PR

技術士 二次試験対策 環境部門 令和5年度 選択科目Ⅱー1「グリーンインフラ」

論文添削
PR
PR

添削LIVE

【 技術士 二次試験対策 】

PR

注目されるネイチャーポジティブ

今回の投稿論文は、環境部門の選択科目Ⅱー1「グリーンインフラ」です。環境部門という新たなジャンルですが、テーマはなじみがあるグリーンインフラです。建設部門と環境部門は、親和性が高いですね。これまで、令和6年度注目株として「まちづくりGX」を再三ご紹介してきましたが、このまちづくりを進めるうえでネイチャーポジティブは欠かせません。

都市計画基本問題小委員会において、多様な価値観や社会の変化を包摂する今後の都市政策の方向性がとりまとめられ、令和5年4月14日に公表されていました(下図参照)。この中でも、都市の緑地の保全や森林の整備・保全が重要とされており、ネイチャーポジティブを推進していくことが伺えます。

また、民間投資を促すための仕組みづくりも検討するとされています。すでに、ESG投資やTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)やTNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)など、企業による非財務情報の開示する動きが進んでいます。企業、投資家・金融機関においても、ネイチャーポジティブ重視の流れが強まっています。

今後は、緑地の保全・整備等に関する国の基本方針の策定、特別緑地保全地区の買い入れを行う都市緑地法人の創設、特別緑地保全地区の買い入れを行う際には都市計画税が充当可能など、新たな取り組みの方向性も示されており、注目度は高まるばかりです。

生物多様性の動向

ネイチャーポジティブを語るうえで、もう一つ押さえておかなければならない動き「生物多様性」があります。この生物多様性に関する動向は、世界的な潮流を見る必要があります。

技術士 二次試験対策 生物多様性の動向

生物多様性条約第14回締約国会議(COP14)ではOECMの設定促進による広域的な生態系ネットワーク化の推進に関する検討も行われました。その後、2021、2022のG7では、30by30による健全な生態系の保全・再生を約束しています。

その後のCOP15において、新たな生物多様性枠組である「昆明・モントリオール生物多様性枠組」が採択され、これを受けて、2030年までにネイチャーポジティブを図る「生物多様性国家戦略2023-2030」を策定しました。

さらに、我が国においては、令和5年5月に脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進に関する法律(GX推進法)が成立し、2050年カーボンニュートラル等の国際公約と産業競争力強化・経済成長を同時に実現していく動きが加速しています。

これらの状況を踏まえると、令和6年度の出題は「まちづくりGX」が熱いと言えます。必須科目にふさわしい幅広いテーマですので、論文は必ず作成しておきましょう。令和5年度でもGXが出題されると予想していましたが、先取りしてしまいましたね。今年度こそ満を持して出題か!?

論文

さて、論文はグリーンインフラがテーマです。グリーンインフラは、令和6年度に「グリーンインフラ推進戦略2023」が公表されています(過去記事で解説しています!)。ネイチャーポジティブの背景を踏まえると、押さえておいていいことは間違いありません。では、早速論文を見てみましょう。

問題

技術士 二次試験対策 グリーンインフラ問題文

グリーンインフラの概要

グリーンインフラの概要
グリーンインフラは自然環境が持つ多様な機能や生態系サービスを活用したインフラ整備や社会のあり方を目指す概念である。


① 読点「、」

② この内容で良いと思います。一方で、グリーンインフラ推進戦略に示されている定義もありますので、ご参考に→「、グリーンインフラとは、「社会資本整備や土地利用等のハード・ソフト両面において、自然環境が有する多様な機能を活用し、持続可能で魅力ある国土・都市・地域づくりを進める取組」である。 すなわち、社会課題の解決を図る社会資本整備やまちづくり等に自然を資本財(自然資本財)として取り入れ、課題解決の基盤として、その多様な機能を持続的に活用するものである。」

グリーンインフラの効果

グリーンインフラの効果
・防災減災(Eco―DRR):生態系が土砂崩れや水害、ヒートアイランド現象を緩和


③ なぜ緩和されるのかまで書くと良いと思います(水の涵養効果など)。


・地域振興:緑地や水辺がレクリエーションや癒やしの空間となり、地域活性化や住民の福利の向上に貢献
・環境保全:生物の生息・生育の場を提供、生物多様性の保全、二酸化炭素の吸収、水の保全など


④ 生息の場を提供して、生物多様性の保全を図るものと考えます。よって、効果としては、重複していませんか。

⑤ これは、水資源の保全なのか、水質の保全なのか判然としません。

※ グリーンインフラ推進戦略に示されている機能も書いておきますので、ご参考に。→「施設や空間そのものが多様な機能を有する(生物の生息・生育の場の提供、防災・減災、良好な景観形成、気温上昇の抑制、一次生産、土壌の創出・保全等)•様々な活動の場となり、多様な機能が発揮される(コミュニティ形成、環境教育、健康増進、観光や農業など地域のブランディングや稼ぐ力、価値の創造等)」


グリーンインフラの事例
京都市:道路に設置した雨庭が雨水を一時的に貯留し、浸水を防ぐ。市街地に緑を提供し、ヒートアイランドを緩和する。
横浜市:沿岸部の海藻や海草などの生態系を保全することで、CO2を吸収・固定する「ブルーカーボン」を活用し、独自のカーボン・オフセット認証取引制度を展開している。
スウェーデン・マルメ:浸水リスクが高い地区の再開発事業で、官民が連携し既存の建物に屋上緑化やレインガーデン、ウォーターウォールを設置し、浸水リスクを低減させている。   以上


⑥ とても良い事例ですね。専門性を感じます。

⑦ 空いているスペースがもったいないです。機能をもっと説明したり、事例を追加したりすることでスペースを埋めることはできます。解答用紙は余さず使い切りましょう。

タイトルとURLをコピーしました