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技術士 二次試験対策【添削LIVE】建設部門(都市及び地方計画)選択科目Ⅲ

まちづくり 論文添削
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 -気候変動時代の地域づくり-

【 技術士 二次試験対策】

書き貯めた添削論文は、これで最後になります。ほぼ試験一週間前になりますので、新たな投稿はないと思います。よって、今年度試験における添削LIVEは、最終回を迎えます。投稿にご協力いただいた皆様、ありがとうございました。良い結果が得られることを心より祈念いたします。

さて、最後にお届けするのは、「気候変動時代の地域づくり」です。このテーマは、令和4年度の国土交通白書の第一部に記載されております。白書では、「気候変動時代の地域づくりに向けて、地域の脱炭素化に加え、災害に強いまちづくり、生活の質の向上などの地域課題を解決した強靱で活力ある地域社会を実現することが必要である。」と書かれています。このような趣旨を踏まえると、脱炭素+防災、脱炭素+QOLといった具合に、他の課題とセットで脱炭素化を図っていく取組と読めます。

また、白書では、「住まい」、「移動」、「まちづくり」の3つのカテゴリーごとに取り組み例を挙げています。
(1)住まい
 ・住宅の高断熱高気密化
 ・ニアリー・ゼッチ・マンション
 ・町営住宅・道の駅への分散型エネルギー導入
(2)移動
 ・次世代自動車の多目的利用
 ・車両と建築物とのエネルギー総合管理
 ・道の駅を拠点としたドローン物流
(3)まちづくり
 ・コンパクト・プラス・ネットワーク
 ・大都市での面的なエネルギー利用(都市型マイクログリッド)
 ・災害に強いまちづくり(防災コンパクトシティ)
 ・デジタル防災(データ利活用型スマートシティ)
 ・市域レベルでの再生可能エネルギーの導入・利用拡大
 ・住宅の省エネルギー化・再生可能エネルギー利用
 ・大都市での緑化
 ・自転車の活用促進
 ・都市交通でのMaaS
 ・温室効果ガスの削減と生活の質(QOL)の向上を目指す「QOL-MaaS」の取組み

このように、たくさんの取り組み事例が示されていますので、解決策を記載する際には、カテゴリーを小見出しにして好きな事例の内容を記載すればOKです。

それでは、論文を見ていきましょう。


【選択科目Ⅲ 気候変動時代の地域づくり】
気候変動時代の暮らしを見据ええた地域づくりを推進する上で、以下の問いに答えよ
①多面的な課題とその観点
②最も重要な課題と解決策
③②で示したすべての解決策を実施して新たに生じるリスクとそれへの対応策について、専門技術を踏まえた考えを示せ

1.3つの課題とその観点
(1)いかに、気候変動への適応策を推進するか
 平成28年のパリ協定の発効をはじめ、温室効果ガス排出・削減に向けた緩和策の取組が拡大している。一方で、気候変動による気象災害リスクは年々増大しており、経済的損失は甚大なものである緩和策の効果を最大限に発揮するためには自然災害の激甚化・頻発化への対策を講じることが重要である。したがって、技術面の観点からいかに気候変動への適応策を講じるかが課題である。

① 「削減に向けた緩和策」は違和感があります。地球温暖化であれば緩和で良いのですが、温室効果ガスの削減であれば「に向けた緩和策」はいらないと思います。
また、“策”と表現されているものが、3つ(緩和策、災害対策、適応策)登場します。
適応策=緩和策≠災害対策との理解が正しければ、適応策と緩和策は統一表現にするべきです。一方で、地球温暖化の緩和策と災害対策の両方を含め適応策(緩和策+災害対策=適応策)としているのであれば、非常に理解しづらいです。
※後者の方が良い論述になると思います。
②「甚大なものである」→「甚大である」。
③ 災害対策がなぜ緩和策の効果につながるのか分からないです。因果関係を明確にしましょう。

(2)いかに、効率的に気候変動対策を講じるか
 気候変動への対策には、インフラ整備等の建設分野の技術が求められる。しかし、少子高齢化社会における生産年齢人口の減少により、建設業に従事する人材は不足している。したがって、人材面の観点からいかに効率的に気候変動対策を講じるかが課題である。

④ 観点は異なるものの、(1)の「気候変動への適応策」と同じではないでしょうか。差別化するために「いかに省力化して取り組むか」でどうでしょうか。

(3)いかに、気象予測の精度を向上させるか
 甚大な被害をもたらす以上気象が毎年のように発生し、国民の生命や財産が脅かされている。また、気象災害による被害は山岳部や臨機アブ等地形によって異なり、自治体毎に被害予測を行うことが重要である。したがって、防災面の観点からいかに気象予測の精度を向上させるかが課題である。

⑤ (1)で説明した背景と類似しています。ここは、現状の気象予測の重要性や精度向上が求められる背景を書くべきです。
⑥ 被害予測が重要と言いながら、課題は気象予測では整合性がとれていないと思います。
⑦ 防災面は、(1)でも触れているので、多様な観点と言えるか疑義があります。

2.最も重要な課題と解決策
 上記の内「いかに、気候変動への適応策を推進するか」を最重要課題に選定する。何故なら、解決策の実行により、緩和策との相加相乗効果が期待できるからである。以下に解決策を示す。

⑦ 緩和策が何か良く分かりません。温暖化ですかね。また、なぜ相加相乗効果が期待できるのかも良く分かりません(解決策を読めばわかるということですかね?)。

(1)流域治水まちづくりの推進
 気候変動による水災害リスク増大に対応すべく、ハード・ソフトの両面から流域全体で治水対策に取り組む。具体的には次の対策を講じる。
ハードの対策氾濫によるリスクをできるだけ低減させるため、堤防整備や護岸整備を行う。また、被害対象を減少させるため既存の調整池に加え学校の校庭や公園の地下貯留施設整備による流域貯留を行う。これらにより、集中豪雨による水害被害の軽減を図る

⑧ 「氾濫のリスク」または「氾濫による被害」。ソフトの対策を踏まえると、後者ですかね。
⑨ 最初に「氾濫によるリスクをできるだけ低減させるため」と述べているので、重複しています。また、被害対象を「集中豪雨」に限定する必要はないと思います。

ソフト対策:河川の水位変異を観測する水位計や監視カメラ設置を行う。また、住民では河川水位の上昇時に自分自身がとる防災行動を時系列に整理したマイ・タイムラインを作成する。どのように避難するかを考える機会を創出し、水防災に関する知識を習得することで、迅速な避難を実行できるよう喚起する。

⑩ 「変異」→「変位」
⑪ 水位計や監視カメラ設置とマイタイムラインに関係がないのであれば、前述部は、ハードの対策ですね。水位計等から得られる情報を住民にリアルタイムに提供するなどの関係を説明すれば良いと思います。

(2)都市インフラの強靭化
迅速な交通情報の提供:気象災害時には道路の冠水や倒木等により交通渋滞が発生し、緊急車両の通行に支障をきたす。そのため、迅速な交通情報を提供できる環境を整備することが重要である。具体的には、ETC2.0プローブデータを活用し、車両の走行実績から通行状況の分析を行う。加えて、集積された情報をWEB上で閲覧可能とし、リアルタイムな道路の異常情報提供する。また、収集した通行実績をマップに示し継続的に更新を行うことで災害時における道路の異常予測を図り、安全な通行ルートの提供を行う。

⑫ 削除。解決策なのでやることを書きましょう。
⑬ 平時なのか災害時なのか(予測かリアルタイムで分析するのか)どちらでしょうか。
⑭ 集積された情報なのかリアルタイム情報なのかどちらか分かりません。
⑮ 分析とは異なるものなのでしょうか。また、予測は図るものではないので、「異常を予測し」ですかね。
⑯ 全体的に平時の対策と災害時の対策が混在していませんか。シーン別に再整理が必要に感じます。

安定的な電力の提供:従来の電力インフラは大規模・集中型であるため、配電線の破損による影響は広範囲にわたり停電を発生させる。そのため、地域マイクログリッドの整備により電力供給の安定化を図る。例えば、地域マイクログリッドエリア内に風力発電施設や太陽光発電設備と蓄電池を設置し、電力の地産地消を推進する。また、地域ごとに整備されたマイクログリッド同士をCEMSにより管理する。これにより、災害時に系統電力が遮断さした際にも、系統内の電源から最低限の電力共有を図る

⑰ マイクログリッドは電力の安定化を目的としていないと思います。むしろ、分散型電源になるのできちんとマネジメントしないと不安定になるのではありませんか。
⑱ 「マイクログリッド同士を管理する」との表現が分かりづらいです。一括管理ですかね。
⑲ 系統電力が遮断しているのに系統内の電源から電力共有できるのですか。系統電力と系統内の電源が別物であることがこの文から読み取れません。
※①のとおり適応策(緩和策+災害対策=適応策)との考える場合、例えば(1)は水循環と治水、(2)は防災と交通最適化、(3)再エネとレジリエンス強化といった具合に、脱炭素と防災・減災の両側面で述べると良いと考えます(国土交通白書の記載にも気候変動に対応するまちづくりは脱炭素と防災の視点が記載されています)。

3.新たに生じうるリスクと対応策
新たに生じうるリスク:気候変動の対策を優先した都市基盤整備が推進されることが想定される。その結果、既存の建設産業等においては、新たな開発や投資が自〇に行うことができず、技術の発展を阻害する恐れが考えられる
対応策:立地適正化計画の策定により、都市機能を居住機能の誘導・再配置を図り、集約型の都市構造を構策する。市街地の拡散を防止し、都市基盤施設や公共施設を集積することで、投資効率の高いまちづくりを推進する。   以上

⑳ 民間資本もあるのではありませんか。また、都市基盤整備の推進による技術発展もあるのではないでしょうか。主張に信憑性がないように感じます。
㉑ 「構策」→「構築」

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