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技術士 二次試験対策 建設部門 令和6年度必須科目 Ⅰ 予想問題 「観光立国の復活」完成

論文添削
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添削LIVE

【 技術士 二次試験対策 】

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注目の大臣発言① 水循環行政

4月2日の大臣会見で、注目すべき取り組みが示されました。その取り組みとは、水循環行政です。2024年4月から、厚生労働省から国土交通省に水道の整備や管理の所管が移管されました。これにより、上下水道が一体化され効率的な整備・管理が可能となります。
このような状況を踏まえ、以下の方針が示されました。

  1. 持続可能な上下水道事業の再構築に向け、官民連携や広域化を推進し、最適な施設整備や新技術の活用により、業務効率化・経営基盤強化を推進
  2. 令和6年能登半島地震の教訓を踏まえ、耐震化や災害時の代替性・多重性の確保など、災害に強い水インフラを実現
  3. 第3に、水力エネルギーの最大限の活用に向けて、官民の関係者の連携により、ダムなどの既存インフラをフル活用し、水力発電の最大化を実現

また、これまでの「流域治水」から、「流域総合水管理」へ進化させるとのことです。さらに、上記の方針に基づき、「水循環基本計画」を改定が進められます。時事的な背景が、これでまた一つ増えました。そうなると流域治水もきな臭くなってきました(流域治水関連記事はコチラ)。

上下水道部門を受験する人はもちろんのこと、建設部門においても流域治水の新しい動きは、しっかりと把握すべきですね。最近、上下水道界隈では、ウォーターPPP、コンセッションと官民連携が活発になっており、2024年問題がこれらの効率化を後押ししています。

また、その他の方針にある地震災害への対応や、ハイブリッドダムなどの治水機能の強化と水力発電の促進を両立といった動向も把握した方が良いです。なんだか、把握すべきことがたくさんあるように見えますが、根底にある考えは同じです。最新動向を把握しながら、国の考えを自分なりに整理すると良いと思います。

注目の大臣発言② 自家用車活用事業

もう一つの注目発言は、3月29日の会見で報告のあった自家用車活用事業です。いわゆる「日本型ライドシェア」ですね。ライドシェアはこれまでも紹介してきましたが、地域交通の担い手や地域の足を確保する制度として、大臣の期待が示されました。

具体的な制度内容は、今後、タクシーが不足する地域・時期・時間帯におけるタクシー不足状態を、道路運送法第78条第3号の「公共の福祉のためやむを得ない場合」であるとして、地域の自家用車や一般ドライバーによって有償で運送サービスを提供すること(自家用車活用事業)を可能とする許可を行っていく予定となっています。

事業の進め方は、4月中に配車アプリデータに基づき不足車両数を算出・公表する営業区域を以下の区域とし、4月中に不足車両数を公表する見通しです。その他の地域でも、簡便な方法により不足車両数を算出し、タクシー事業者に実施意向のある地域で順次実施することとしています。
<営業区域>
・札幌交通圏 ・仙台市 ・県南中央交通圏(埼玉)千葉交通圏 ・大阪市域交通圏 ・神戸市域交通圏・広島交通圏 ・福岡交通圏

安全性、料金、事故時の保険適用・補償といった問題もありそうなので、本当に地域交通の一翼を担うシドになり得るか注目していきましょう。

一方、出題の可能性という観点から見ると、2024年問題に絡めて出題されるかも!?という感じですね。ただし、解決策として考えればこの施策が持つポテンシャルは非常に高く、色々な場面で使えそうです。

論文

今回投稿いただいた論文は、建設部門 令和6年度必須科目 Ⅰ 予想問題 「観光立国の復活」のチェックバックです。適切な修正がされており、今回で完成となります。みなさんの参考になると思いますので、ぜひご一読ください。それでは、早速論文を見てみましょう。


1.多面的な観点と課題
(1)いかに地域一体の観光地づくりを推進するか
 コロナ禍により衰退した観光業の回復を図るためには、観光地の面的な再生や高付加価値化を推進することが重要である。そのため、様々なステークホルダーによって観光地の魅力を磨き上げ、持続的な地域活性化に繋げていくことが求められる。よって、体制面の観点から地域一体の観光地づくりが課題である。

(2)いかにインバウンドに対応するか
 国際社会において、SDGsの考え方が浸透しており、多様性を重視した観光活動が求められている。そのため、人種、文化、宗教等の違いにかかわらず、誰しもが楽しめるインクルーシブ観光の推進が重要である。よって、多様性の観点から、インバウンドへの対応が課題である。

(3)いかに省化して取り組むか
 これまでの観光業は、サービスを人的労働によって生み出す労働集約型産業である。しかし、生産年齢人口の減少を迎える中、限られた人材で取り組むためには、観光のDX化が求められている。よって、人材面の観点から省人化の推進が課題である。

2.最も重要な課題と解決策
 観光地を核とした地方創生も達成できるため、「いかに地域一体の観光地づくりを推進するか」を最も重要な課題とし、以下に解決策を述べる。

(1)官民連携
①公共交通サービスの機能拡充
 自治体の交通計画と連携して観光型MaaSの導入を促進する。例えば、顔認証デジタルパス等を用いて、観光施設や交通機関の決済、予約など一連の手続きをシームレスにする。併せて、自治体ではモビリティハブを整備し、シェアサイクル等多様なモビリティとのリンク機能を強化する。このシームレスな手続きとリンク機能の強化を連動させることにより、質の高い公共交通サービスを提供する。
②Park-PFI
 都市公園の魅力を向上させ、新たな観光拠点を形成するため、Park-PFIを導入する。公園内にカフェ等の収益施設設置さ広域的な誘客を図るまた、公園整備に収益の一部を還元させ、魅力の維持向上につなげる。これにより、公的負担の軽減と地域雇用の創出といった波及効果も得ることができる。

(2)観光地マネジメント
 地域の多様な関係者を巻き込みつつ、効果的に観光地づくりを推進するため、DMOを組成する。組成にあたっては、一次・二次産業等のノウハウも取り入れる等、あらゆる地域資源を活用ができる体制とする。観光客の安全や閑散期対策等の観光課題に対して、行政と地域の間に立って合意形成を促進することで、持続可能な観光経営を推進する。

(3)付加価値の創出
①景観まちづくり
 観光地の魅力を向上させるため、観光資源と親和性の高い空間を創出する。例えば、歴史的景観を有するまちでは、地元や占用企業を含む協議会体制を構築し、無電柱化を推進する。併せて、景観協定により保全ルールを定め、協働して景観を保全する。
②地域資源の活用
 地元が一丸となって地域資源を掘り起こし、これら資源を生かしたツアーを造成する。また、来訪者との交流を通して、地域がツーリズムを育てていく機運を醸成する。例えば、普段訪れられないインフラ内部等を巡るツーリズムを造成する。造成にあたっては、周辺観光地やイベント等を組み合わせ地域交流を促す。

3.新たなリスクと対応策
 観光地の魅力が向上することで、オーバーツーリズムが発生するリスクがある。対応策として、人流データから通行量等を分析し、混雑具合のリアルタイム情報を提供する。時間や場所の分散化を図ることで、他の観光地への誘客といった波及効果も生じる。

4.必要な要件と留意点
 業務にあたっては、常に社会全体における公益を確保する観点と、安全・安心な社会資本ストックを構築して維持し続ける観点を持つ必要がある。業務の各段階で常にこれらを意識するよう留意する。  以上

※赤字は修正した箇所

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