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技術士 二次試験対策 建設部門 令和6年度 選択科目Ⅲ 予想問題 「流域治水2.0」& 受験生必見!直前レクチャー

論文添削
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添削LIVE

【 技術士 二次試験対策 】

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直前レクチャー

まず、ちょっとだけ事務連絡です。ラスト一週間で論文投稿をされた場合、試験前までに添削結果をお返しできない場合があります。もちろん全力で頑張りますが、論文が集中すると現実問題として、オーバーワークになり間に合わない場合も想定されます。このことをご理解の上、ご投稿いただきますようお願い申し上げます。

先日、我社の技術士養成講座が開催され、私も参加させていただいたところです。この講座では、直前レクチャーと題し、様々な技術士たちの受験談が聞けました。どの話も、三者三様でとても面白いです。驚愕する内容もあり、教える立場でありながら、受講者そっちのけで盛り上がってしまいました。とても参考になると思いますので、共有された情報のいくつかを紹介したいと思います。

(1)解答の復元を行う
 初めて受験する人は知らない方も多いと思いますが、口頭試験は筆記試験論文の内容を聞かれることがあります。そのため、筆記試験の内容を帰宅後すぐに復元しないと口頭試験で失態を犯してしまいます。また、復元論文を添削すれば客観的に論文の出来を判断できると思います。忘れずに~

(2)解答用紙は全部埋める
 解答記述が少ないと減点の対象になります。最後の一枚に来て、「あっ、文章足りない…えーい、要点をいっぱい書いちゃえーーーー」は避けたい悪手です。必須科目の配分は、ひな型をご覧いただければ、バランスがとれた構成になりますので参考にしてください。ご記載は計画的に!

(3)文字は丁寧に書く
 そんなこと言われなくとも分かっとるわいと言われそうですが、手書きをやったことがある人は分かると思います。分かっていても試験後半は、腕がパンパンになってきれいに書きたくても書けなくなるのです。ぜひ一度、すべての論文(Ⅰ~Ⅲまで)を手書きで書いて見ましょう。あなたは、最後まできれいに書けるでしょうか!?

(4)時間配分に気を付ける
 文章の配分とともに重要なのが、時間配分です。私の経験ですと、スラスラ書いてギリギリです(一度読み返せるぐらい)。スラスラ書くために、最初の10分を骨子作成に割り振ってください。ロジックツリー(課題×3→解決策×3でOK)を作成し、題意を外していないか俯瞰的にチェックです。これで致命的なミスをなくし、方向性を定めればスラスラモードに突入です。兎に角、走り続けろー

(5)問題を常に意識する
 個人的にコレが一番刺さります。書き進めると論点がズレていくんですよね。「題意は防災対策、解決策はICTだ!」と考え書き進めると、いつの間にか「生産性の向上で働き方改革だ!?」になっていたりします。これをやると致命的です。リンゴの色は何色ですか?→丸ですと解答するようなものです。1項目書き終えたら、問題を再確認!!!

(6)課題と解決策は必ずリンクさせる
 これも(5)の派生ですね。自分で書いた課題を忘れてしまい、「題意に対する解決策にはなっているが、課題とは合っていない」といった現象です。これも論点ズレの一種です。解決策にたどり着いたら、問題とともに自分の書いた課題も一緒に確認しましょう。常に、確認!確認!確認!

参考になりましたかね!残る時間は僅かです。1%でも合格の可能性が高まるように最後まで頑張りましょう。

論文

本日お届けする論文は、建設部門 令和6年度 都市及び地方計画 選択科目Ⅲ 予想問題 「流域治水2.0」になります。流域治水は、防災、まちづくり、グリーンインフラ、ICTなど様々な要素を含んでいます。専門科目に関わらず受験生にお役立ちのテーマと言えます。もう、みなさんのお手元には流域治水の論文はあるのではないでしょうか。見比べてみるのもいいですね!早速論文を見てみましょう。

問題文

近年の水災害は激甚化・頻発化が顕著である。こうした中、施設能力を超過する洪水が発生することを前提に、氾濫に備える水防災意識社会の再構築を進めてきたところである。今後、この取り組みをさらに一歩進め、気候変動の影響や社会状況の変化などを踏まえるとともに、河川管理者だけでなく、氾濫域も含めて一つの流域として捉え、その河川流域全体のあらゆる関係者が協働し、流域全体を俯瞰した総合的かつ多層的な対策を図り、流域全体で水害を軽減させる治水対策「流域治水」への転換を進めることが必要である。

このような状況を考慮したうえで、以下の問いに答えよ。

(1)集水域の下流に位置する地方都市Aにおいて、都市計画制度を活用しつつ、流域治水まちづくりを推進していくにあたり、技術者としての立場で多面的な観点から取り組むべき課題を3つ抽出し、それぞれの観点を明記したうえで、その課題の内容を示せ。

(2)前問(1)で抽出した課題のうち、最も重要と考える課題を複数あげ、その課題に対する複数の解決策を、専門用語を交えて示せ。

(3)前問(2)で示した解決策に関連して、新たに浮かび上がってくる将来的な懸念事項とそれへの対策について、専門技術を踏まえた考えを示せ。

課題

1.多面的な課題とその観点
(1)  いかに防災まちづくりを推進するか
 気候変動の影響により、水害リスクの増加が懸念されている。将来的には約2℃の気温上昇が予想され、それに伴う降雨量及び流量の増加は、既存の治水対策を超えることが想定される。しかし、全ての対策を更新するには多大な公的費用が発生し、対応しきれない自治体も存在する。そのため、地域の特性を活かした防災対策が重要である。よって、都市づくりの観点から、防災まちづくりの推進が課題である。


① 現状→問題の順番が良いと思います。また、「将来的には2度上昇」も気になります。いつ時点と比べ、いつ2度上がるのか(10年後、1000年後)が分からず、これにより考え方は大きく異なります。さらに、「降雨量及び流量の増加」は同じようなことを言っています。加えて、既存の治水対策を超えるという表現も分かりづらいです。→「近年の気候変動により、降雨量の増大や海面水位の上昇などが発生している。このような状況を踏まえると、現在の治水計画による整備が完了しても、実質的な安全度が確保できないことが懸念される」

② 防災対策にお金がかかってできないのですよね。矛盾しています。解決策の記述を勘案すると「氾濫した場合を想定して、被害を回避するためのまちづくりが重要」という論調ですかね。

③ ②の修正をした場合、「被害対象を減少させるための対策が課題」ですかね。


(2)いかに地理空間情報を活用するか
 治水対策を推進する上では、治水地形分類図等を用いて地域の詳細な地形分類や河川工作物を把握することが重要である。併せて、人口や都市整備状況等の都市活動に関するデータを統合化・融合化し、避難や浸水対策等を支援することが求められる。よって、技術面の観点から、地理空間情報の活用が課題である。


④ 重要性や必要性のみになっており、なぜこれらを重要と考えたのか理由が分かりません。順序立てて説明するためには、現状→問題点→必要性→結論といった流れを作ると良いでしょう。例えば、現状(それぞれ情報提供が進められている)→問題点(流域全体の課題が見えにくい)→必要性(流域全体で情報共有を進め効果を可視化)→結論といった流れが考えられます。


(3)いかに横断的な取り組みを行うか
 流域治水の実効性を高めていくためには、流域全体において多様な主体が協働した取り組みが求められる。そのため、流出抑制対策や土地利用規制等の行政プロセスに加えて、民間による雨水貯留施設の整備や農地での田んぼダムの整備等、流域全体を俯瞰したあらゆる主体による取り組みが重要である。よって、体制面の観点から、横断的な取り組みが課題である。


⑤ ④と同様。

⑥ 施策が列挙されており、解決策のように見えます。課題パートは、現状→問題点→必要性→結論で構成しましょう。

解決策

2.最も重要な課題と解決策
 人命の確保に直結するため「いかに防災まちづくりを推進するか」を最も重要な課題に選定し、以下に解決策を述べる。

(1)都市構造
①防災指針の策定
 立地適正化計画により都市機能誘導区域と居住誘導区域を設定した場合にも、やむを得ず誘導区域等に災害ハザードを含むエリアが生じる場合がある。そのため、計画に併せて防災指針を策定し、都市の防災機能を確保する。指針の策定にあたっては、人口や住宅の分布、生活支援施設の配置等の現状と、多段階の浸水想定図を重ね合わせて検討を行い、想定されるリスクを適切に抽出する。


⑦ 防災指針は災害ハザード区域における開発抑制、移転の促進、防災施策との連携強化など、安全な まちづくりに必要な対策を計画的かつ着実に講じることを目的に定めるものです。よって、策定の目的に違和感があります。

⑧ ちょっと分かりづらいですね。何の段階ですか。また、なぜ水害だけなのでしょうか。

⑨ 抽象的です。適切の意味するところを具体的にしましょう。また、作り方を説明するより、指針の策定で何をするのか、どう誘導するのかを書いた方が良いと思います。


②高台まちづくり
 大規模氾濫が発生しても、命の安全や最低限の避難生活水準が確保できるよう、高台まちづくりを推進する。具体的には、官民による都市再生緊急整備協議会により都市再生安全確保計画制度を策定し、都市安全確保拠点の形成を図る。早い段階からの避難が出来なかった場合に備え、垂直避難する空間と併せて、生活関連物資や医療サービスの提供機能を確保することで、社会経済活動が一定程度継続できるようにする。


⑩ 都市再生特別措置法第十九条の十五には「協議会は、都市再生緊急整備地域について、大規模な地震が発生した場合における滞在者等の安全の確保を図るために必要な退避のために移動する経路、一定期間退避するための施設、備蓄倉庫、非常用電気等供給施設、その他の施設の整備等に関する計画を作成することができる。」とあります。つまり、地震対応なので、治水の例示としてはふさわしくないと思います。例示を見直しましょう。例えば、、問題文では「都市計画制度を活用し」と言っているので、地域地区などの例示があると良いと思います。


(2)市街地再編
 災害危険区域に存在する既存の住居に対し、移転を促すことで被害対象を減らしていく。個別移転にあたっては、災害危険区域等における既存不適格住宅の調査を推進し、移転すべき危険住宅を抽出する。また、居住調整区域等を設定することで移転を促す。地域コミュニティを維持しながら、安全な場所へ移転する場合には、集団移転促進事業を活用し、高台団地に住居を集約・移転を行う。


⑪ 最初の解決策との違いが良く分かりません。

⑫ ここはもう少し説明が必要だと思います。→「浸水被害防止区域にあっては、許可基準に適合しない既存不適格住宅」

⑬ これが都市構造に属するように感じます。後述にある防災集団移転促進事業や居住誘導区域等権利設定等促進事業(防災移転支援事業)などに特化させた記述が良いのではないでしょうか。


(3)グリーンインフラ
 社会資本整備や土地利用に併せて、自然環境が有する機能を活用する。例えば、雨水貯留浸透機能を有する緑地を特別緑地保存地区として指定し、遊水・貯留機能を確保する。市街地では、緑化協定制度を活用し、民有の緑地を確保する。併せて、レインガーデンや屋上・壁面緑化の整備により、雨水の一時的貯留を図る。このように、災害リスクの低減に寄与する自然機能を積極的に保全又は活用することで、生態系ネットワークの形成にも貢献する都市空間を形成する


⑭ →「保全」

⑮ 保全なので、確保するというとちょっと違和感があります(緑は増えない)。

⑯ 緑地というより緑化ですね。→「民有地における緑化を推進する」

⑰ 「このように」とあるのでもう少し端的な表現で良いと思います。また、波及効果は生態系に加え、地球温暖化防止といった観点をあると良いと思います。→「このように、グリーンインフラは災害リスクの低減に加え、生態系の保全や地球温暖化防止といった波及効果も期待できる。」

リスク

3.新たなリスクと対応策
 防災指針の策定や整備に伴って、水害ハザードが変化する。その結果、既存のハザードマップや地域防災指針が有効に機能しないリスクが生じる。対応策として、各段階において、ハザードマップや計画の見直しを図る。見直しにあたっては、PLATEAIU等の3D都市モデルを活用し、降雨段階毎のシミュレーションを行うことで、対策の見える化を図る。 以上


⑱ 文脈を考えると、「整備完了に合わせて」てとしたほうが良いのではないでしょうか。

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