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技術士 二次試験対策 熊本地震と千葉豪雨が突きつけた日本の脆弱性

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複合災害時代に建設技術者が備えるべき評価力

【 技術士 二次試験対策 】

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災害が“途切れず襲う”国になった令和8年

令和8年熊本地震および令和8年8月千葉豪雨により被害に遭われた皆さまに、心よりお見舞い申し上げます。突然の地震と記録的豪雨により、尊い命が失われ、住まい・生活・地域の基盤が大きな影響を受けました。今なお不自由な生活を余儀なくされている方々が、一日も早く安心して暮らせる日常を取り戻されることを、心より願っております。

また、昼夜を問わず復旧に尽力されている自治体職員、医療・福祉関係者、建設技術者、そして地域の皆さまに深く敬意を表します。

令和8年の日本は、災害が「一つ終わったら次が来る」年でした。 7月28日、熊本県宇城市・氷川町で震度7を観測した令和8年熊本地震(国交省の災害情報はコチラ)。 その衝撃がまだ街に残る中、8月には千葉県で観測史上1位の降水量を記録する豪雨が発生しました(国交省の災害情報はコチラ)。

地震と豪雨。 性質の異なる災害が、まるでバトンを渡すように連続して発生したこの年は、建設技術者にとって「災害の構造が変わった」ことを強烈に示す出来事となりました。

かつては、地震なら地震、豪雨なら豪雨と、災害は単独で語られることが多かった。しかし令和8年は違います。 地震で弱ったインフラに、豪雨が追撃を与える。 都市機能が麻痺したところに、交通障害が重なる。 断水・停電が長期化し、避難所の環境が悪化する。

災害が「複合化」し、「連続化」し、「広域化」する。 この新しい災害の姿を理解しなければ、技術士試験で問われる「課題設定」や「対策の妥当性」は成立しません。

熊本地震:地震が“生活の基盤”を奪うとはどういうことか

令和8年熊本地震は、単なる地震ではありませんでした。 建設技術者の視点で見ると、地震は「生活の基盤を構成するインフラの弱点を一斉に露呈させる現象」です。

道路が裂けると、なぜ生活が止まるのか

道路の亀裂や段差は、単なる通行障害ではありません。 排水機能が失われれば、次の豪雨で内水氾濫が起きる。 段差が大きければ、救急車や給水車が通れない。 つまり、道路の損傷は「災害対応の遅延」という二次的な被害を生むのです。

地震直後の道路点検は「交通の安全確保」だけでなく、 “次の災害に備えるための弱点抽出” という意味を持ちます。

河川が沈むと、なぜ豪雨に弱くなるのか

堤防の沈下や護岸のひび割れは、豪雨時の越流リスクを高めます。 地震で沈んだ堤防は、設計時の高さを満たしていない。 豪雨が来れば、わずかな沈下が致命的な越流につながる。

つまり、河川の損傷は「豪雨時の被害増幅装置」になるのです。

港湾が液状化すると、なぜ地域経済が止まるのか

八代港の液状化は、岸壁の沈下やクレーンの傾きを引き起こしました。 港湾は物流の起点であり、物資の供給が止まれば、復旧作業そのものが遅れます。

建設技術者は、港湾の被害を「地域の復旧速度を左右する要因」として捉える必要があります。

断水・停電は“生活の安全”を奪う

断水は72,000戸以上、停電は6,000戸以上。 生活用水の確保は、全国44自治体から140台の給水車が集まる広域支援体制で対応しました。

避難所では、保健師が4500世帯を訪問し、災害関連死の防止に努めました。 建設技術者は、インフラだけでなく「生活の安全」を守る役割も担っています。

千葉豪雨:都市が“水に沈む”とはどういうことか

千葉豪雨は、都市型洪水の脅威を改めて示しました。 都市は、地形が平坦で、舗装面が多く、排水能力に限界があります。 そのため、短時間強雨が続くと、河川ではなく「街そのもの」が水に沈みます。

アンダーパスが冠水すると、なぜ都市が麻痺するのか

アンダーパスは地形的に低いため、排水能力を超えるとすぐに冠水します。 冠水した車両が放置されれば、道路は封鎖され、救急車も消防車も通れない。 千葉豪雨では、TEC-FORCEがレッカー車を派遣して車両撤去を行いましたが、これは「交通機能の回復」が災害対応の最優先事項であることを示しています。

下水道ポンプ場が止まると、なぜ浸水が広がるのか

ポンプ場は都市の“排水の心臓”です。 ここが浸水して停止すると、街全体の排水能力が一気にゼロになります。 千葉豪雨では複数のポンプ場が浸水し、広範囲で内水氾濫が発生しました。

建設技術者は、ポンプ場の浸水を「都市の排水機能の崩壊」として捉える必要があります。

帰宅困難者が発生すると、なぜ行政が混乱するのか

千葉豪雨では470名の帰宅困難者が市役所で受け入れられました。 帰宅困難者は、避難所運営の負荷を増やし、行政の対応力を圧迫します。

つまり、豪雨は「都市の機能だけでなく、行政の対応能力」も奪うのです。

災害は“単独では終わらない”──複合災害の本質

これまでに本サイトにおいても、複合災害への対応が重要であることをお伝えしてきました(関連記事はコチラ)。熊本地震と千葉豪雨は、性質が異なる災害ですが、建設技術者の視点で見ると一つの因果構造に収束します。

地震はインフラを弱らせる

道路、河川、港湾、鉄道。 これらが損傷すると、次の災害に対する抵抗力が低下します。

豪雨は弱ったインフラを追撃する

排水能力が低下した道路は冠水しやすくなる。
沈下した堤防は越流しやすくなる。
浸水したポンプ場は都市の排水機能を奪う。

行政は支援を受ける側に回る

広域支援が必要となり、自治体の受援力が問われる。

住民は生活の安全を失う

断水、停電、交通障害、避難所の長期化。
生活環境が悪化し、災害関連死のリスクが高まる。

この因果構造を一本化して理解することが、技術士試験の論述では不可欠です。

技術士試験で問われる能力は「なぜその対策が必要なのか」

技術士試験では、単に対策を列挙するだけでは評価されません。 重要なのは、「なぜその対策が必要なのか」を、災害事実と因果構造に基づいて説明できることです。

道路の段差を直す理由は「危ないから」ではなく、 救急車・給水車・支援車両の通行を確保するためです。

堤防の沈下を補修する理由は「壊れているから」ではなく、 豪雨時に越流し、浸水被害が拡大するためです。

ポンプ場の耐水化が必要な理由は「設備が古いから」ではなく、 都市全体の排水能力がゼロになるためです。

このように、対策の「理由」を説明できることが、技術士としての能力の核心です。

建設技術者が備えるべき力──“技術”だけでは足りない

令和8年の災害は、建設技術者に次の能力強化を求めています。

① インフラを“弱点として”見る力

地震で損傷した道路や河川は、次の豪雨でどのような被害を生むのか。 その弱点を見抜く力が必要です。

② 都市の“機能”を理解する力

都市型洪水は、地形・排水能力・交通量・下水道の構造など、都市の仕組みを理解していなければ評価できません。

③ 行政の“限界”を理解する力

自治体の受援力には限界があります。 その限界を理解し、広域支援を前提とした提案が求められます。

④ 住民の“生活”を守る力

断水・停電・交通障害は、住民の生活を直撃します。 建設技術者は、生活の安全を守る視点を持つ必要があります。

複合災害時代に、建設技術者は地域の守り手

令和8年熊本地震と千葉豪雨は、 災害が単独で発生する時代が終わったことを示しました。

地震がインフラを弱らせ、豪雨が都市を麻痺させる。 行政の対応力が限界を迎え、住民の生活が脅かされる。

この複合災害の時代に、建設技術者は「地域の守り手」として、 技術力・判断力・説明力を総動員して地域を支える必要があります。

技術士試験は、その力を証明する場です。 令和8年の災害事実を正確に理解し、因果構造を一本化して論述できれば、合格は大きく近づくと思います。

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