間都市開発事業による再生可能エネルギーの利用設備やエネルギー利用を効率化するシステム、緑化施設の管理を効率的に行う設備が必要である。しかし、こうした技術を導入するための技術開発や施設整備には、多くの資金が必要になる。よって、いかに資金調達するかが課題である。


⑤ ZEBやZEHもある中で、なぜ大規模な都市開発事業が重要なのか分かりません。ゼロエネルギー街区が有効であることは理解できますが、既成市街地でも導入できるのではなりませんか。

⑥ このためとありますが、記載の設備が必要な理由は、大規模都市開発事業を進めることが重要であるからではなく、脱炭素化を図るためではありませんか。やはり、都市開発云々は関係がなく、単純に脱炭素化には設備投資が必要で良いと思います。また、設備の説明が少々まどろっこしいですね。再生可能エネルギーシステム(創エネ設備)、エネルギーマネジメントシステム(省エネ設備)といった具合に端的に述べましょう。また、最後の緑化施設は脱炭素との関連が不明です(吸収源としての緑化?それとも屋上緑化等の遮熱対策による省エネ?)。

⑦ 技術ではなく設備ではありませんか。

⑧ 設備導入の話なので、別問題ですね。

⑨ 観点がありません。資金調達するのは誰ですか。おそらく民間事業者だと思いますが、課題(論文)は行政目線で書きましょう。よって、「資金調達を容易にする支援が課題」という形になります。


(3) いかに森林の整備・保全を図るか
 森林は、都市等から排出された二酸化炭素の吸収、生物の生息地の提供など多様な機能を有している。都市はこれらにより産業面、環境面から様々な恩恵を受けている。一方で、木材価格の長期低迷等により森林に対して十分な資金循環が図られないことや担い手不足などにより、森林の有する機能の低下などに対する懸念も生じている。よって、持続可能性の観点からいかに森林の整備・保全を図るかが課題である。


⑩ 恩恵が抽象的で何だか分かりません。

⑪ いきなり林業の話になっているのですかね?何の話をしているか分かるように「経済林においては、」といった説明が必要です。資金循環が図られないとの表現は分かりづらいですね。→「適切な森林整備ができない」。さらに、「により」と要因を示す言葉が続くので読みづらいです。要因の記述はまとめて書いてしまえば良いと思います。まとめると、「経済林においては、木材価格の低迷や担い手不足により、適切な森林整備ができないことから、前述の優れた機能が低下することが危惧される。」となります。


解決策

2.最重要課題
 3つの課題の中から(1)いかに都市の緑地を確保するかを最重要課題とし、以下に解決策を述べる。


⑫ 選定理由があるともっと良いと思います。


3.解決策
(1) 都市緑地の社会的意義の高揚
① 基本方針の策定
 都市緑地に係る目標や官民の取組方向性等を示すため、緑地の保全・緑化の推進に関する基本方針を策定する。具体的には、緑地の推進目標やその意義、緑地のあるべき姿、発揮すべき機能等を定める。
② 都市計画における緑地位置付けの向上
 都市計画を定める際の基準に、「緑地を含む自然的環境の整備・保全の重要性」を位置付け、都市計画の段階から不可欠な要素の一つとして扱う。


⑬ これは、まちづくりGXの今後の方向性などを見て書いたのだと思料いたしますが、③のとおり市町村レベルでの基本方針はありますよ。見られた資料の情報はおそらく、今後の方針として、これまで市町村しか持っていなかった基本方針を国や県レベルでも持つべきだという議論の内容だと思います。おそらく近いうちに都市緑地法の改正等があるものと推察されます(注)。つまり、ここで不足しているのは、主語です。例えば、「市町村のみでなく、国や県においても、」といった言葉が必要です。また、決定事項でないこれらの考えを記述して、評価されるのか不透明です。現在の運用されている制度で説明した方が無難ですね(民間事業者との連携関連でいうと、市民緑地認定制度、特別緑地保全地区、Park-PFI、都市公園の柔軟な管理運営など)。
(注)現時点で都市緑地法の改正は閣議決定されています。

⑭ 国の資料からの抜粋だと思いますが、具体性に欠けどのような行動なのか分かりません。一団の樹林地には商業用途はダメとかそういうことですかね。具体例があると良いですが、これも未来の話なので、具体例が書きづらいうえ、評価されるか分からないといった代物です。解決策の選定については、再考が必要だと思われます。
※資料は、ただ転記するのではなく、しっかりと読んで理解してから、自分の言葉で書きましょう。


(2) 民間事業者等による緑地確保の取組を評価
 良質な緑地確保の取組の価値が投資家や金融機関、市民等の様々な主体に「見える化」するために、緑地確保の取組を客観的に評価・認定する制度を導入する。具体的には、民間事業者等に緑地の創出・維持管理に関する計画書などの提出を求め、気候変動対策や生物多様性の確保、Well―being の向上といった観点から評価する。これにより、評価事業者に企業価値の向上などインセンティブを与える。また、企業のビジネスモデルを変革させ、産業競争力向上に繋げる。


⑮ ⑬、⑭と同様。

⑯ 具体的にどのような行動なのか分かりません。認証とか認定制度、それとも税制特例?たぶんまだ決まっていないと思います。繰り返しになりますが、まだ検討中の資料を使っても、理念や方向性は示せますが、具体性がなく十分な説明にならない可能性が高いです。要再考。


(3) 土地緑地法人の導入
 自治体の予算や人員不足、緑地の整備・管理に係るノウハウ不足を支援するため、専門技術を有する法人を活用した仕組みを導入する。具体的には、国が指定した法人が民間から緑地の買入れと機能維持増進を一体的に行い、自治体に引き渡す。自治体は長期分割で指定法人に対価を支払う。これにより、土地所有者の特別緑地保護地区等の指定意欲の向上を図る。また、機能維持増進により緑地が整い、住民団体等による下草刈り等の日常的な管理活動が可能となり、地域コミュニティ活動の活発化も期待できる


⑰ →「都市」

⑱ 目的が変わっていませんか。ここで書くべきは、(民間で)都市の緑を確保する解決方法を書くのですよ。

⑲ この施策も未決定事項です。要再考。

⑲ →「保全」

⑳ これも⑱同様、論点がズレてますね。

㉒ これも波及効果してあるかもしれませんが、記述すべき内容は(民間で)都市の緑を確保する解決方法です。


新たなリスク

4.新たなに生じうるリスクと対応策
 都市空間の緑地の増加に伴い、道路や住宅への支障木や枝の撤去、落ち葉の回収、害虫駆除、糞による被害への対処など維持管理費用が大幅に増大するリスクが発生する。この対応策としては、計画段階からモニタリング計画維持管理費を捻出できる体制を整えておくことである。


㉓ モニタリング計画の内容が不明です。一般にモニタリングというと、官民連携事業等で行政が事業者を監視する機能を言います。この場合は、樹木のモニタリングという意味で維持管理計画のことを指しているのですかね?

㉔ 維持管理費を捻出できる体制を具体的に書くべきです。ここが頭を悩ませる部分であり、この重要部分が抽象的ですと、対策としては何も書いていないのと同じです。


要点・留意点

5.業務遂行で必要となる要件と留意点
 業務にあたっては、常に社会全体における公益を確保する観点と、安全・安心な社会資本ストックを構築して維持し続ける観点を持つ必要がある。業務の各段階で常にこれらを意識するよう留意する。 以上

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